1学期にも訪問してくださったエミリー・ハーウッドさんが、先週ふたたび学校を訪れてくださいました。
ハーウッドさんは現在89歳、昔、女子寮がお屋敷だった頃、領地の森番の娘として少女時代をここでおくられた方です。
今回も、第2次大戦中に立教の敷地内に墜落した爆撃機のパイロットのご遺族を案内していらっしゃいました。

1944年1月7日、立教のすぐ近くにあった空軍基地から出撃した爆撃機2機が空中で接触し、両機とも墜落してパイロット全員が死亡するという不幸な事故がありました。当時22歳だったハーウッドさんはその事故を間近で目撃し、父親と共に真っ先に駆けつけたそうです。
その墜落現場である音楽室の南側斜面をくだったサッカーフィールドの前で、皆で黙祷を捧げました。

前回訪れた時には、ハーウッドさんから「女子寮の床下に金貨が埋めてある」という驚くべき話を聞きましたが、今回もまた新事実が判明。

「イーストハウス正面のアーチの上にある馬の首には名前がある。」

ハーウッドさんによると、あの馬はお屋敷のご主人の一番のお気に入りだったそうで、レースで優勝した馬だそうです。その馬の名は 「SPARK」(スパーク)。
いかにも速そうな名前ですね。スパークを愛するご主人が、記念にあの像を作ってあそこに設置したということでした。それから何十年もたち、ご主人は亡くなり、お屋敷は立教の女子寮になりましたが、スパークは今でもあそこから訪れる人たちを見守り続けています。

   *   *   *   *

ハーウッドさんからの手紙

Dear Mr Munechika

Thank you for your kindness in allowing the family of Terry Riordan and members of the Museum access to the crash site.
I know it was a sad occasion. Terry’s sister said it has given her much to think about, it was something she always wanted to do.
What the family really liked was your interest in everything and escorting them down to the football field.
I do hope you have nice weather for your open day and lots of visitors.

Yours sincerely

Emily Harwood

                               
 来年に迫った大学入試に向けていよいよ本腰を入れなければならない勉強、二週間後に迫ったオープンデーに向けての準備、また各部活のリーダーとしての活動…高校三年生が勉強に専念している今、各行事や活動で学校を引っ張っていく立場の高校二年生は、日々やらなければいけないことに追われています。そんな彼らが日常の忙しさを忘れ、ひと時羽を伸ばせる日、それがアウティングではないでしょうか。今年は大学で有名なオックスフォードの街へ外出です。
 「バスの中で友達と話すのが楽しみだよね!」
 「ハリーポッターの撮影場所に行ける!」
 「どんなおいしいものを食べようかな?」
といった様々な期待を乗せ、コーチは立教を出発しました。コーチに揺られること二時間、まずは各自で昼食と市内いたるところにあるオックスフォードならではの名所見学です。街の中心の「カーファックスタワー」、由緒正しい「聖メアリ教会」、数多くあるカレッジ…見所の多いオックスフォードですが、一番人気は「科学史博物館」だったようです。なんとここは入場料が無料!しかし、歴史を感じさせるさまざまな科学器具が並んでいる中に、あのアインシュタインの直筆の数式が残っている黒板が展示されています。解読するのは難しかったようですが、偉人の痕跡に直に触れることができました。
 その後全員集合して、オックスフォードのガイドツアーです。今年は希望制で「ハリーポッターツアー」と「サイエンスツアー」を選ぶこととなりました。「どちらも参加できないんですか?」という声もありましたが、時間の関係で残念ながら片方を選ぶこととなりました。女子生徒が中心だった「ハリーポッターツアー」では、映画の撮影に使われた大学内の各所を、男子生徒が中心となった「サイエンスツアー」では、ハレー彗星の発見で有名なハレーの元住居や、大学内を周りながらオックスフォード大学の科学への取り組みのガイドを受けました。どちらのツアーも生徒たちはワークシートを片手に熱心に耳を傾けていました。
 ツアー後は自由行動。買い物、夕食等皆それぞれの時間を過ごし、普段忙しい高校二年生の生徒達にとって、息抜きとなる充実したアウティングとなったようです。
                     

1015()16()に日本英語検定協会の実用英語技能検定試験がありました。今学期は特に受験者が多く、準1級、1級は合わせて15名がロンドンに外出、2級以下は凖会場となっている本校で44名の生徒が受験しました。
 
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年ほど前から学校で実施している英検、受験は希望制ですが、ここ数年受験者数が増え続けています。試験が近くなると普段の授業の勉強に加えて英検の問題集を解く生徒が目立つ様になったのも英語習得への意識の高さを示しています。今回は、英語をまだ習い始めたばかりの中学校1年生で4級に挑戦した生徒も何人かいました。
来週末は全校でTOEIC(小中学生はTOEIC Bridge)を受験することになっています。また、来月にはケンブリッジ英検も控えており、積極的に英語習得を目指そうとしている生徒達には忙しい学期となりそうです。
 
何人かの生徒たちは試験翌日にはインターネットで解答をチェックし自己採点をしていました。「多分受かったと思いますよ!」と嬉しそうに報告してくれた生徒も。日頃の努力の成果が形に表れて出て来るのは次のステップへのとても良い励みになるようです。

                             

1019日、快晴。この日は絶好のアウティング日和。小学生と中学生はまずケント州にあるリーズ城を訪れました。このお城は約1000年前に立てられたイギリスでも屈指の美しいお城です。かつてはイギリス王妃の居城でもあり、かなり見応えのあるところでした。
 
お城に到着するとまずは腹ごしらえから。昼食を広い敷地内のピクニックエリアで食べました。育ち盛りの中学校3年生の男子グループは、途中のスーパーで分担していろいろな材料を買い込み、その場でオリジナルサンドイッチ作り。湖畔のベンチでとった昼食から早くも楽しいアウティングが始まったようでした。
 
昼食後はピクニックエリアのすぐ隣にある巨大迷路に挑戦。子供騙しだろうと気軽に入った迷路、実は一筋縄ではいかないものでした。初めは友達と話しながらのんびり歩いていた生徒達も、次第に早足になり、最後は息を切って走り出す場面もありました。すぐそこにゴールの塔が見えているのに、辿ってきた小径が無情にも入口方面に戻り始めたり、あと数メートルのところで行き止まりになったり。そんな中、最初に塔の上に到着したのは中学校2年生のH君。早速高い塔の上から声を張り上げて皆を誘導し始めました。上から見ると、綺麗に刈り取られた生垣の中を皆が面白いくらいに右往左往していました。幾何学的に美しくデザインされた生垣の迷路を穏やかな日の光が優しく照らす中、何人もの立教生達が元気に走り回っている姿がとても印象的でした。
 
湖に浮かんだ美しいお城の前でクラス毎に記念撮影をした後は、いよいよ城内に。中にはいくつもの部屋や廊下が続いていました。かつて王妃達が暮らしていたというだけあって、その佇まいはしっとりと落ち着いていて、上品で美しい部屋がいくつもありました。平日とあってあまり人がいなかったので、ふと大きな部屋に一人取り残されたりすると、ドアの向こうからヘンリー8世や王妃たちがスーッと入ってくるかのような不思議な気分になりました。
「こんなにワークシート一生懸命やったの久しぶりかも。」と中1Kさん。
生徒たちは各部屋の案内板の英文を読んだり、日本語の案内を見つけてグループ内で情報交換をしたりして、楽しみながら社会科の先生が作ったワークシートに取り組んでいました。
 
リーズ城で3時間ほど過ごした後は、そこから30分ほどのところにあるチャタム造船所に向かいました。ここは夢見心地のウットリするようなリーズ城とは打って変わって、ペンキや油の匂いがそこここに漂う別世界でした。ただ、少し低い空から差す眩しい日の光と高くて青い空、そして観光客の少ないのんびりとした雰囲気はどちらも同じでした。
 
広い敷地内に大きな建物がいくつも並び、その中には古き良き時代の乗物がうっすらと埃をかぶって並んでいました。
生徒達が最初に向かったのはドックヤードの中央にある大きな潜水艦。現役時代はきっと深い海底に潜ってばかりだったその巨大な姿は、今は深く大きくえぐり取られたコンクリートの溝の中に不思議な様子で収まっていました。案内されて入った船内は意外にも窮屈。あんなに大きく見えた外見からは想像もつかないくらい部屋やベッド、キッチンやトイレに至るまですべてがミニマムの大きさでした。いくつもの丸いハッチをくぐり抜けて、頭を低く下げながら通り抜ける船内は、特に展示用に磨かれたり手入れされている様子もなく、かえって現実感があって、現役時代の船内の緊張感が伝わってきそうな空間でした。
 
何日も前から楽しみにしていた一日はあっという間に終わり、最後は夕食とショッピングを兼ねてBluewaterという巨大ショッピングモールへ行きました。数年前まではヨーロッパ最大の規模を誇っていたこのモール、沢山のお店とレストラン、広くて高い空間、洒落た内装とシックな雰囲気、どこをとってもこの日の最後の思い出にはピッタリの場所でした。約2時間、グループごとに買い物と食事を楽しんだあと、全員無事に帰路につきました。

                      

まだまだ英語を習い始めたばかりの中学生達が地元の町や村に繰り出して体当たりで英語を試すイギリス文化体験記。レポート、写真、集計、地図作り等分担して生徒達自らの手で作り上げた作品をお楽しみください。


1012日、私たちM2は「第4回地図作り」をしにBillingshurstに行きました。今回は質問を変えてインタヴューに臨みました。今回の質問は、

1.「この町に住んでいますか?」

      1の質問で答えが Noだったら

2.「この町にはよく来ますか?」

       1、2のいずれかの質問で答えが Yesだったら

3.「この町に、特別なことやものはありますか?」

多くて3つの質問を聞きます。今回も前回に引き続き、1人10人に聞くのが目標です。インタヴューをする時、話しかけることになれてきたので滑らかに話せるかが私にとっての課題でした。
今日は晴れていたので人も多く、前よりたくさんの人に聞くことができ、とてもうれしかったです。
インタヴューの結果、答えてくれなかった人も含めて計41人に話しかけることができました。
1.の質問には
Yes.
11人、No.20

2.の質問には
Yes.
15人、No.5

3.の質問には
フレンドリーである。と答えた人が5人、Niceと答えた人が3人。
Billingshurst
にある店について教えてくださった人、教会について答えてくださった人や、その教会の前の坂道について話してくださった人、Billingshurstの名前の由来を教えてくれた人もいました。
Billing
はバライナスというローマの王様から取った名で、hurstは丘という意味なのだそうです。
名前の由来を教えてくれるとは思ってもみなかったのでとても興味深いインタヴューとなりました。
また「ごみ分別の説明がhelpful。」などとたくさんの面白い答えをいただきました。

今回インタヴューをしてみて驚いたのは「フレンドリーである」と答えた人が多くいたことです。初めてBillingshurstに行った時、私は「温かい感じの村だな」と感じました。他の町よりフレンドリーに、質問に快く答えてくださる人がBillingshurstにたくさんいるのに私はびっくりしています。現地の人の心がそのまま村の雰囲気になるんだなあ、と思いました。

                          

突然ですが、私はリンゴが大好きです。
あの、赤くて丸くて小さいリンゴを見ていると心から癒されます。
毎日でてくるデザートのフルーツは絶対リンゴを食べます。
そんな私ですから、今回のアップルディはまさに天国のようなものでした。
草原に広がるリンゴの匂いはまさに格別!!
このお祭りでは村人達が集めに集めたリンゴを昔ながらの作法でリンゴジュースにして飲んだりすることが主だそうですが、それに使う大量のリンゴの詰まれたトラックに私は目を輝かせるばかりでした。
その可愛らしいリンゴ達が刻まれ、押しつぶされ、ジュースにされる姿は、痛ましいような哀しいような気持ちがしましたが、その出来上がったジュースを飲んだ瞬間、そんな感情は抜けていって、代わりにとても嬉しい感情だけが私を満たし、感激してしまいました。
アップルディのお祭りにはリンゴだけではなく、豚のハンバーガーもあります。
その豚のハンバーガーにリンゴジャムを付けられるのですが、その酸味と肉汁のハーモニーはまさに神!!
他にもリンゴパイやリンゴのクッキー、アップルクランブルなどが売られていて、とにかくリンゴ商品を食べつくし、本当に充実した一日を過ごせました。
(高等部2年生 女子)

                  

4年振りに卒業生として訪問させて頂きました。
今度は2度目(卒業してから)の訪問でしたが、昼食をいただき、以前と相変わらずの味で大変懐かしく思いました。
私も気が付けばあっという間に32歳ですが、生徒と同じテーブルで食事をすると、まるで学生の時に戻った様で、いろいろな思い出が頭をよぎりました。
生徒数が昔と比べ減少し、大変だと思いますが、是非この学校を守っていっていただけたらと一卒業生として思っております。
本日はありがとうございました。

                 

ハッキング(Hacking)とは乗馬用語。馬に乗って野外を散策して楽しむことです。イギリスでは一般的で、立教構内や傍の農道などでも、馬で散策する人たちを見かけます。

立教英国学院では、金曜日ごとのフライデースポーツで乗馬を選択できます。馬場でウォーク、トロット(ゆるやかな駆け足程度)が出来るようになると野外へ出て実践でキャンター(駆け足)を習得し、週に一度の乗馬とイギリスの山野の風景を楽しみます。

 

今回は、そのフライデースポーツ乗馬メンバーからのリクエストで、日曜日の乗馬トリップが企画されました。

行き先はASHDOWN FOREST。「アッシュダウンの森」、つまり「くまのプーさんの森」として知られ、お話の舞台となったところです。高野チャプレン(学校付き牧師様)の日々のお話で、立教生にはよく知られた場所。いつもの乗馬場とは違った、広い森で乗馬を楽しむことになりました。

 

決行日は1016日(日)の午後。朝起床すると、乳白色の世界にすべてが沈んでいました。「寒いなあ」と心配する生徒たちでしたが、日曜礼拝の間にみるみる晴れてきて、アッシュダウンに着く頃には青空の下に広大な森を臨むことができました。景色のよいところでサンドイッチのお弁当でピクニック。「景色のいいところだと気持ちいい!」「味がぜんぜん違う!」「来てよかった~」と大自然の下でごろごろ。「このまま昼寝しようよ」などというフトドキ者も登場。何をしにきたのかな?ちょっと気温は低いものの、乗馬スタイルで防寒した彼らにとっては何でもありません。

 

さてアッシュダウンの馬たちは、ずんぐりとした体に太い脚、フリンジのような毛で覆われたお洒落な足と個性的な毛並みを持った、かわいらしい馬でした。ポニーともちょっと違います。いつもサラブレッド系の大型で精悍な馬ばかりに乗っていましたので、とても新鮮でした。騎乗しながら丘を越え、また下り、落ち葉でカサカサ音立てる木々の間をくぐり、広大な森の中を、トロットしたり、時にはキャンターを楽しみ、散歩して回りました。言うことを聞かずに勝手に草を食べてしまう馬も。馬は力が強く、首を引き戻すのに骨が折れます。毎週乗っていると、騎手も馬もお互いに慣れて乗りやすくなってゆくのに対し、今回はお互い初対面同士です。それでも生徒騎手たちはなかなか上手に乗りこなしていました。冬に近付いているので、ヒースの花は枯れていましたが、灌木についた黄色の花々や、冬枯れた広くダイナミックな景色がすばらしく、ただただその風景に感動し、季節を目に肌に匂いに感じる1時間半となりました。

 

「先生、企画してくれてありがとう」-最後の学期を迎えた高3生から。
季節が良くなったら、またハッキング・トリップに行ってみたいものです。その頃には、彼らは桜の下に立っていることでしょう。

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