こんなことになっているなんて、、、。

関西空港に着いた時、初めて大変なことが起こっていると思った。母から日本のコロナウイルス感染症によって、動物園や遊園地などがほとんど閉まっていると聞いていたが、私は楽観的にとっていた。でも、ほとんど人のいない空港を見て、考え方を変える必要を痛感した。もう私が予定していたことは何もできない。ミュージカルやコンサートもすべて中止。どう過ごせばいいのかわからなかった。白紙の春休みになってしまったのだ。その後、2週間自主隔離することを決意。母の家事を手伝ったり、パズルをしたり、読書をしたり。少し退屈で大変だったが、白紙だった紙には、ちらほら花が咲き始めた。

そんな隔離生活を終えてやっと外に出られると思っていたら、日本でもコロナが流行り出した。大阪府知事が外出自粛を宣言。その後、首相から緊急事態宣言が発令された。

それから何日かたったある日、ラジオを聞いていると、昔流行ったペストの話をしていたので耳を澄まして聞いた。ニュートンがリンゴの木を見て万有引力を発見したのがペストによる休校中とのことだった。私は、その話を聴いて3つの物事を計画した。断捨離と顕微鏡観察、ペットのアメリカミシシッピアカミミガメについて調べることだ。断捨離は五日以上かけたため、とてもきれいになってすっきりした。でも、玄関にたくさんごみがたまったので急いでゴミ出しをした。計十往復くらいはごみ捨てをしたと思う。アカミミガメについては、調べることでもっと大切に育てようという気持ちが高まった。顕微鏡観察は、見たいものが多くて、まだ途中だ。私は、塩などの粉末を見るのが好きだ。サラサラな粉が、一粒一粒ごつごつしている。本当の姿が見られて面白い。

今、私の春休みは桜が満開だ。こんな貴重な経験はきっと人生一番の経験になるだろう。きっと満開の桜は、一生散らないだろう。

(小学部6年生 女子)

三学期が終わって、家に帰る日になりました。ずっと楽しみにしていたので、晴れ晴れしていました。イギリスでのコロナウイルスの状況はまだひどくありませんでした。

しかし、家に帰った後、コロナウイルスの影響がひどくなってきました。イタリアやスペインでの感染者、死亡者の増加が連日報道されていました。『もしかしたら立教に帰れなくなるかもしれない…』という心配が頭をよぎりました。一方で、家に帰る前にひどくならなかったため家族に会えて良かったとも思うようになりました。そして、ついにイギリスでもロックダウンが開始されました。これは私が一番なってほしくなかったことでした。立教に帰ることができなくなるかもしれないという心配がついに現実になってしまったのです。

イギリスでのコロナウイルスの感染状況は日々悪化し、立教に戻ることができる可能性は薄れ、このまま一年を過ごしたくないと心が沈んでしまいました。でも悪いことだけではありません。例えば、私の妹と弟は外に出れなくても家の中での遊びを考えました。外食ができなくなったので、時々、宅配レストランを頼む楽しみを見つけました。毎週末には日本にいる祖父母や従妹とビデオ会議をして会話を楽しんでいます。ロックダウンが始まってから、イギリスでは毎週木曜日の夜八時に拍手をして、キーワーカーの人に感謝をするようになり、私も参加しています。

そして先週、オンライン授業がいよいよ始まりました。本当は、友達と直接会いたかったですが、みんなの顔を見ることができ、またみんなも楽しく過ごしていると感じることができて、安心しました。コロナウイルス感染者が増える日々の中、会えないことは仕方がないです。しかし、そのような状況でもオンライン授業ができて良かったです。

これがあと何年続くのか、まだ誰にもわかりません。今、私ができるのは、状況を理解してその状況の中でもできることを探して、楽しく生活をすることだと思います。立教に戻れる日を楽しみにしています。

(小学部6年生 女子)

私は、今年が立教英国学院に入学して二年目となるので、大きく三つの抱負を挙げたいと思います。

一つ目は、前年度に先輩達から教わった、分からないことや、知りたいことを、今年入学した小学部の人などを中心に、簡潔に教えることです。私も、立教に入学して間もないとき、先輩達から、テーブルマナーなど、数え切れないほどのことを教わりました。先輩達から、とても親切に教えてもらって、本当は、たくさんお礼が言いたかったけれど、なかなかお礼を言うことができずにいて、とても反省しています。そのため、今年は、お礼のつもりで新入生には、親切に接していきたいです。それから、立教には、いろいろな規則もたくさんあります。だから、困っているような姿を見たら、自分から積極的に声をかけることができるようになりたいです。

二つ目は、一つ目にも共通することですが、クラスメート達と仲良く過ごすことです。去年は、その関係が上手くいかず、喧嘩することがよくありました。しかし、今年は、自分自身が、しっかりと反省し、良い関係を作れるように努力したいです。そのためには、広い心を持つように心がけていきたいです。

三つ目は、ケンブリッジ英検PETに合格することです。去年の三学期から、本格的にECの授業でPETの勉強が始まり、難しくて大変ですが、毎日少しずつ努力して、合格を目指したいです。高校生には、英語がとても得意な先輩がいて、憧れます。先輩に追いつけるようになりたいです。特に、私は文法が苦手なので、克服していきたいと思います。

今年は、イギリスでなかなか勉強や行事が出来なくて、残念ですが、オンライン授業やインタラクティブ授業を通して、クラスメートや先生とコミュニケーションをとって、イギリスの学校生活に備えていきたいと思います。

(小学部6年生 男子)

3月7日は僕が初めて日本に帰国した日でした。帰国の日の朝、僕はとても興奮していました。なぜなら僕の家で飼っている犬達に会えるからです。そのため、その日の学校にいた時間はとても長く感じました。ご飯を食べ終わってバスに乗って、友達と喋りながら空港に向かっていたら、あっという間に空港に着きました。出発まではみんなでお店の所でお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりしていました。飛行機に乗る時は航空会社のエスコートサービスの人が居て少しだけ安心したけれど、日本語のわからない英国人だったから少し不安にもなりました。飛行機に乗ったら、隣に座っていた人は日本人でほっとしたけれど、その時はすでに興奮しすぎて疲れていました。しかも飛行機の中にいる時間が長すぎて腰がおかしくなったし、一睡も出来なくてかなり疲れました。

日本に到着した時はやっと可愛い犬達に会えると思って喜びましたが、だるくて、お父さん、お母さんが空港に迎えに来てくれていたのですが、だるそうにしていた僕を見てとても心配していました。家に着いて犬達の姿を見た時、僕は嬉しさのあまり泣き出してしまいました。今は世界中でコロナウイルスが流行っていて、日本でも春休みらしい事はほとんど出来なかったけれど、毎日犬達の世話をしてSTAY HOMEをしていました。おかげで犬達とももっと仲良くなれて、家族との時間も大切にする事が出来ました。犬達とまた離れるのがさみしいけれど、早く世界中でコロナウイルスが収まって早く学校で生活したいです。

(小学部6年生 男子)

自身の手で文字を書かない作文は初めてだ。それだけじゃない、画面越しに行われる授業も初めての体験だ。コンピューターの使い方に戸惑いつつも、新しいスタイルに新鮮だなと感じている。

私の春休みは、まるで出口のない迷路にいるような休みだった。その迷路は休みが終わった今も続いているように感じる。私にそう思わせている原因はきっと世界を脅かせているコロナだろう。折角日本にいるのに友達にも会えず、テレビをつければ感染者や亡くなった方の報道、はっきりしない政治家、何を聞いても不満しか出てこない人々ばかりでストレスが溜まってしまう。行き場のない嫌な気持ちが溜まっていく一方で、私は恵まれた環境にいるなと感じている。それは、私の家には犬・猫がいる為家の外に出ることはできないけれど一緒に遊んだりできるからだ。犬達のおかげで終わりのない迷路も楽しいと思えるようになった。

毎日家にいるということは、普段学校に行っている間会えない分一緒に犬達と過ごせるという事だと良い方向に考えている。普通の休みならやろうとしなかっただろうお菓子作りも今でははまっている。何も考えたくない時、無心でお菓子を作っていると自分の気持ちも落ち着くし、出来上がったお菓子を美味しいと言って嬉しそうに食べる家族を見ると一石二鳥だなと感じた。

今皆がそれぞれ不安と恐怖を抱いているが、私の様にこの状況を良い方向に考える事ができたら「おうち時間」を充実させる事ができるのではないだろうか。目の前の事に過敏になるのではなくて、自分たちの周りにある選択肢に目を向けて欲しい。

(高等部3年生 女子)

私はずっと、春休みになれば日本に本帰国してみんなと遊べると楽しみにしていました。

しかしその夢は、今社会問題となっている新型コロナウイルスによって叶うことが出来ませんでした。4月末に予定していた本帰国のKLMフライトがキャンセルになってから、4月16日発のロンドン経由に変更したのですが、スウェーデンから英国までのフライトがキャンセルになったことから、4月10日のカタールエアーでドーハを経由して日本に帰りました。スウェーデンは日本とのダイレクト便が無いため、どこかの国を経由しないと帰ることが出来ません。

スウェーデン・アーランダ空港では、1日5便くらいしか出ておらず、お店もほとんど閉店で、マクドナルドも閉じられていて衝撃的な光景を見ました。また、ドーハまでのジャンボ機の乗客は15人程度しかいませんでした。ドーハではブラジルから日本に戻る日本人がたくさんいました。

私が住んでいたスウェーデンは感染者がたくさん出ていましたが、スウェーデンはマスクを着ける習慣はなく、スウェーデン政府は自己責任ということで外出禁止の命令が下されず皆はいつもと変わらず外でお買い物を楽しんでいる状況に比べ、日本人はみんながマスクを着用し、空港の職員は白い防護服を着て仕事をしていて日本の厳戒態勢に衝撃を受けました。

私は成田到着後、PCR検査を受けて政府指定施設で2日間収容され、家族全員陰性だったので、父の会社が用意してくれたホテルに移動し、愛知に帰りました。

どの情報が正しくてどうすれば良いのか分からない状態で試行錯誤しながら帰国するのは大変でしたが、私たち帰国者のために命がけで働いている空港職員の方達や医療関係者はもっと大変で感謝しきれないなとおもいます。いつかコロナウイルスが終息してまた前のような生活が出来ればいいなと思っています。

(高等部3年生 女子)

この春休み中に起こった、新型コロナウイルスという歴史を大きく動かす出来事が、僕の、私たちのこの世代に多大な影響を及ぼすことには間違いないだろう。そして、なぜかわからないが、私たちの世代というのは幸か不幸かいろいろなことが変化するという波乱万丈の世代といっても過言ではない気がする。いま、その私たちの前に憚ろうとしている最も大きな壁、そう、「受験」だ。なんとまあ、受験制度までがセンター試験から大学共通テストという謎の進化を遂げたのである。

春休みというのは受験生にとっては結構大事な時期なのである。リレーでいうスタートダッシュをうまく切れるかどうかがこの春休みにかかっていた。僕は今、「…僕たちの春休みは一体どこからどこまでが春休みだったのだろう…まだ実は春休みなんじゃないか…」と一瞬脳裏をよぎった妄想を支持する自分と、「おい、気づけ…もうすでに勝負の春休みは終わっているんだ…」と現実を見せようとしてくる自分がいい戦いをしている。ただこれを読んでいる先生に一つだけ言わせてもらいたい。決して、僕はスタートラインから進まなかったり、スタートダッシュをミスってこけたりなどという失態はしていない…だろう…ということだけ伝えておきたい。もちろん平均して一日10時間は勉強していたし、この前の模試で開いた口がふさがらなかった教科もかろうじて口を閉じることができるようになった。一応結構これでも頑張って足を前に進めているのである。ただ、新たに誕生した壁…そう数学。僕の唯一無二の得意教科であった教科にあらたな壁が誕生したのである。僕はいまなら、マリオがピーチ姫を助けた直後にクッパが復活しはるか彼方へ連れ去っていったときのマリオの気持ちがよくわかるかもしれない。たとえが少し難しいかもしれないが、要するにかなりショックなのである。しかしここが正念場と思い一生懸命走り抜けた春休み。後々、この時の自分に感謝する日が来てくれることを心から願っている。

さて春休みも無事終わり迎えた新学期。みんなの顔をスクリーンを通して見るのがなぜか面白く自然と笑みがこぼれてしまう。やっぱり友達って大事なんだな、と改めて実感させられる。オランダで過ごす日々はもう「THE BORING DAY」だったからか、いっそうみんなが元気そうな顔をしているのをみてなんだか懐かしい気分になり安心した。しかし、受験という事実は私から離れてはくれない。そう、これからが本当の勝負なのだ。春休みに手に入れた海図とともに大海原に出発し始めた僕は一生懸命舵を切り大学という新たな島に向けて出発した。まだ冒険は始まったばかりだ。 To be continued…

(高等部3年生 男子)

私はこの四月で高校三年生になった。二ヶ月後には十八歳、急に背筋が伸びる思いがする。そんな今、世界はコロナウイルスの影響により大きな恐怖と不安を経験している。でも、報道されるのは悪いニュースばかりではない。英国での生活を始めた頃から、私の中には日本と世界を繋ぐような人になりたいという漠然とした想いがあった。憧れにも近かったこの想いが、今の混乱した世界で最前線で働き活躍している人々の姿を見て夢に変わった。日本だけでなく世界の人々の役に立ち、「変化 」を自分で生み出していけるような人になりたいという夢に。

私は英語の勉強が好きだ。英語を通してイギリスの人だけではなくヨーロッパやアジアの人とも意思疎通ができる。短期留学などの経験を通してイギリスでたくさんの友達ができた。世界が大きく広がった。私たちは一人一人違うバックグラウンドを持っている。もちろん英語を話せることは大切だ。でも彼らとの会話の中で、相手を知ろうとすることも同じくらい重要だということに気づいた。違う国で生まれ違う文化の中で生きてきたのだから、価値観や物の考え方が異なるのは自然なことだ。同じものを見ていても捉え方は全く異なるかもしれない。だからこそ、知る必要がある。知識として私たちの背景にある文化や宗教、様々な違いを学ぶことが、「相手に見えている世界」を想像するための力になると思う。

相手の立場に立って考えることの大切さ、これは立教英国での生活が教えてくれたことでもある。二年前の四月、私はこれから始まる新しい生活に緊張と不安でいっぱいだった。そんな私に、優しく話しかけてくれた赤ネクタイの先輩たち。一気に緊張がほぐれたのを覚えている。みんな一度経験しているからこそ、新入生の気持ちがわかる。だから、今度は自分が緊張をほどいてあげる番だ。先輩や同級生があの時緊張した私に笑顔で話しかけてくれたように。

明日の世界がどうなるかはわからない。でも、こんな状況でも花は咲く。家の前の樹々は春の始まりとともに色とりどりの花をつけ始めた。まるで大きな不安に包み込まれた私たちを鼓舞してくれているようだった。自分で道を切り開いていけるような人になりたい。そのために、今自分に出来る事をしよう。雲一つない青空の下、美しくそして力強く咲く花たちに背中を押され、新たな気持ちで頑張ろうと思った。

(高等部3年生 女子)

本来ならば、一学期に立教へ帰寮してから初めて手にする「赤ネクタイ」。しかし私たちはこの通例を無視して、一足早く三学期末にもらった。これは私たちが新高三としての意識が高かったとかではなく、新型コロナウイルスの影響を受けたからだ。

立教は他の日本の学校と比較して、世界情勢に左右されやすい。今回も例に漏れず、新型コロナウイルスの感染拡大防止で、一学期は多くの新入生も保護者は同伴せずに生徒のみの入寮となった。私たちはそれによって困っている新入生を導くために「赤ネクタイ」を身につける許しを得たのだ。しかし、事態は世界規模で想像以上に悪化してしまったので、立教生は帰寮することさえ許されなくなった。当然「赤ネクタイ」はしわ一つなく、ブラウスの掛けられたハンガーの首に下がっている。

私はこのような状況に陥って気付かされたことがある。それは、中三からの立教生活では一度も感じたことのない、立教への恋しさだ。今週からインターネットを最大限利用して、クラスメイトや先生方とは画面越しで会うことが出来るようになった。だが、この遠い距離感がもどかしい。直接会えていたことを当たり前と信じ込んでいたからこそ、映像でしか会えない現状はとても辛いものだ。一日でも早く「赤ネクタイ」を首元にまとった皆に会い、「似合わない」と軽口がたたけるような、二ヶ月前と同じ平和な日々に戻りはしないだろうか。このように切望するほどに、私は立教が恋しい。

新型コロナウイルスは現代社会の問題点を具象化するかのように、全世界を混乱へと陥れた。私は先に述べたような感情から、新型コロナウイルスを一刻も早く駆逐したいと考えている。ところが、一方では今までの社会を見つめ直す良い機会になったとも思っている。科学技術の発展によって格段に日常生活が豊かになったのは事実でありながら、その側面では多くの課題を抱えている。身近なものとして、自動車や飛行機から排出されるガスによる環境破壊が挙げられる。今、全世界が岐路に立たされている。そして、私たちが生きる未来は今にかかっている。そう気付いたとき、私が今出来ることとは何だろうか。この答えが出るまで、私は「赤ネクタイ」がなじむどころか、身につけて下級生を導くことは到底出来ないだろう。

(高等部3年生 女子)

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