明日から冬季休業に入ります。
冬季休業中に関するプリントが配布されています。皆さんがよく読んでから保護者の方に渡してください。
冬の他にも夏と春に長期休業が設けられています。学校のスケジュールや気候などでそれぞれの休業の意味に違いがありますが、どの長期休業にも共通することは、学校がお休みでも自主的な生活が送れるようにするというねらいがあります。
自主的な生活の最初は、学習についてです。
高校3年生は多くの人が受験を控えています。努力すればこの1ヶ月で自分を大きく変えることも可能です。人間、いざと言う時に自分でも信じられないパワーを発揮するものです。焦ることなく、最後まで努力を惜しまず、目標の達成を図ってください。
すでに進路が決まっている人にお話します。18歳という年齢は、世界的には大人として扱われています。大人の仲間入りができる自分かどうか振り返ってみてください。卒業までの時間を有効に活用してたくさんの本を読み、大人としての教養を身につけるよう心がけてください。
高校2年生以下の皆さんは、「冬季休業中の学習について」のプリントに指示されていること以外のことにも自主的に取り組み、1月11日の実力養成試験に備えてください。
次に、生活面についてです。
人は一人では生きていくことができません。大勢の人たちと交わり、助け合いながら生活しています。いつも、大勢の人たちが気持ちよく安心して暮らせるように心がけなければいけません。
皆さんには、この休業を利用し社会性をさらに養ってほしいと思っています。
月曜日の全校集会で、人権作文コンクールに入賞した中学3年生の「無関心」という作文を紹介しました。内容をもう一度思い出してください。
この作文を読みながら、ある言葉を思い浮かべました。
“愛することの反対は、憎むことではなく、無関心なことです。”
これは、マザー・テレサさんの言葉です。マザー・テレサさんは、インドで貧しい人たちの救済活動に全生涯をささげた人です。1979年には、ノーベル平和賞を受賞しました。
自分以外の他の人たちのことに関心がなければ、そこからは人間らしい関係が何も生まれません。社会的なつながりも生まれません。
社会性とは、どうしたら大勢の人たちが気持ちよく安心して生活できるかということに目を向け、行動することを指しています。
どういう行動が社会性を持った行動なのか判断に迷ったら、次のように考えてください。
“どうすれば相手の人に喜んでもらえるのか”
“自分だったらどうしてもらいたいのか”
休業中のさまざまな場面で、社会性を持った適切な行動がとれるよう実際に学んできてください。
最後、3つ目です。この休業期間を利用して、今年1年を振り返るとともに、新しい年の目標をしっかりと立ててください。
新しい目標を立てる際の参考に、司馬遼太郎さんが書いた『二十一世紀に生きる君たちへ』を紹介します。
この文章は、小学校6年生の国語の教科書に掲載するために依頼されたものです。
直筆の原稿を見ましたが、司馬さんは小学生が理解できるように何回も何回も書き直しをしています。
小学生向けに書かれたものですが、内容は皆さんたちにもぜひ考え、そして実行してほしいとても大切なことが書かれています。
二十一世紀に生きる若者たちに発した司馬さんのメッセージをしっかりと受け止め、新しい年の目標についてじっくり考えてください。
“1年の計は元旦にあり”と言います。「スクールライフ」の1月最初のページには、皆さんの新しい目標について記載してください。
健康に留意し、充実した冬季休業になるよう期待しています。