本日6月8日(水)、中学2年生は第二東京弁護士会の弁護士さんをお招きし、いじめ予防のための特別授業を受講しました。いちょうのホールを会場に、2クラスずつ2回に分けての授業となりました。
「いじめられる側も悪い」という考えについてどう思いますか?「悪いことをしたらいじめてもよい?」そんな問いかけから授業は始まりました。

いじめ2

 

 

 

 

 

 

いじめというのは、ちょっとしたことから始まること。一気に盛り上がってしまうこと。そこには「自分が責められることのない安心した立場にいるときに、ちょっとした失敗をした他者を正義の立場からみんなで責めることを気持ちがいいと感じてしまう人間心理」、「みんなと一緒に合わせておかないと自分がターゲットにされてしまうのではないかと感じてしまう同調圧力」の問題が語られました。

人が集まれば様々な問題が起こることは避けられません。でも、それが大きな心の傷にならないうちに、きちんと歯止めがかかる場でなければなりません。そのためには何が必要か、それぞれが考えるきっかけとなったのではないでしょうか。ご家庭でもじっくり話し合える時間をとってもらえたらいいなと思います。
中学1年生対象には今月22日に実施されます。

(中学校副校長 堀内)

 

アート1アート24月20日~24日に行われた『明星学園アート展』、三鷹市芸術文化センター美術創作・展示室の広いスペースに創作活動を続ける31名の卒業生の作品が展示されました。様々なジャンルのアーティストによる協演、自由な発想と豊かな感性で生まれた素晴らしい作品展となりました。

 

アクリル絵画  /  油彩画  /  キャンパス画  /  油絵  /  紙版画  /  金属彫刻  /  キルト  /  オリジナルアクセサリー  /  オリジナルバッグ  / 写真  / イラスト  /  彫金アクセサリー  /  キャンドル /絵葉書 / 写真/ 万華鏡・・・

 

 

アート3アート4奥の部屋では『万華鏡制作』『キャンドルアート』『絵手紙』などのワークショップが開かれていました。

 

私は最終日の24日(日)に訪れましたが、世代を超えた大勢の卒業生・元保護者が集い、旧交を温めることができました。彼らの話を聞きながら、「明星すごいアーティスト情報」が次々と入ってきます。第2回のアート展が実現するだろうことを確信しました。その際は、是非皆さん足をお運びください。

アート5アート6

(中学校副校長 堀内)

現在、総合探究の中2授業『探究実践』では、「私のコミュニケーションを考える」というテーマで、体験学習を行っています。体験学習は、グループで課題を達成するとき、それぞれの人たちやグループの中で起こる影響関係に注目し、自分のコミュニケーションのあり方を考えるという課題達成の活動です。学習者は、「今ここで起こっていること」に目を向けることで自己理解・他者理解を深め、話し方や聞き方を工夫することで人との関係に変化が生まれることを体験します。

 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA6〜7人のチームになった生徒たちには一人一枚ずつ情報カードが渡されます。そのカードにはゼッケンをつけているランナーの絵が描かれており、『前から◯番目を走っている人のゼッケン番号を当てよ』という指示が出ます。
早速ホワイトボードとペンをもって情報を書き出していくチーム、一人ひとり順番を決めて情報を伝えるチーム、みんなが一斉にあれこれ報告するチーム、課題達成の手段はまちまちです。情報の伝え方も、「右」や「左下」というように具体的に言語化する人、ジェスチャーをする人、イラストを描く人と個性が出ます。
活動開始からほんの数分で生徒やチームに違いが現れるわけですが、この体験で最も重要なのは「今ここで起こっていること」に目を向けることです。“課題を達成しようとするあまりに誰かの気持ちを、存在を置き去りにしていないか”この視点が非常に重要となってきます。

 

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また、体験学習で重点を置くのは「振り返り」の活動です。時間をかけて、自分のコミュニケーションのあり方と向き合います。その後、書いた内容をチームで共有します。チームが前に進むきっかっけになった誰かの言葉、メンバーのよかった行動について“分かち合う”時間です。生徒同士の他者評価では、「私の質問に優しく答えてくれた」「分かりやすく情報を伝えてくれた」「正直に分からないと言ってくれた」「みんなの意見をまとめてくれた」など互いの良さを伝え合いました。最後に記入した、学んだことへのコメントがまた素晴らしい↓↓

 

 

 

 

 

 

◯ 自分の意見を言うことは大事。それと同時に他人の意見を聞いて尊重することも大事。
◯ しきりすぎなくてもみんなで進めることができる。一人でやるのでなく皆でやる。
◯ 広い視野をもち、多様な想像力を働かせることが大切だと思った。

色とりどりの好奇心を携えて生徒たちとともに探究の道を歩き始めました。

(総合探究科担当 新坂彩子)

ダイア1ダイア23/29(火)に、9年生39人とダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で、ダイアログ・イン・ザ・ダークとダイアログ・イン・サイレンスを体験してきました。

「対話の森」は、2020年に竹芝にできた真っ暗な空間や音のない空間で、それぞれ視覚や聴覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむミュージアムです。昨年の11月に上田・小畑で体験してきましたが、たくさんの驚きと発見がありぜひ9年生にもこの時間を共有したいと思い、企画しました。当日は、日常生活の中では意識していないと通り過ぎてしまう「世界」で、いつもとは違う五感を使って“ダイアログ(対話)”する時間を楽しんできました。

報告の詳細は、こちらをご覧ください。

(中学副校長 堀内)

東大教養学部「高校生と大学生のための金曜特別講座」は、高校生だけではなく中学生・一般の方も参加できる講座です。かねてより、中学生の中で希望者がいて引率できる教員がいた場合は、駒場キャンパスまで授業を受けに引率していました。。
ところが現在、コロナの影響ですべてインターネット受講となっています。

明星学園では東京大学と協定を締結し、生徒・保護者の皆さんに希望がある場合、視聴ができることになりました。

詳しくは、こちら「中学校ニュース」をご覧ください。

(中学校副校長 堀内)

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4月9日(土)、2022年度『中学校入学式』が無事行われました。
感染症予防対策のため、在校生の全員参加は叶いませんでしたが、入学式実行委員のメンバーが会場のセッティングから新入生への説明・誘導・式典の司会等、式を支えてくれました。
朝早く新入生の入る教室(4教室)をのぞくと、実行委員による祝賀黒板アートが描かれていました。

自治会長がお祝いの言葉と共に自らの経験から伝えることのできるアドバイス、それでいて緊張している新入生の心をほっとさせるような話をすると、今度は新入生代表の二人が応えます。自分の夢、中学校での生活について力強く語ったかと思うと、ユーモアたっぷりの語りがあったりします。とても温かな空気に包まれました。

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さらに、和太鼓部と弦楽器のみで編成したアンサンブル部が、式に花を添えてくれました。

今日からは全学年がそろい、学校生活がスタートしました。
ワクワクドキドキすることがたくさんありますように。

(中学校副校長 堀内)

青春サプリポプラ社「青春サプリ」シリーズの第8弾『この一瞬にすべてを~5つの部活ストーリー』で本校高校ファッション部が取り上げられ、29ページの物語になりました。登場人物もエピソードも事実がもとになって描かれています。

 
図書館等で是非手に取っていただければと思います。
朝読書の推薦図書にもなっているようです。

写真①   写真②

(中学校副校長 堀内)

いよいよ4月になりました。来週になると7日(木)に始業式、9日(土)に入学式。学園は一気に子どもたちの元気な声に包まれます。今年度も引き続き、よろしくお願いいたします。

吉祥寺駅からの通学路になる井の頭公園の七井橋からの桜の風景です。人は多く出ていますが、花見の宴会をしているグループはなく、静かに桜を見ることができます。

井の頭桜1

井の頭桜2

小中キャンパスの桜は満開を過ぎ、散り始めています。一気に新緑の季節へと移行していくことでしょう。正門前、そして新校舎いちょう大通りのソメイヨシノです。

学園桜1

学園桜2

 

☆個性あふれる卒業生の活動は、こちら明星会(卒業生の会)FBをご覧ください。

(中学校副校長 堀内)

秋の公開研究会(美術分科会)では、『13歳からのアート思考』の末永幸歩さんのお話を伺い、生徒たちの常識を揺さぶりたい、自分らしい視点を持って制作をしてほしいと強く思い、中2の2学期は「リアルってなんだろう?」という課題に取り組みました。テーマは「レジ袋」。

詳しくはこちらをご覧ください。

美術3

 

美術2美術1

3月15日(火)、中学校卒業式が無事終わりました。まん延防止等重点措置期間のため、在校生の参加は叶わず、例年熱い歌声が響き渡る合唱も自粛する形となりましたが、クラスの卒業動画・先生方からのプレゼント動画・花束贈呈など、大変心温まる卒業式となりました。
そのような中でも卒業生代表の4人の言葉には、心揺さぶられました。
それは決して平たんではなかった中学校の3年間、卒業する今だからこそ振り返り、感じられること。目の前にはいないけれど、後輩たちに伝えたいこと。
そんな4人の言葉をここで紹介させていただきます。

 

◇卒業生代表:カーター和(中3)

初めて体育館の入り口に立ち、中を眺めた時のことをよく覚えています。等間隔に並べられたパイプ椅子と、そこに座った見知らぬ人たちを見て、鼓動がさらに速まるのを感じました。となりの人との、たった2メートルの距離が恐ろしく広く感じられた転校初日からもう2年。あれから2年もたったことが信じられません。

あれが、昨日のようでもあり、一生涯をこの場所で送ったかのようにも感じます。でも本当は、そのどちらも間違いで、正しくは2年なのです。濃い時間でした。

明星は多様性のある学校です。多くの人が共感してくれるのではないでしょうか。ほかでは出会えないような人たちが集まった学校だと思います。決して完璧な人間ばかりだとは言えないけれど、まさしくその、個性的な人の集まりである点こそが私にとってのこの学校の最大の魅力でした。

私は多様性というものは寛容性をもつことを教えてくれると思っています。多様な人々と生活をしていると、必然的に、意見が合わないことが出てきますが、そういうぶつかり合いの経験こそが人として寛容性を持つことに大きく関係しているのではないかと思います。自分とは違う他者を受け入れること。自分とは違う意見を受け入れること。自分よりも弱い、能力のないものを排除するのではなく、認めるということ。自分と異なるものを受け入れる心のゆとりこそが多様性の作り出す最大の宝ではないかと私は感じます。こうした寛容性、心のおおらかさは多様性のある暮らしから学ぶことができると思っています。

寛容性を持つということは、つまり弱者に対して優しさを持つことに深く関係しています。そのような心構えを持っていれば、弱いものを排除しようという思考には至りません。社会に貢献していない人は生きる価値がないなどという思考には至りません。弱者に対する態度というものは人の芯をあらわにすると思います。

例えば今まさに国同士の力関係が語られているウクライナ問題に関しても、弱者に対する見方というのは非常に大きな論点となります。

私の好きな作家の、村上春樹さんがイスラエルの文学賞の受賞スピーチで話した言葉をここで紹介したいと思います。

「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。」

このスピーチのことに関して言えば、村上春樹さんは、ガザ地域に攻撃を続けるイスラエル軍を暗に批判していたわけですが、つまりは自分は弱者の側に立つということを言っているのです。

誰にも考えを押し付けるつもりはありません。ただ私も同じように、常に弱者の味方でありたいと思います。弱者と共に戦える人でありたいと思います。
弱きものを受け入れられる人というものは強く、優しい人だと思いますし、同様に弱きものを守れる社会は強く、優しい社会だと、私は思います。

多様性のある空間は寛容性を教えてくれます。私にこのような心構えを持つこと、弱者を思うこと、を教えてくれたのはこの学校です。明星学園の多様性の真価、多様性を生きる意味とはここにあると私は思うのです。

私たち人類の文明は未だかつてないほどに進歩を遂げていて、過去のどの時代よりも未来を予測する能力は高まっています。科学は確かに気候変動が起こっていることを示していて、このまま行ったら間違いなく起こるであろう、自然災害や、生まれる悪影響もわかっています。さらに世界中で男女平等が実現するには今から130年近くもかかるということまでも詳細に見えています。でも、こんなに正確に未来を予測する技術をもってしても、あるいは持っているからこそ、というべきなのか、私たちは人類史上一番の暗闇を生きているのではないかと思います。どんな最新のデータを持っている科学者であっても、私たち人類がこれから50年で歩む道はわからないのではないかと感じます。私たちは暗闇を生きています。こんな真っ暗な時を生きる私たちは不安に駆られることもあって当然でしょう。私は人類のこれからが怖いです。

でもそれでも、やっぱりこの世界にまだ希望はあると思いたい。そう思えないと辛いから

ありがちで、くさい比喩を使うとするならば、私たちは流れ星かもしれません。流れ星は私たちなのかもしれません。先行く道が真っ暗で何も見えないのならば、自らが明日を照らす光になればいいのです。

でも想像してください、暗闇を切り開いていく流れ星を。自らを燃やしながら、重力すらも存在しない空間を進む隕石を。孤独に思えませんか。その孤独さゆえに美しいのですが、私には流れ星が孤独に思えてなりません。

でもそれでいいのです。何も問題ありません。なぜなら遠くの地球という星からは、何万人もの人々がこっちを見上げているから。一瞬の輝きすらも見逃すまいと目を見開いてこっちを眺める子どもたちがいるから。

今日ここを去る私たちは孤独です。輝きながらも確かに孤独です。
でもそれでいいのです。なぜなら明星学園という星が遠くにあるから。ここにあるから。

 

*他の3名の挨拶については、こちらからご覧ください。

明星会FB(卒業生の活動をご覧いただけます)

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