暗記の大切さ (5)

 

国際感覚の重要性が指摘される今日である。
食糧自給率38%の我が国だ。 豊かな国際
感覚なしに生き残っていくことはできない。

しかしどのようにすれば国際感覚は育つの
であろうか。

今朝の読売新聞に旧ユーゴスラビアが、
現在どのような小国に分化されてい るかが
地図で示されてあった。旧ユーゴは、
スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、
セルビア、モンテネグロ、マケドニアの六ヶ国に
分化している。

 

このような事実に対する知識なしに、バルカン半島
をめぐる情勢など 論議することができるものではない。

高校生に「中国に隣接している国家の名前を
挙げなさい」と尋ねたところ、どの生徒も適切に答える
ことができなかった。精々北朝鮮、ロシアを挙げられる
程度であった。

この通信を読んでくださる方々も、どのくらいを覚えて
おられるであろうか。

 

その6につづく…

暗記の大切さ (4)

 

知識は創造性の源、私は旧制の中学校に
入学したのだが、朝礼の折などに校長は
「無為に時間を過ごすのではなく、英語の
単語を一つでも多く、幾何の証明問題を
ひとつで も多く覚えろ」と語った。

私は幾何は学年最高と言われるくらい
得意だったのだが、校長の話を聞いて
いたので、幾何の勉強とは証明問題を
覚えることだと 「素直に」考えていた。

斉藤という名の校長であったが、彼の
言葉は今なら間違いなく袋だたきに遭うに
違いない 。

「知識の詰め込みからは創造性も思考力も
育っては来ない。そんなやり方で身に付く
ものではない」と。

『本当の学力』が、ご高説もっともであるが、
私自身の経験では、証明問題を多く覚えれば
覚えるほど、問題を前にして補助線を引く閃きが
鋭くなってきたのである。

当時の私は知識は身につければ身につける
ほど思考力や閃きが鋭くなるものだと素直に
考えていたのである。

 

その5につづく…

暗記の大切さ (3)

 

我が国を占領したアメリカ占領軍は、
このような事実を隠蔽する意味もあって、
すべては日本側の責任であるかのごとく
宣伝に狂奔した。

何しろ完全な報道管制の下に行われる
宣伝だから、どんな無理も押し通すことが
できたのであ る。

教育も例外ではなかった。

それまでの我が国の教育は根本的かつ
全面的に 間違っていたかのような宣伝が
行われた。

実は戦時中の極端な例は別として、明治
以来の我が国教育は、外国の成果をも
取り入れた相当程度のびやかなもので
あった。

明治初年の国語教科書が、アメリカの教科書
の直訳だった時期もあるくらい、我が国は外来
文化を肯定的に受け入れたのである。

大正時代には 「八大教育主張」と言われるほど、
外国の影響も受けた様々な教育思想が論議された。

それなのにアメリカ占領軍と、アメリカ以上に
アメリカ的であろうとする醜 い日本人達によって、
日本の教育、日本の思想、日本の文化、日本の
歴史は徹底的にけなされたのである。

その後遺症は六十年後の今日にも及んでいる。

 

その4につづく…

暗記の大切さ (2)

 

アメリカは広島、長崎に原爆を投下した。

大量の非戦闘員を対象とする無差別殺害は、
明らかに国際法違反である。 東京大空襲は
昭和20年3月10日夜であった。

都民が寝静まった0時8分に第一弾が投下された。

00:15空襲警報発令、それから約二時間半に
わたって波状絨毯爆撃が行われた。その後
平均6トン以上の焼夷弾を搭載した34 4機の
B29の大群が、分散して低高度で東京の下町に
浸入した。

B29の先発部隊が江東区・墨田区・台東区に
またがる40k㎡の周囲にナパーム製高性能
焼夷弾を投下して火の壁を作り、住民を猛火
の中に閉じ込めて退路を断った。

その後から約100万発(2,000トン)もの油脂
焼夷弾、 黄燐焼夷弾やエレクトロン(高温・発火式)
焼夷弾が投下されたのである。

逃げ惑う市民には超低空のB-29から機銃掃射が
浴びせられた。折から風速30mの強風が吹き荒れて
火勢を一層激しいものにし、火の玉のような火の粉が
舞い踊り、強風に捲かれた炎が川面を舐めるように
駆け抜け、直接戦争 とは関係の無い一般市民は
次第に狭まってくる火の壁の中を逃げまどいなが ら、
性別も判らないような一塊の炭と化すまで焼き尽く
されたのである。

これなども明らかに国際条約に違反する犯罪的行為で
ある。アメリカは後ろめたかったろう。

 

その3につづく…

暗記の大切さ (1)

戦後教育で目の敵にされたものは数多くあるが
「暗記」は、もっとも厳し く攻撃されたもののひとつ
ではないだろうか。

初めに、昔アメリカ占領軍が、 日本の教育や思想を
全面的に否定するに至った経過を考えてみたい。

原爆投下東京大空襲

日本との戦争に勝ったアメリカには、アジア、アフリカを
植民地として支配し続けた、白人列強一員としての
後ろめたさがあった。

中国との戦争に関して我が国に釈明の余地はない。
しかし太平洋地域での戦争に関しては、日本は現地の
人々と戦ったのではなかった。我々の敵は、すべて白人
であった。

おかしいではないか。アジアの各地域で、どうして白人は
そんなところに存在していたのか。日本にも非があった
かも知れぬが、白人列強が、世界のほとんどの地域を
植民地支配していた事実そのものも、そもそも容認しがたい
問題だったのである。アメリカは後ろめたかったに違いない。

 

その2につづく…

中学校入試 第2日目

 

本日、中学校入試2日目を実施いたしました。

厳しい寒さの中、保護者の方や応援に
駆けつけてくださった塾の先生方と
握手を交わしたりする姿は、
朝日を背にキラキラと耀いていました。

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当日受験も可能です。

今日の試験が上手くいかなかった人も
「特待生」狙いの人も
是非、当日出願もご利用ください!

受験生の皆さん、保護者の皆様、そして
学習塾の皆様、お疲れさまでした。

 

人は何故キレルのか(5)

 

幼児期には徹底的に厳しく育てるべきである。

自我の芽生えにつれて、教師も親も、じ りじりと
後退して行かなければならない。しかしその道
すがら、礼儀、人として踏み行う べき道はしっかりと
身につけさせていかなければならぬ。

そのような、人としての道、礼儀作法をしっかりと
身につけた人間は、たとえ身体的にどのような
弱点を抱えていようと も、修羅場に直面して、
大きな過ちを犯すことなく人生を全うする事が
できるのである。

御岳で出会った可愛い坊や、彼が適正な
服従精神を身につけ、長ずるに及んでは
人とし て生きる上で必須の要件たる礼儀と
克己心、自己抑制力を身につけた大人と
して育ってく れるよう、切に祈るのである。

<完>

人は何故キレルのか(4)

しかし「キレル人間」の犯罪的行為、
没価値的行為を、脳科学の成果で、
脳における病理現象の研究で、説明
できるものであろうか。

「そんな病変なら、俺の脳には数々あり
そうだわな」講演を聞きながら私は苦笑
した。

私も、どちらかと言えば「キレヤスイ」人間
である。

しかし、さしたる間違いもなくここまで生きて
きた。

それは親の躾け、先生方の躾けのおかげで
あったと思う。 「脳の病変」などは、そもそも
それ自体個性だと言えるのではないだろうか。

同じよう な病変、同じような「空洞」を持っている
としても、人は高度に個性的な存在である。それ
まで身につけた様々な生きる姿勢や礼儀作法、
自己抑制力によって、人はそれぞれ危機を乗り
越えて今日に至っているのである。

脳科学の成果は尊いがそれに跪いてはならぬ 。

教育学が 特に現場における教育実践が脳科学に
拝跪するようなことがあってはならぬ。

戦後「欲求不満」という心理学用語が教育現場を
風靡した。子どもの非行、没価値的行為は、その
抱く欲求が充たされないところに本当の原因がある。
それを充たしてやること なしに、一方的に叱りつけた
のでは、子どもは一層悪くなる。

かくして、子どもの内面か らひとりでに芽生えるものに
過剰な期待を寄せ、教え込んでいくことにアレルギー
的警戒心を抱く戦後教育の潮流が形成されたのである。
我々は「脳科学の成果」をめぐって、再 び同じ過ちを
犯そうとしているのではないだろうか。

その5につづく…

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