高校3年になってから今まで、行事がある度何回これが最後と言ってきた事か。しかし、高3生徒全員でやる大きなイベントは、このオープンデイが正真正銘の最後だ。高3は縁の下の力持ちとよく先生方から言われる。確かにその通りだ。影ながら売店を開くなどオープンデイがより活気溢れるものにしていくのが高3の役目だ。しかし、高3にできることはそれだけではないと僕は思う。オープンデイにおけるやりがいやどうすればもっと効率良くいい物が仕上がるのかを後輩に伝えてあげることもまた高3の役目だと思う。

ある日食事の席で一人の後輩が「オープンデイは時間も取られるし、学年同士で意見が割れたりするし、正直きつい」と言っていた。僕はその時その後輩に、オープンデイがいかにその学年にとって良いものになるか、そして、本気でやった後の達成感がどれ程のものかを伝えた。これは正直やり終えた後にしか分からない事だから仕方がないのも分かる。しかし、当日直前になると、後輩たちの廊下の方から急ぎ足の音や、声を張り上げて準備をしているのが聞こえてきて嬉しかった。
 
そして当日。どのクラスもそれぞれに頑張って展示を作り上げたのがよく分かる仕上がりだった。嬉しそうに展示物を説明する後輩を見て微笑ましかった。結果発表の時、会長が言っていた。「大事なのは結果じゃなくて、これまでにクラスが一丸となって積み上げてきた努力ややりがいだ」と。本当にその通りだと思う。僕は過去に一回も優勝したことはなかった。でもこの学校で一番心に残っている行事だ。後輩もこのオープンデイで何か心の中に残るものがあったらいいなと純粋にそう思った。僕は当日焼き鳥の当番だったが、その二日間の準備に全力をかけてしまった。きっとまだどこかにオープンデイへの熱意が残っていたのかもしれない。
やはりオープンデイは偉大だ。
(高等部3年生 男子)

                     
高校2年生の生徒が保健の授業でFIRST AIDの講習を受けることになりました。
今までFIRST AIDの講習を受ける機会がありませんでしたが、クラブ活動で下級生を指導することも多い高2の生徒を対象に、外部講師の方をお呼びし、トレーニングを受けることができました。
1グループ14名を2グループ作り、それぞれ2時間みっちり英国人のエリックさんからFIRST AIDの基本を学びます。エリックさんは、元々警察官で自分の知人に起こった悲しい事故をきっかけに、St John Ambulanceや警察署でFIRST AIDのトレーニングを始めました。現在は様々な学校で積極的にFIRST AIDを教えているそうです。
そして今回、立教英国学院の生徒にも丁寧にわかりやすくノーハウを教えて下さいました。まずは、応急処置の優先順位として知られている「DRS ABC」から始まります。
道端で倒れている人を見かけたら、
D=Danger(回りに危険なものがないか確認)
R=Response(倒れている人が応答するか)
S=Shout(助けを呼ぶ)
A=Airway(気道確保)
B=Breathing(呼吸をしているか10秒間確かめる)
C=Circulation(心臓マッサージ)
呼吸と心拍が確認されなかった場合にCPR(心肺蘇生)を行います。
生徒は6~7体のマネキンを前に心臓マッサージを30回、人工呼吸を2回、繰り返し何セットも行いました。初めは楽しそうに行っていましたが、想像以上に大変な作業に「少し休憩。」と言って座り込んでしまう生徒もいました。人の命を救うということがどれほど大変なことなのかをこの実習を通して体験できた瞬間でした。
 他にもリカバリーポジション、マネキンを使用しのどに物を詰まらせたときの対処法、手足の外傷時に三角巾を使用して固定する方法など、たった2時間の間に身近で起こり得ることを中心にどのように対処するのかを学んでいき、充実した時間を過ごした生徒たち。時々エリックさんの生徒を楽しませてくれる言動に自然に笑いがわき起こり、楽しみながらFIRST AIDの基本的知識や技能を習得することが出来ました。ただ話を聞いて応急処置について学ぶのではなく、実際に様々な道具を使って”自分でやってみる”という体験が出来たことは、いざという時に役に立つのではないでしょうか。
最後に一人一人名前の記載された修了証を受け取り、和やかな雰囲気で講習を終えました。
                               
わたしは今年の4月から通っています。1学期が終業したあとの七月下旬にはホームステイをしました。初めはとても緊張して、なかなか話せなくて困りましたが、ホームステイの家の方が少しずつ話しかけてくれたので、すぐになじむことができました。このイギリスの家族との交流でいくつか気づくことがありました。
まず、ホームステイ先の家に着いたのが夕方の5時でしたが、家に入ると中が暗かったことです。家の人が迎えてくれても電気はつきませんでした。真っ暗ではないですが、ろうそくを一部屋に5本立てた感じでした。日本ではもっと明るかったので少し暗いなと思いましたが、その暗さでとても落ち着くようになりました。
庭には大きなトランポリンがありました。トランポリンは子どもの代表的な遊び道具だそうです。わたしもホームステイ先の子どもとトランポリンでいっしょに遊んでいたら、あっという間に夕飯になりました。
その日の夕飯はパスタ。わたしの料理がとても多かったのにびっくりしました。周りのお皿を見てみたら3分の1ほど少ないので、どうしてだろうと思いました。
でも前にイギリス人は夕飯の量が少ないと聞いたことを思い出し、日本人とのちがいをちゃんと考えて多くしてくれているのだと思い、大変うれしかったです。
ホームステイではイギリスの生活と日本での生活が大きく異なることが分かりました。わたしはこれからもイギリスだけでなく、いろいろな文化のちがいにふれてみたいと思いました。
(小学部6年生 女子)
                      
              
1学期、皆が言うオープンデイはとても大変そうで漠然としていた。オープンデイってどんなんだろう?そんな思いばかりが強まった。2学期、周りがだんだんオープンデイに向かって走り始める。その中、私は1人、よく分かっていなかった。どんな風になっていくのかな、わくわくした気持ちが生まれた。

私のクラスは5人しか生徒がいない。先生を合わせて7人である。7人で出来ること。がらくたミュージアムを開こう。ひょんなことから決まったこのテーマは今思うと本当に素敵なテーマだ。夏休み、とにかくがらくたをかき集めて2学期に持って行った。皆で整理したがらくた。見ているとどんどんイメージが膨らんでいった。少しずつオープンデイが近づいてくるにつれて活動することが増えていった。がらくたミュージアムでやるモノが決まり、あっと言う間にオープンデイの準備期間に入った。机と椅子が片付けられ、がらくたしかないがらんとした教室が残される。1週間で出来るか不安に駆られながら1日が過ぎていく。
私はがらくたミュージアムの中でからくりを作る係である。どんなものを作ろうか、パッと思いついたのはタワーブリッジである。目の前にあるがらくたをとりあえず手に取り、当てずっぽうに作っていく。なんとなく形が出来たと思った時、全然タワーブリッジに見えない、と言われた。2日間タワーブリッジしかやっていなかった私は、悔しくて悔しくてたまらなかった。どこが似てないんだろう。タワーブリッジの写真と作品を見比べて、少しずつ近づけていった。タワーブリッジと言われて分かるのではなく、すぐ見て分かってもらわなければならない。その難しさを実感した。
がらくたミュージアムは、シャドーアートをもう1つのテーマにしていた。暗いところで電気をつけると並べられたがらくたが何かの絵に見える、というものである。私は関わっていないが、そこで感じたのは、先生と生徒が力を合わせてオープンデイを作っていくことの素晴らしさである。生徒と先生が支え合って1つのモノを作っていく。これは当たり前のようでなされていないことだ。オープンデイ当日に先生と皆で作った作品を見て、来てくれた人が感激してくれた。感激してくれたのは、その作品に1週間の皆の思いが詰まっているからである。先生と一緒に、皆と一緒にとことん作って達成感で満ちることができた、という経験は、これから私の中でずっと生きていくと思う。

オープンデイの1日後、表彰式と閉会式があった。中2のがらくたミュージアムは沢山の賞を頂いた。本当に嬉しかった。自分たちが作ったもので見てくれた人が楽しんでくれたことが分かってとても幸せな気持ちだった。
これからも皆で作っていく大切さと喜んでもらうことの嬉しさを感じる事のできるオープンデイにしていきたい。
(中学部2年生 女子)

                          
立教英国学院は全寮制の学校です。授業中は制服ですが、放課後は私服で生活しています。
最初は寮生活で家族と離れるのがいやだなと思っていたけど、友達や先輩方がやさしくて、とても楽しいので、いまは家族と離れることについていやだとは思いません。
学校は朝、ラジオ体操をして、朝食を食べ、礼拝をしてから授業が始まります。
学校では毎朝礼拝があります。礼拝ではチャプレン(学校づきの牧師さま)の話を聞いたり、キリストの言葉を集めた福音書を先生が読むのを聞いたり、聖歌を歌ったりしています。
授業でも聖書の時間があります。教室でチャプレンのお話を聞いたり、歌を聴いたりします。
わたしは日曜日や放課後の時間があって天気がいい日、友達とブラックベリーを取りに行きます。たくさんとれた日は先生とジャムを作って食べます。授業でイギリスの町などに外出することもあり、とても楽しい学校です。
(小学部6年生 女子)
                      
昨年度から始まった、EC(イギリス人による英会話授業)の校外学習。これまでは近隣の町に出て通りがかりの人たちへのインタビューを行ってきましたが、今学期は少し趣向を変えて、いろいろなお店を訪問してスタッフに質問をすることにしました。

イギリスのお店というと、どこの町に行っても同じようなチェーン店ばかりが目につきます。個性的なお店を探すのは一苦労。ところがそんな珍しい場所が、学校から車で10分弱のところにあります。Smithbrookと呼ばれるちょっとしたビレッジのようなところですが、住居はなく、小さなお店が何軒も並んでいる不思議な場所です。

紅や黄に染まった葉が忙しなく枝々から落ちてカラカラと音をたてて小道を舞う中、数名ずつのグループに分かれた立教生がイギリス人の先生とお店からお店へまわっていきます。世界的に有名な動物画家の事務所兼ギャラリー、ダイビング関係の品物ばかりを揃えたアクアマリンショップ、オリジナルの陶器を製作できるポッタリーショップや本格的な炉を備えるガラス製品製作所、ウェディングドレスだけを売る店、家具屋、宝石屋に自転車屋さんまで、チェーン店はほぼ1軒もなく、シックな雰囲気の大きな窓ガラスのお店が迷路のような小道に一軒一軒しっくりと収まっています。

生徒たちはECの先生方が用意したワークシートの答を探しながらグループ毎に歩き回ります。「刺繍屋さんのオーナーの名前は?」「ダイヤモンドがついたプラチナ製の指輪はいくらから買える?」「MR WOODGERは何をする人?その人のお店の特徴は?」「SIMON PUREという宝石屋であなたの一番気に入ったものは?そのSIMONさん、どんな賞をとったことがある?」…etc. なかなか手強い問題もあります。そして今回の「お店訪問」の一番の目的は、実際にお店の人にいろいろな質問をしてみること。あらかじめECの先生方が事前にお店を訪問して、生徒たちが英語を使えるような様々な工夫をしてくれていました。例えば、David Shepherdという世界的な動物画家のOffice。併設されている小さなギャラリーでスタッフの方がミニプレゼンテーションをしてくれました。Shepherd氏の描いた絵を紹介しながら、虐待されている動物の現状をわかりやすく説明していきます。氏の作品はどれも写真で撮ったようなリアルな絵。「これ本当に絵ですか?」とまじまじと絵に見入る生徒たち。「このお店で一番高い絵は?」「この絵を描くのにはどのくらいの日数がかかったのですか?」「Shepherdさんは今はどこで何をしているのですか?」生徒たちの質問が続きます。恥ずかしがっている生徒にも、ECの先生が「1つは必ず質問してごらんなさい。」と励まし、お店のスタッフも「私のことでもいいのよ。英語の練習だから何でも気軽に聞いてね。」と協力的。英語が不得意な生徒でも思い切って質問できる雰囲気を作ってくれました。

今回の人気NO.1はJake Mee氏のGlass Blowing Workshop。小さなお店の約3分の2が作業場。真っ赤に燃える炉の中でガラスを熱し、柔らかくしたものを棒の先につけてクルクルと回しながら息を吹き込み、形を整えていきます。テレビで見たことのあるガラス作りを、学校からこんなにすぐのところで見る事ができるとは思ってもいませんでした。真っ赤なガラスの固まりを手際よく加工していくスタッフ、照れくさそうに微笑みながらいろいろな質問にユーモアたっぷりに答えてくれました。何が出来るのだろう?と見ていると、ガラスの固まりが突然鶴の形になったりして、「オーッ!!」と歓声。炉から漏れる熱でただでさえ暑い部屋でしたが生徒たちの熱気で室温は更に上昇していたようです。

この他にもポッタリーショップやアクアマリンショップなどスタッフの方達が好意的に生徒の英語学習に協力してくれたので、ほぼ1時間半の校外学習はあっという間に終わった感じでした。次回のECの授業では今回の外出について友達に英語のメールを書くのだそうです。そのうちのいくつかをこのホームページでも紹介できたらと思います。どうぞお楽しみに。

                      
11月9日(水)、午前11時ごろのこと、ガタゴトガタゴトガタタタ…窓の外から気になる機械音。シャベルカーのような車が行き来もしています。なんでしょう、この音?授業中、窓ガラスの向こうの様子が気になります。

運ばれてきたのは大きな木箱3つ。重くて重くて専用の車や台車を多用して運び、大人4人が協力し合って教室内に入れました。そのうち1つは教室よりも大きい直方体の木箱。教室の窓ガラスや窓枠をはずして入れなければならないようです。シールドされている木箱をはずして、中身を開けています。休み時間になって外に出てきた生徒たちが「なになに?」と寄ってきました。

「先生、なにこれ?」
「なんだと思う?」
「建物の一部みたいだなあ、畳もある。」
「茶室だよ。」

そうです!立教英国学院に茶室がやって来たのです。
この茶室、どこからやってきたのでしょうか。

立教に届いた茶室は1979年生まれ。木箱に刻まれた年代が年月を感じさせます。この茶室は今から30年以上前、はるばる海を越えてイギリスに渡ってきたもの。ロンドンはヴィクトリア&アルバート・ミュージアム(VICTORIA & ALBERT MUSEUM)に運ばれ、1980年に開催された”Japan Style”展に展示されました。役目を終えたあと、ずっと倉庫で眠り続け、今回博物館が倉庫を整理した際に発見されたものです。裏千家ロンドン出張所を通して(御礼申し上げます)、立教英国学院が引き継ぎ、生かしてゆくことになったのです。

といっても、運ばれた茶室は水屋部分が組み立てられているだけで、あとはすべて解体された部分部分の状態。これから組み立てを行わなければなりません。茶室に座れるようになるのは2012年のことになるでしょう。英国人スタッフも、茶道部員もその日を心待ちにわくわくしています。運び入れるだけで、みな大興奮でした!

                                  
今年のオープンデイのクラス企画では、がらくたミュージアムを開いた。がらくたミュージアムでは、全て要らない物、すなわち「ゴミ」とされる物を使って作品を作った。キャップやペットボトル、新聞紙等を使った。私たちのクラスはシャーロックホームズを題材にした企画だった。ホームズは、パイプと帽子という典型的な格好で、イギリス人にも日本人にもわかってもらえるものだった。先生方だけでなく、お客様にも「あ、これホームズだ!」と言ってもらえた。分かってもらえた時はとても嬉しかった。
私が主に担当したのは看板だ。まず下書きから始まり、ペンキも全て塗った。看板を体育館に持って行った時、先輩方に「かわいい!」「色を塗った後が楽しみ!」等と下書きの時点でとても嬉しい言葉をいただいた。
ホームズが看板の2分の1を占めるような絵で、影という設定だったのでホームズを真っ黒に塗った時は「シンプルで良いね。」等と言われた。1度塗っただけではホームズは真っ黒にはならず、2度塗り、3度塗りをし、ホームズを極めた。ホームズが懐中電灯を持っているのだが、光の感じを描くのが難しかった。失敗も沢山し、何度も塗り直しをし、自分の納得いくものを作った。最終的に、看板部門で2位をとる事が出来てとても嬉しくて、感動した。模型には少ししか触れていないのだが、なんと1位をとる事が出来た。
5人しかいないクラスで7つもの賞をとることが出来たのは、奇跡か珍事としか言いようがないだろう。だが、この喜びは計り知れない。今年のオープンデイは心に残る最高のものとなった。
(中学部2年生 女子)

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