「100年以上前に建てられた本校女子寮の屋根裏から発見された埃まみれのトランク。

           現在、生徒たちの手によって、その調査が進んでいる。名づけてトランク探偵。」

第6回  

 

今回は2学期最後の調査授業。
前回、国勢調査を調べて、謎のJ.E.BURRELLさんをブリストル市在住の女性と特定した探偵たち。
果たして本当にこの女性なのだろうか。

 

前回の調査で、平行して行っていたことがあった。絹の布挟みから見つかった2枚の手紙。1つは便箋、1つはポストカード。便箋にはタイプライターで手紙が書かれ、ポストカードは鉛筆で書かれていたこの手紙を、読み下すこと。殊にポストカードは手書きだったので骨が折れた。
そこで次回までに新たな任務が加えられた。

A探偵&I探偵「EC(*)のクラスで、ついでに先生に聞いてみます。」

*ENGLISH COMMUNICATIONといい、英国人講師による英会話の授業。詳しくはリンク。

 

今回に集まったとき、ポストカードの英文はきれいに解明されていた。文章は以下の通りである。

(宛先) Miss Burrell
     c/o Mrs. Gaufe
     27 Hyde Park Gdns
                        W.2.

(文面)After a rest (we) are going
    on to Ventnor.  Love from
    us all kisses for
    will write again soon.

 

    Dear Jessica, Thank you
    for (your) letter.  Arrive safely & are very comfortable.
    The weather is very nice
    + quite warm enough.
    It looks as if all
    going to have a good
    time as many places
    of interest to go to went
    to Pomdown Sunday morn of all at Luscombe now.

   (改行は原文のまま。省略されている部分は括弧で補った。)

ECの先生曰く、「terrible writing!(ひどい手蹟ね!)」 それほど、筆記体がさらに線と同一化してしまったような文字は読みにくかった。しかしDear Jessicaですって!我々にはまったく読めなかった!つまり、トランクの持ち主は

 

 JESSICA E BURRELL  (ジェシカ・E・バレル)

 

であることが判明した。ECの先生によれば、『BURRELL』は『BIRRELL』、『BURRELE』の可能性も否定できないそうだ。
これをもとに再度1911年CENSUSの記録を調べなおしてみたが、前回判明したブリストル市の67歳の女性は持ち主とは異なることが分かってしまった。なぜなら住所は「ロンドンだと思われる」からである。…肩を落とす探偵たち。

 

「簡単にはいかないよねえ」
「逆だったものなあ、イニシャル。CENSUSのはE J。トランクはJ E。」

 

最後の調査でまた振り出しに戻ってしまった。
しかし探偵たちはあきらめない。最後の総まとめで、「来学期も絶対この講座を続けたい!」と息巻いて次の授業へ向かっていった。3学期は調査を深め、さらなる発見が多いことを期待する。

タイプライターで書かれた便箋の手紙については次号で内容を報告します。

 

 

過去のトランク探偵シリーズはこちらから
※  第1回を読む / 第2回を読む / 第3回を読む ※

※ 第4回を読む / 第5回を読む ※

 
 
  ↑ ↑   高校3年生がスペシャルディナーを楽しみました。

 

 

前日に期末試験が終了し、今学期も残すところあと5日となった最終週の火曜日、毎学期恒例のSpecial English Dinnerがありました。

イギリス人の先生によるECの授業に一番積極的に参加した学年がイギリス人の先生方と一緒にとる特別ディナーです。

 

今学期のディナーはさらに特別でした。

英国の11月では17年ぶりの寒さでこの冬最初の雪が朝から降り続き、ダイニングホールの大きな窓越しに美しい雪景色が広がっていたということもありますが、来学期は日本での受験のため帰って来られない高校3年生が、実質上最後の学期に見事この栄光を勝ち取ったというのも久々の出来事だからです。

 

あと5日後には立教を去り、それぞれの大学を目指して一人で勉強をしていくことを思うと、これまで何年もずっと一緒に励まし合いながら暮らしてきた仲間ととる特別ディナーが本当に「スペシャル」に思えてきたようです。

 

お世話になったイギリス人の先生方と話したり、お互いに写真を取り合ったりしながら過ごした約1時間の食事ー最後はキッチンスタッフが特別に用意してくださったケーキとハーゲンダッツのアイスクリームで締めくくりました。

 

中学1年生、Computerの授業

 

中1は1週間に1回情報の授業を受けます。

現代社会には様々な情報があふれています。

自分がどのように情報を取り込むか、どのように理解するか、どのように表現するか、-情報社会の課題はたくさんあります。

立教英国学院では、昨年度から中1・2の情報授業を1年間3期に分け、様々な視点から情報を扱う授業を行っています。

調査・発表の取り組みひとつ取っても、本からだけでなく、コンピュータから情報を取り入れる現在、注意を払わねばなりません。

表現は最もトレーニングを必要とする部分です。

中1は2学期はパワーポイントを使って、発表する取り組みを行いました。

 

パワーポイントを扱うのは皆初めてでしたので、本当に初歩の使い方を学ぶことになりましたが、学期末にはきちんと発表をすることができました。

テーマはいずれも『アウティング』。外出に出たときにきちんと見聞きし、写真を撮ります。

帰ってくると見たことやパンフレットを見直して内容をまとめ、自分の写真・先生方が撮影した写真を比べて良いものを選びました。

ポイントは、見せるものと、しゃべって説明する部分のバランスです。

見せる写真・文章と話すことが全く同じにならないよう注意しました。またアニメーションをうまく使い、見せ方も工夫。

初心者ながらなかなかのものを完成させました。

 

授業の最後には発表を行いましたが、小6~中1生と担任の先生方が一同に会しての発表会も行いました。

プレゼンテーションは見せ方の工夫も大切ですが、話していかにひきつけるかも肝要。これは繰り返しトレーニングを必要とします。

これからこういった取り組みをしばしば行ってゆこうと考えています。

日常生活の喜怒哀楽、大きな行事から小さな出来事まで、生徒達が書いた生の文章で立教生活を生き生きと綴るコーナーです。

 

「最高の思い出」

今年のオープンデイと昨年のオープンデイでは大きな違いがあった。

生徒会の仕事をしつつ学級委員としてクラス企画をまとめていく事、つまり生徒会と学級委員の両立だ。

これは決して簡単なことではなかった。

 

オープンデイ期間が始まる前から生徒会の多くの仕事をこなし、且つクラスの申請物の確認などの学級委員としての仕事もこなさなければならない。

準備期間中はクラスメートが各自フリープロジェクトに行っている間、生徒会のみでオープンデイ作業、正直こんなに忙しいつらい時間は今後多くないと思う。

でも逆に言えば、こんなに充実して真剣になる時間もそんなに多くはないんだろうと思った。

 

なかなか企画が進まなく、何度か喧嘩しかけたこともあった。

でもその中で協力し合い、勝ち取った総合優勝は本当にうれしかった。

そして今年のオープンデイで生徒会として活動した事で気付いたことがある。

それは今まで普通にオープンデイ作業していては気付くことができなかった、係・本部また先生方の協力、努力があって初めてオープンデイという行事が成り立っているということだ。

今まで体育館にビニールシートが貼ってあることなど気にしたこともなかったが、自分も本部として体育館設営を行うことで初めて、その大変さや、ありがたさを実感することができた。

 

 今年のオープンデイを通して、昨年よりは少しは成長したのかもしれないと感じつつ、今後忘れることのない最高の思い出になった。

 

(高等部2年 男子 生徒会長)

 
 

 

今年度から名前をE.F.L.からE.C.(English Communication)と改めて始まった英国人による週4時間の授業―Speaking とListeningを中心に授業を進め、ネイティブスピーカーによる「使える英語」の習得を目指して様々な工夫をしています。

今学期はその第2段階として生徒たちを近くの村に連れ出しました。

ペアを作って道行く人たちに次から次へと話しかけていきます。

その詳細レポートをE.C.のHead、Ms Roseがお伝えします。

 

   *   *   *   *   *   *

 

EC Class trip to Cranleigh

 

This term all students from P6 to H2 had the opportunity to visit Cranleigh. Cranleigh is England’s largest village with many shops and facilities and is about 15 minutes from Rikkyo. It gave the pupils the chance to put their English into action and to speak

to residents and shoppers in the village.

 

All students worked with a partner and they all had different tasks to do in the hour they spent in the village. They all needed to ask a passer-by for directions to a particular location and once there find out a piece of information. This involved looking for e.g signs, timetables or price lists and then noting down the answer.

They also carried out a mini survey and asked passers-by about their reason for their trip to Cranleigh and how they travelled there that day.

 

All of the English teachers have learned a foreign language and we are all aware of the amount of confidence needed to speak to a native speaker, especially when you’re just beginning. Because of this we were very impressed with the students, considering it was the first time they had done such tasks. We very much hope the short time they spent that morning goes a long way towards inspiring them that they are successful English speakers, and they can only get even

better.

 

E.C. Head Ms Rose

 
 

 

日常生活の喜怒哀楽、大きな行事から小さな出来事まで、生徒達が書いた生の文章で立教生活を生き生きと綴るコーナーです。

「お疲れ」

 

 いい言葉だと思う。言ってもらうと、自分のがんばりを認めてもらえた気がするし、言ってあげると、その人に力になれた気がする。

 準備期間中、僕は今日が来ないでほしいと何度も思った。

いくら疲れがたまったっていい。

どうか終わらないでくれと強く祈っていた。

 でも、決して今日は悲しい日ではなかった。

確かに、オープンデーは昨日行われ、今日、幕を閉じた。でも、僕は悲しくはないし、寂しくもない。いやむしろ、今日という日があったから、僕がやってこれた。ずっと準備期間が続いたって、それは逃げていることにしかならない。

何だっていつかは終わる。

だったら、終わるまで、終わる瞬間を目指したらいい。

僕は少しだけいばって、昨日までの自分にそう言い聞かせたい。

 時間が流れるという事は。

もしかしたら、幸せなことなのかもしれない。

過ぎていくから、色んな時間を大切にできる。過ぎていくから、つらいことも耐えていける。

 そして、何か行事が終わるごとに、お互い

「お疲れ」

と言い合えるこの学校が、僕は大好きだ。

 お疲れ立教。

 

(高等部2年 男子)

  

「100年以上前に建てられた本校女子寮の屋根裏から発見された埃まみれのトランク。

           現在、生徒たちの手によって、その調査が進んでいる。名づけてトランク探偵。」

 

 

 第5回  11月13日(第6回目授業)

 13日の前半の調査で、MISS J.E.BURRELLであることが判明した。そこで人物の特定を行ってみることになった。

人物を特定するにはどうすればいいのかな?ワトソン君?

 

Y探偵 「区役所とかに行けばいいんじゃないの?住民を登録するから。」

 

そうだね。しかしイギリスには住民票がないんだよ。他に登録される方法はあるかな?

 

S探偵 「・・・・・・・・。」

 

『国勢調査』を知っているかな?

 

ウィキペディアで国勢調査の概要をざっと仕入れ、英国のCENSUSサイトを訪問した。英国では1801年から国勢調査(CENSUS)が行われている。調査は10年ごと。
便箋の手紙の日付は『1916年』。

…ということは、一番近い国勢調査はいつかな?

 

S探偵 「1910年・・・・・・じゃなくて1911年か!」

 

その通り。1911年には別の場所に住んでいて、1916年までの間に立教の住所に来たかもしれない。だから登録住所は異なる可能性もある。

そういうわけで、調べました、UK CENSUSサイト。行き着いたのは NATIONAL ARCHIVESのデータベース『1911 CENSUS』。なんと現在は1801~1911年までの国勢調査データはウェブ上で公開されている上に、氏名・生年月日・住所などで検索もできる。1911年は、氏名・性別・年齢・社会的地位・家族関係・出生地・国籍・職業などを調査していたが、現住所は調べていなかった。ただし働いている場所は調べている。
検索のキーワードはもちろん『J.E.BURRELL 女性』。

さてさて検索してみますと、21件がヒット。うち女性は5名。イニシャルが一致するのは2名。 …期待が高まります。

 

①  ELIZABETH J BURRELL 1844年生まれ(1916年には72歳) BRISTOL、GLOUCESTERSHIRE地区に居住
   (エリザベス J バレル  イングランド地方グロスターシャー州ブリストル市居住)

②  ELIZABETH J BURRELL 1882年生まれ(1916年には34歳) ABERYSTWYTH、CARDIGANSHIRE地区に居住
   (エリザベス J バレル  ウェールズ地方カーディガンシャー州?市居住)

地名を探ってみますと、立教住所からはいずれも遠い。
そこで黙々とポストカードの住所を調べたユウト探偵。

Y探偵 「発見!住所はブリストル市です!」

 

…ということは?

 

S探偵 「候補①の女性ですね。1911年ブリストル市在住、エリザベス J バレルさん。67歳です。」

 

喜ぶ探偵たち!
謎のJ.E.BURRELLさんを、果たして本当に見つけたのだろうか。

 

 

  トランク探偵シリーズ


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