1.4月8日(始業式)

4月8日に始業式を行い、新年度がスタートしました。春休み中は、生徒の声が少なく、静かな校舎内でしたが、生徒が戻ってきて、賑やかな学校に戻りました。やはり、学校は生徒の声があると活気づくなとつくづく感じました。

始業式では、生徒に3つの目標を共有しました。その3つとは、次の通りです。

・文武両道を貫くこと

・学校の中のことだけでなく、外のことにも目を向けること

・希望する進路に挑戦すること

「文武両道を貫くこと」は、文と武の両方を追いかけて、人間的に成長していってほしいという想いが込められています。

「学校の外に目を向けること」は、大学、企業、そして地域に目を向けてほしいということです。学校以外のところで、いったいどのような活動が行われているかを知ることで、社会での課題を見いだして、自分が将来どのように社会へ貢献できるのかを見つけて欲しいと考えています。例として、校庭から見える「大日本印刷(DNP)」を取り上げて、話をしました。今年度中に、DNPと協同で、キャリア教育のプログラムを実施する予定となっています。また、グローバル研修などで、海外に目を向けることも重要です。

「希望する進路に挑戦すること」は、自分自身でどのような進路を希望するかを見つけて、そこへ向かって計画を立てて、学校生活を送って欲しいという願いです。そのために、学校の外に目を向けて、目標を見つけて、そこへ向けて計画的に学習を行っていき、自分の時間を管理してほしいと伝えました。

学習十五則の四に、

「計画なきものに収穫あることなし。予習復習に対しては、必ず一定の計画を定めて適当の時間を配当すべし。」

とあることに触れて、計画性の重要さを話しました。

最後に、現在、世界の情勢が非常に厳しい状況にあることを考えるにあたって、「平和の像」が置かれている学校の生徒として、将来何ができるかを考えてほしいと話ました。

「平和の像」は、昭和29年在学中に原爆症によって倒れ、その後亡くなってしまった、千葉亮さんの死を忘れないようにと、彫刻家の西川宗舟氏によって制作され、学校に寄贈されました。千葉さんが白血病にかかった原因が広島の原爆の被爆者であることから、当時の生徒会はこの悲惨な現状を世に伝えなければならないと考え、「無限の瞳」という自主制作映画を制作しました。この映画は、千葉さんを何とか救おうとした活動のドキュメンタリーとして制作され、全国で上映され、反響を呼びました。昭和30年のワルシャワで行われた世界青年平和友好祭の日本代表作品として出品され、総合2位を獲得しました。YouTubeで公開されていますので、一度見ていただければ幸いです。

2.新入生歓迎会(4月7日)

中学新入生は、始業式に先立って、オリエンテーションが実施されました。その中で、生徒会の企画による新入生歓迎会が行われました。各部活動のビデオによる紹介、いくつかの部活動生徒による実演での紹介、生徒会活動の紹介がありました。実演による紹介では、ジャグリング部、クラッシックギター同好会、地理研究部、柔道部、剣道部の先輩がそれぞれ趣向を凝らして、普段の活動を紹介してくれました。

(1)ジャグリング部

  

始めに、代表生徒によるジャグリングに使う道具の解説があり、その後、数人の生徒による演技がありました。演者がお辞儀をしたあとに、拍手が起こり、テンポ良く演技が進行しました。

(2)クラシックギター同好会

生徒二人によるギターの演奏が披露され、なごやかな雰囲気に包まれました。

(3)?部

次に紹介されたのは、団体名不詳と言うことで、「ウマ娘」に扮した高校生が登場してきました。「さて何部でしょう?」の問いかけに、「ウマ娘部」なんて、あったかなと思っていたところに、「地理研究部でーす」と、声があり、ちょっとびっくりしてしまいました。

 

これは、いったいどのような展開になるのかと気になりましたが、次のスライドからとても真面目に地理研究部の活動について、説明がなされていきました。活動内容は、主に3つあって、「巡検」「合宿」「防災研究」から構成されていると話していました。先日、行われた名古屋での合宿の説明では、とても情報量が豊富で中学1年生も聞き入っている様子でした。あまりにも上手に話して、内容が豊富だったので、生徒会スタッフからは「巻き」が入っていました。

(4)柔道部

柔道部部長による部活動の紹介のあと、実演により、投げ技が披露されました。受け身で畳をたたく音が響いたあとに、中学1年生から、大きな拍手があがりました。一通り、技の披露が終わったところで、舞台の後ろから、「ちょっと待ったー」の声が。。

昭和の不良高校生のような格好の生徒が乱入してきて、柔道部員にからんでいきました。ところが、強がっていた不良高校生が面白いように投げ技で投げられ、その姿を見た中学1年生から、大きな笑いが起こっていました。実は、これは毎年の恒例行事になっていて、不良高校生役の柔道部員がシナリオ通りに投げられていき、笑いを取ることができて、柔道部のみなさんもうれしかったのではないかと思いました。

(5)剣道部

剣道部の部長より、剣道部についての紹介があったあとに、実演による「面」「小手」「胴」の技の紹介がありました。昨年の文化祭で、「鬼滅の刃」風な演技を披露していたので、少し期待しましたが、この日はなしでした。「柔道部のあとに、それはやりにくいです」との部長さんのコメントがありました。

(6)生徒会活動

 

部活動の紹介のあと、生徒会活動の紹介として、4つの委員会(会計委員会・環境委員会・広報委員会・企画委員会)の実績と、活動内容の報告がありました。その後、体育祭実行委員会、文化祭実行委員会と説明が続いていきましたが、少し時間が長くなっていたので、文化祭実行委員長の配慮でストレッチをするように指示がありました。中学1年生は体をほぐしてから、話を聞いていました。

この行事は、長く続くイベントとなっていますが、数年前に比べると格段に内容がわかりやすくなりました。それは、発表する内容の構成がしっかり考えられていることに加えて、プロジェクターの導入によって、パワーポイントによるスライドが利用できるようになったことが挙げられます。スライドの作成のスキルが上がると共に、相手にどのように伝えるかを事前によく考えてきていることの表れと感じました。

今後も、様々な発表の機会を経験して、より良いプレゼンテーションの仕方を学んでいって欲しいと思います。

令和4年4月11日

成城中学校・成城高等学校

校長 岩本 正

1.生徒 vs 教員・野球

例年、中間試験の最終日に、中学野球部の生徒と教員チームが野球で対戦します。昨年度は新型コロナウィルス感染症のために、中止となっていましたので、久しぶりの対戦となりました。

ここ数年、野球経験のある若い先生が増えてきましたので、教員チームもなかなかの腕前です。人工芝のグラウンドで野球ができるのは、とても気持ちがいいですね。

ちょっと見に行っただけのつもりでしたが、バットを渡されてしまったので、私も1打席だけバッターボックスに立たせてもらいました。まったく、バットに当たる気はしませんでしたが、3球ファールしたあと、前に飛びました。セカンドゴロでした。前回、打席に立ったのは土のグラウンドのときでしたから、10年ぶりくらいでしょうか。様々な活動を生徒と一緒にできるのは、楽しいことです。

2.調理実習

高校2年生の家庭科の授業では、年に5回の調理実習を行っています。しかし、感染症対策のために、これまで実施を見送っていました。ようやく状況が落ち着いてきたと判断して、調理実習も再開しました。

今回は、ハヤシライスとババロアでした。ハヤシライスは、ルーを作るところから、調理していて、かなり本格的でした。お恥ずかしい話ですが、私はタマネギが苦手なので、炒めるにおいがするだけでまいってしまいます。職員室と家庭科室は、同じフロアの隣の棟に並んでいて、においで調理実習が行われてることに気づきました。意を決して、家庭科室に入り、様子を見学してきました。マスクに、手袋と、普段とは違った様子でしたが、手際よくフライパンを扱っていました。

毎時間、担任の先生に食べてもらい、感想をフィードバックしてもらっています。今回も非常においしかったと話していました。

3.パン屋さん

本校では、お昼の時間帯(11:30-11:40と12:30-13:00)に近所のパン屋さんがやってきて、パンを販売しています。

パン屋さんが話していたのは、2学期の最初はあまりパンが売れなかったようですが、ここのところ急に売り上げが伸びたようです。特に人気なのは、チュロスだそうです。私が見ていたときも、かなり売れていました。中には、2本買っていく生徒もいて、驚きました。生徒たちは、甘いパンが好きなんですね。

4.テレビ取材

先日、内藤とうがらしについてのテレビ取材を受けました。ケーブルテレビJ:COMの「地域活性化戦隊サカリバン」という情報番組に本校生徒2名が出演しました。リハーサルでは2名ともかなり緊張していて、用意しておいた原稿を読むだけになっていましたが、番組MCの「マナティ」こと山口真奈さんに上手に話を引き出していただきました。二人とも本番では、原稿に書いていない内容を自分の言葉で表現していました。内藤とうがらしを使った料理を4つ紹介してくれましたが、中にはオリジナルのものもあって、私も感心しました。

11月中の毎日、新宿・港区のJ:COMで放送されています。視聴可能な方は、是非ご覧ください。

【地域活性化戦隊サカリバン】番組ページ

1.エイサーの練習

10月9日は、中学校の運動会が実施されます。昨年は、運動会が延期となり、代替の学年別運動会となりましたので、2年ぶりの実施となります。例年、中学3年生は成城独特の組み体操が披露されるのですが、接触する場面が多いために、代わりとしてエイサーを踊ることになりました。台風が近づく9月30日に、学年全体での合同練習が行われました。270名で踊るエイサーは、近くで見ると、とても迫力があり、太鼓の音も体に響くものでした。

踊りに使われる手持ちの締太鼓(パーランクー)は、生徒の自作でした。牛乳パックを皮の代わりにして、段ボールの枠に貼り付けて作ったものです。バチは、各家庭にあったものをそれぞれ持ち寄って、使っていました。写真は、麺棒でしょうか。ドラムのスティック、ごますりの棒、「太鼓の達人」のバチ、中にはアルトリコーダーの中部管?、人それぞれで面白いなと思いました。

昨日は、台風で天気が荒れましたが、10月9日は晴れることを願っています。

 

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2.職業についての発表

9月29日、中学2年生の特別活動の時間に、職業についての発表が行われました。4人でチームを作り、これまでに調べてきた内容をスライドにまとめて、各クラス1チームずつ発表をしました。学年の生徒全員の前で、発表するのですが、この日は高校1年生の講演会が小講堂で行われていたので、代表者が集まって発表する教室と、それぞれのクラスをオンラインでつないで、中継する形で発表が行われました。講堂で実施されたのであれば、みんな静かに聞くという形になるはずですが、発表する人とクラスが別会場であったためか、クラスの代表の生徒が発表する前に、オンラインでつながったクラスから「頑張れ~」と言った声援が送られていました。もちろん、発表中は静かに聞いていました。

このような考えたことをアウトプットする機会が増えることで、言語能力が強くなっていくのではないかと考えています。

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3.理科実験(銅の酸化)

化学実験室では、中学2年生の実験が行われていました。ステンレス皿に銅粉を乗せて、質量を測定した後に、バーナーで加熱して、酸化させます。その後、もう一度質量を測定して、酸化前後の質量の変化をグラフにするという実験でした。最近は、火を扱う機会がめっきり減りましたので、実験器具のどこが熱いのか想像がつかなくなっているのかもしれません。三脚の脚をるつぼばさみで、恐る恐る引っ張ったりしていました。

私も数年前までは、同じ実験を授業でやっていましたので、つい口を出しそうになってしまいました。途中で、銅粉がこぼれたりしてましたけれど、結果はどうなったでしょう。

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4.内藤とうがらし(その後)

前回、内藤とうがらしの収穫をお伝えしましたが、その後刈り取られた後も芽を出して、成長しています。すごい生命力ですね。

新宿区のあちこちで栽培されている内藤とうがらしですが、本校のものが一番生育がいいということで、新宿中央公園に展示されることになりました。プランターごと、お渡ししたのですが、寄せ植えになって、展示されているようです。新宿中央公園と内藤とうがらしプロジェクトのページで紹介されています。でも実は、この内藤とうがらしは、私が栽培したものなんです。生徒のものはきれいに収穫してしまい、私のだけが残っていたと言うことなんです。

新宿中央公園:公園だより

内藤とうがらしfacebookページ

令和3年10月2日

成城中学校・成城高等学校

校長 岩本正

1.内藤とうがらしの収穫

9月に入り、2学期がスタートしました。今年の夏は、それほど気温が高い日は多くありませんでしたが、5月に植えた内藤とうがらしは、強い日差しを受けて、たくさんの実をつけました。苗の先に真っ赤に実ったとうがらしたちは、空に向かって勢いよく伸びています。1株に100本ほどなっています。生徒たちは、夏休み中の部活の帰りにこまめに水をあげて、世話をしてきたので、たくさん実った班は嬉んでいました。敷地の関係で上に大きな桜の木があり、少し影になってしまったところは成長が遅くなっていたようでした。まだ、緑色のとうがらしが残っていました。

生徒たちは持ち帰って、料理に使うと言っていました。私は、泡盛につけて、コーレーグースにしてみようかと考えています。

くれぐれも、とうがらしを触った指で顔などに触れないように気をつけてください。あとで、大変なことになります。

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2.エンパワーメントプログラム

8月16日~20日の5日間に渡って、エンパワーメントプログラムが実施されました。昨年度は、8月の実施ができずに3月に延期いたしましたが、残念ながら中止となってしまったため、2年ぶりの実施となりました。今年は、国内の大学に在籍している留学生の方たちがグループリーダーとなって、生徒のまとめ役を担ってくれました。様々な国から、日本へ学びに来ていることを改めて感じさせられました。必ずしも英語が母国語ではない留学生も多く、とにかく話してみるということを生徒が感じてくれたのではないでしょうか。5日間のプログラムの最終日には、それぞれの考えを英語でスピーチして、プログラムを終了しました。恥ずかしながら、私もスピーチをすることになってしまい、緊張しながら少しだけ話をさせていただきました。英語で話すという機会が与えられることは、とても重要で、それによって自分自身の可能性を広げてくれるんだなと痛感したのでありました。

とにかく、5日間を無事に終えることでできて、感謝しかありませんでした。

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3.廊下のポスター

現在、校舎のあちこちに感染症予防ポスターが掲示されています。これは、美術の時間に生徒が描いたもので、気になるものをピックアップしてみました。

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令和3年9月7日

校長 岩本 正

1.「内藤とうがらし」の植え付け

前回、敷地の一部を改修して、中学校技術の「栽培」に使う用地としましたと、書かせていただきました。その後、そこで栽培する植物について技術科の教員と相談していたところ、偶然、テレビで「内藤とうがらし」という、江戸時代に新宿で盛んに栽培されていたとうがらしが紹介されていたのを見たのです。これだと思い、早速、「内藤とうがらしプロジェクト」を立ち上げた成田重行さんに連絡を取って、本校も「内藤とうがらしプロジェクト」に参加することとなりました。

5月の中間試験が終わった最初の授業で、内藤とうがらしの植え付けが行われました。何も無かった公園のようなスペースは、内藤とうがらし140株が植えられた畑に変わったのです。9月に真っ赤なとうがらしが一面を覆うことを楽しみに、成長を見守りたいと思います。

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<教室で苗の植え方の動画を見てから、現場に向かいます。>

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<よく見ると、同じ空間に体育と、技術と、美術の授業が同時に展開されていました。>

 

2.プールの授業開始

5月26日にプール開きが行われました。これから9月までの間、体育の時間に水泳を実施します。思い返せば、昨年の今頃は休校中でプールにカルガモが来ていました。あれから、一年経過したんだなと実感しました

 

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実際にプールに入る前に、点呼の取り方を練習します。今日は、中学3年生の授業でしたので、中学1年生のときの臨海学校での点呼を思い返しながら、「バディ、オー」とかけ声をかけていました。

令和3年6月1日

成城中学校・成城高等学校

校長 岩本 正

緊急事態宣言のため、教育活動に色々な制限がありますが、成城生たちは学びを止めず、努力を重ねています。

先日、高校3年生の医学部志望の生徒と、医学部6年生の成城OBとのZOOMを用いた面談を実施しました。

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進路や学習方法、入学してからの楽しみや悩み、赤裸々に語ってくれるOBの言葉に、生徒たちは熱心に耳を傾けていました。この体験を次につなげてくれると信じています。

「次は直接、話をしたいね。」と面談は終わりました。学業が忙しい中、時間を作ってくれたOBに感謝いたします。

4月より、校長となりました岩本と申します。どうぞ、よろしくお願いします。

今年度は、制限を設けながらではありましたが、入学式、始業式ともに例年通り体育館で実施することができました。このような社会情勢の中でも、対面して話しをすることの大切さ、実際に目で見て、情報を得ることの大切さを話させていただきました。
緊急事態宣言の延長が決まり、まだ感染症対策を継続して行かなければならない状況ではありますが、何とか通常の活動に近い形で教育活動を実施していけるよう、努力していきたいと考えています。

さて、そのような中、学校の敷地の一部を改修しました。昨年度末から、少しずつ工事を進めていたのは、警備員ボックス裏の敷地改修です。かねてより、中学校の技術家庭での「栽培」の単元用に実習を行う用地を探していましたが、なかなか適当な場所がありませんでした。屋上の利用も考えたのですが、土を屋上に入れるのはとても大変な作業です。そこで思い切って、植栽のあったところを改修して用地にしました。

想定以上に、きれいに整地していただきました。公園のように見えますが、このあと、ここには生徒人数分のプランターが並びます。夏には、新宿産の野菜が収穫できるかもしれません。どんなものを栽培するのか、楽しみにしておきたいと思います。

なお、費用の一部は第135期生卒業記念事業から出していただきました。ありがとうございました。

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令和3年5月7日

成城中学校・成城高等学校

校長 岩本 正

満開の桜

最後の一か月はとても忙しく、校長室では忘れがたい濃密な日々を過ごしました。それらを思い出しながら最終号をお便りします。

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1.テーブルマナー

高校卒業式を前に、高校3年生のテーブルマナー講習会が京王プラザで実施され招待していただきました。とはいっても、コロナ禍ですので、厳重な感染対策の下で、食事中は「黙食」でした。テーブルマナー2

マナー講習会を終え、マスクをつけて生徒による企画が行われ参加しました。企画の終わりに、卒業生で本校数学科講師でもあるマジシャンによる「マジックショー」がサプライズで披露され、大変楽しいひと時でした。

テーブルマナー

最後は、先生方によるメッセージで終わりましたが、何とここでもサプライズ。この学年の担任をして、現在は神戸の大学で教鞭をとられている林剛司先生からビデオメッセージがありました。それぞれの先生方から生徒たちへ贈る言葉の中に、6年間の思い出の風景が次々と浮かんできました。

2.コロナ

実は、試験休み中に生徒のコロナ感染疑いの情報が入りました。この間保健所や校医の先生と綿密に連絡を取り合って正確な情報を集め、年度末の様々な行事を日程変更するなどして、対応しました。結果として「濃厚接触者なし」の判断が保健所から出て、大事に至らず安堵し今日の日を迎えられました。いつどこで誰が感染するかわからない、そんな不安の中で過ごす日々でした。

というわけで、卒業式をどうしたらよいか考えた末に、特にこの間、高校3年生は学校との接点がなかったため、高校卒業式は予定通り実施することを判断しました。修了式、中学卒業式は、状況が把握できるまで延期しました。

3.卒業式

3月19日午後に高校卒業式を実施しました。この日は創立130周年の記念の桜が満開でした。ある朝正門で「卯田子桜ですね」と声をかけられたことから、高校3年生がこの桜が初めて咲いた春の中学入学生であることを思い出し、そのことを式辞の冒頭に述べました。「君たちの未来のために」と題して式辞を作り、卒業生への思いをメッセージにしました。

当日は壇上から見えるマスクをした卒業生の真剣な目に圧倒されました。大人になり成長したな、と「成城の誇り」を感じたひと時でした。式後に保護者の方々とわずかな時間でしたがお話しすることができ、また、語り切れない思いをお手紙で頂戴しました。卒業生の保護者の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。式辞は校内で配布される「学校だより」に掲載される予定です。

4.最後の理事会

3月23日に最後の理事会がありました。1期4年の理事を2期も務めさせていただき、この日の議案で正式に理事を辞任することになりました。着任後に知った「成城」と前任校「小石川」については雑誌「成城」にも書きましたが、二つの学校の関わりの証拠ともいえる写真を、私から学校法人成城学校にお礼の気持ちを込めて寄贈させていただきました。

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これは、昭和2年8月10日にナイアガラの滝にて撮影された国際教育会議の記念写真で、2列目中央付近に成城学校第9代校長澤柳政太郎、その左最前列に東京府立第五中学校(現小石川中等教育学校)初代校長伊藤長七が写っています。この写真の裏には、以下のようなスタンプが押されていて、ビクトリア州トロントと読めます。カナダ国際教育会議・写真の裏のスタンプ

5.修了式

3月26日に中学1年と2年、続いて高校1年と2年の修了式を放送で行いました。学事報告、校長式辞のみの簡素な式でした。放送による式は生徒の顔が見えず好きではありませんが、しっかり聞いていたことが後からわかりました。修了式後に各教室で各種表彰状、通知表、宿題などが配布され、クラスメイトに別れを告げてクラスが解散され、新年度を迎えます。ホームルームを終えた何人かの在校生が、職員室や校長室に私を訪ねてくれました。また、すれ違いざまに「ありがとうございました。」あるいは、部活動中に足を止めて一斉に「お疲れさまでした。ありがとうございました。」と明るく声をかけてくれる生徒たちを見ていて、ほっとしました。君たちのこと、ずっと応援しているよ、頑張れ成城生!!

6.中学卒業式

3月26日、午前中に修了式、午後に中学卒業式という段取りで三つ目の式をしました。体育館で扉と窓を開放したまま、教員のみ(来賓、保護者なし)の参列で実施しました。ほとんどが成城高校への進学ですが、高校に繋ぐという意味合いをメッセージで伝えました。3年後の姿に期待しています。

7.最後の職員会議

中学卒業式終了後、最後の職員会議がありました。今年退職する英語科の大溝先生、村岡教頭先生と私の3人で、退職のご挨拶をさせていただきました。職員会議が終わると、恒例の職員室の引越ですが、引越の前に正門に来てください、と声がかかりました。

8.卯田子桜

正門には多くの教職員が集まっており、退職者3人に花束と似顔絵が贈呈されました。似顔絵

正門の桜に「卯田子桜」のプレートがつけられていました。

うたこ桜2プレートには「卯田子桜 女性初校長として成城に赴任されて 毎朝校門に立たれました その姿を残したく思います  桜の記憶として・・・」と、先生方からのメッセージが書かれていました。8年間毎朝門に立って生徒たちを見ていたことは、成城で教壇に立ったことのない校長の生徒指導の場だったのに・・・

9.「成城で学んでよかった」

3月31日まで、多くの生徒、教員、卒業生、保護者の皆さんと毎日のように様々な話をし、また、留学中の卒業生からは海外から近況報告のメールが寄せられました。

この8年間は、中学入学から高校卒業までを過ごした生徒たち、高校入学から社会人になるまでを見届けた生徒たちなど、たくさんの様々な出会いがありました。校長先生に会えてよかった、成城で学んでよかった、という声にこちらこそ感謝の気持ちでいっぱいになりました。まだまだ終わらない旅です。これからの新しい出会いや経験にワクワクしながら頑張ってくださいね。


ある生徒が「校長先生、種を一杯蒔いてくれましたね。」と言いました。そうですよ。芽を出し、伸ばしていくのは成城生みんなですよ。

この先の成城を先生方にお任せし、8年間一緒に関わりを持って取り組んできた岩本新校長に安心してバトンタッチします。よろしくお願いします。

通算して100号を超えて連載しました「校長室だより」は今回で終わります。この時の流れを、これから自分なりに整理して考えてみようと思っています。成城の益々の発展を祈念して、最後のお便りとします。ありがとうございました。

花束

 

【令和2年度中学1年生保護者の皆様へ】今年度は特に、入学式が録画配信、保護者会や、行事公開もなく、皆様にはこの一年間一度もお目にかからぬままお別れとなり残念で申し訳なく思います。ご子息が成城で様々な経験を積んで成長していくことを心より願っております。

令和3年3月31日 校長 栗原卯田子

一年前の今頃は、新型コロナウィルス蔓延防止のための緊急事態宣言を目前に暗闇の中を進む思いでした。現在は、再びの緊急事態宣言がまだ解除されていませんが、この2月から医療従事者のワクチン接種が始まり、感染者数も減少傾向にあり、光が見えてきたように思います。あともう少しかもしれませんね。少し期待を感じることができた2月でした。

1.中学入試と新入生説明会

緊急事態宣言の中、令和3年度中学入学試験を例年通り2月1日から2月3日、2月5日の計3回実施しました。今年は密を避ける目的で、塾関係の方々が門の外で受験生を出迎えて応援することも、受験生と保護者が入室前に小講堂で待機することも止め、正門から体育館まで一方通行の通路を作りました。

 

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体育館入り口

受験生は保護者と一緒に体育館に入り、消毒をして体育館の順路を進みます。

 

体育館全体

体育館の出口付近まで来るとサーマルカメラがあります。体育館検温体育館検温2

サーマルカメラによる検温を済ませると、受験生は試験会場へ、保護者は体育館の外へ向かう、という例年にない流れを作りました。

 

体育館出口

今年は控室を設置せず、お迎え場所を設定しました。試験終了時刻が近づくとどんどんお迎えの方が入ってきて、上からみてわかるように、間隔をあけてお待ちいただきました。

 

御迎え1

このような感染防止のための工夫を様々重ね、全3回の入学試験を実施しました。さらに、万が一出願した受験生が検査で陽性、あるいは濃厚接触者となった場合の救済措置として追試験を実施し、全ての試験が無事終わりました。応募者は1日、3日、5日の延べ人数で約2163名でした。昨年よりは減少しましたが大勢の受験生が出願し、皆様の協力に感謝しております。ありがとうございました。

入学予定者を集めて2月13日に新入生説明会を実施しましたが、密を避けるため保護者のみで開催しました。新中学1年生の皆さんのキラキラした顔が見たかったです。残る小学校生活を充実して過ごしてほしいと思っています。

2.修学旅行

3月初旬に予定されていた中学と高校の修学旅行はキャンセル料の関係で2月8日に判断が求められました。結論として中学修学旅行は中止し、制限を加えて実施することより、2年後に控えている高校修学旅行を充実させ有意義な旅行を企画することで決定しました。完全一貫校であるがゆえに出すことができた結論です。

高校2年で実施予定だった修学旅行については高校3年での実施になってしまいますが、関西、北陸の2方面を4月11日から3泊4日で実施することになりました。何としても実施したいという熱い思いが生徒からも教員からも伝わってきました。安全に配慮し、感染防止策を徹底した上で、思い出に残る旅行となることを期待しています。

3.映画「無限の瞳」の原版

本校生徒会が制作した映画「無限の瞳」について、昭和56年7月15日付の原版が発見されたことを、校長室だよりの12月31日号で触れました。生徒会室で発見した時に生徒が撮影した写真を見せてもらいました。酢酸のにおいがすごかったそうです。

発見された原版

 

無限の瞳・原版02

映像はデジタル化して保存してあるため、フィルムの原版は「国立映画アーカイブ」に寄贈しました。

 

アーカイブ

 

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現在、傷んだ原版は国立映画アーカイブで修復作業中です。所有権は「国立映画アーカイブ」に、著作権は成城高等学校生徒会にあるということになります。無限の瞳1無限の瞳・原版2無限の瞳・原版無限の瞳・原版32

以下に、本校の中学生、高校生の活躍を紹介します。 

4.中学技術「探究活動・発表会」

中学3年生の技術科では、今学期「栽培」の分野で探究活動をしました。グループを作り班でテーマを決めて探究し、結果をスライドで表現してまとめ、班ごとに発表会をして、生徒たちによる評価をしていました。生徒たちは休校中にオンライン授業で活用したGoogleの「評価テスト」を使って評価をしていました。コロナ禍では、失ったものもありましたが、変化に対応していく中で手に入れた技術があったと彼らを見ていてつくづく感じました。

 

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5.「全国学芸サイエンスコンクール」

以前の校長室だより(12月31日号)で報告させていただきました旺文社主催/内閣府・文部科学省・環境省後援による令和2年度「全国学芸サイエンスコンクール」の結果と賞状が届きました。中学校では「理科自由研究部門」と「社会科自由研究部門」に合わせて304人が参加し、高等学校では、「自然科学研究」と「人文科学研究部門」に273名が参加し、チャレンジしました。中学校、高等学校のいずれも「学校奨励賞」を受賞しました。

学芸サイエンスコンクール高校     学芸サイエンスコンクール中学

こうした探究的活動が継続し、令和3年度の「全国学芸サイエンスコンクール」にも引き続きチャレンジしてほしいと願っています。結果を求める以上に「探究する心」を継続させることが大事です。期待しています。

 6.鉄道研究部「ジオラマ」

コロナ禍で、本校鉄道研究部のジオラマが脚光を浴びています。

来館サービスを休止している東京都立中央図書館が、オリンピック・パラリンピックに関連するイベントとして、1964年から2020年の東京のまちの変化が「1964 to 2020~クイズで巡る東京のまち~」をテーマにオンラインで企画展示を実施しています。その中の一つとして、成城中学校・成城高等学校鉄道研究部が制作した「国立競技場」のジオラマが展示室で公開されています。https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/1964_to_2020/diorama2/index.html

「ネットde展示『1964to2020クイズで巡る東京のまち』」はオンライン提示ですので、是非ご覧いただければと思います。

7.中学生の「税についての作文」

本校の地域である牛込・四谷地区を管轄する四谷税務署が、租税教育の一環として中学生の「税についての作文」の募集事業を行っています。本校生徒が5人入賞しました。中でも最高賞を受賞した望田君の作品が会報に掲載されていますので全文を紹介します。身近な体験を素材として、日常生活での出来事と税との関わりを考え、気持ちを率直に表した素晴らしい作品だと思います。

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8.部活動の一部再開

本校では、部活動を1月7日から中止していましたが、一定の制限の下で部活動を一部再開しました。2月緊急事態宣言中ですが閉塞感による生徒のストレスを発散するという意味合いで、条件を付けて再開しました。

一言でいうと現在実施している「授業レベルの活動」で、時間にも制限がありますが、各部は制限事項をとてもよく守って活動しています。

 

部活動再開・マスクして離れてサッカー1

写真はマスクして練習しているサッカー部です。部活動には顧問が常に付き添って、時々様子を見ながらマスクをつけたり顎マスクにしたりして、体を動かすことに重点をおいています。現在は、緊急事態宣言が解除された場合の部活動の在り方などを検討しているところです。


 

今年度もあとひと月を残すところとなりました。タイトルに書いたように、暗くて長いトンネルの先に少し光が見えてきたような気がしています。今回のコロナ禍は、後にきっと貴重な経験となって新しい何かを生み出すに違いない、そう思いながら前を向いて、コロナ終息を待ちわびています。このまま明るくなるといいですね。

令和3年2月28日  校長 栗原卯田子

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