立教英国学院の2学期も残りあと2週間。
11月25日(月)の午後、国際基督教大学(ICU)の毛利教授をお迎えして、高校生を対象としたモデル授業が行われました。

講義はヨーロッパがEuropean Union(EU)として拡大してきた歴史から始まり、NAFTA(北米自由貿易協定)やASEAN自由貿易地域との関係など、国際社会におけるEUの立ち位置について経済的な面と政治的な面からのお話がありました。また、EUとして同じユーロという通貨を使うことに対しての貿易上の利点や、「移民」に対するイギリス人の見方、考え方についても学ぶことができました。
Brexitについては、イギリスがEUに残る利点や欠点、EUを離脱した時に支払わなければいけないお金などについてもお話を伺い、色々と考えるきっかけを与えられました。
現在イギリスでは12月に総選挙を控えています。今後Brexitがどうなっていくのか、私たち一人一人が、興味関心をもってニュースを見ていくことができたらいいなと思います。

また講義の後半では、リベラルアーツの学びの重要性について考えました。毛利教授は、有名な彫刻家の言葉を引用し、リベラルアーツとは『大理石の中に閉じ込められた天使を掘り出してあげる作業である』とおっしゃっていました。そして、『スピニングガール』という映像(シルエット錯視)を見て、女の子が時計回りに回転しているように見えるか、反時計回りに回転しているように見えるかで普段の私たちの脳の使い方がわかるとのことでした。右脳、左脳の両方を使うこと、ものごとを多面的、多角的にみることでまだ知らない自分自身に出会い、自分の可能性を広げていくことができる。ICUのリベラルアーツとはそういった学びであり、入学時にはメジャーを決めずに学びをスタートし、自分の興味関心に応じて、様々な分野を学ぶことができる大学であるとの紹介がありました。

(写真上)
ICUと立教英国学院は2016年7月より教育連携を結んでいます。毎年卒業生がお世話になっていますが、今回のモデル授業でICUのリベラルアーツの学びに興味を持った生徒も多かったようです。

(写真下)
モデル授業終了後には、14番教室にて座談会を行いました。

イギリスでは10月半ばを過ぎると赤い造花を胸に挿している人を多く見かけます。街行く人はもちろん、テレビに出演する人もつけています。これはきたる11月11日の“Remembrance day”(戦没者追悼記念日)のためのものでした。

11月11日は第一次世界大戦の終戦日にあたります。この日に向けて、10月の中旬から数週間にわたり“Poppy Appeal”と呼ばれる大規模な募金活動が、駅前や銀行・スーパーなど多くの場所で実施され、寄付を行うと赤いポピーの花が描かれたアイテムをもらうことができます。この寄付金は、大戦によって亡くなった兵士の遺族や、戦争で傷を負った兵士などの支援にあてられます。立教でもオープンデイの日から募金活動が行われ、多くの児童生徒が募金を行い、制服の胸元や腕にポピーのアイテムを身につけていました。

日本でも終戦の報道を見ることはありますが、募金活動に参加することは稀です。こうして自らの意志で募金を行うことで、亡くなった人々に想いを馳せ、今ここに生かされていることをより実感できたのではないでしょうか。多くの犠牲の上に、私たちがいるということを忘れてはいけません。イギリスでも平和を考える大切な数週間となりました。

11月よりギルフォードにあるロイヤル・グラマー・スクール(RGS)と立教英国学院との合同演劇プロジェクトが始まりました。2月に両校で予定されている公演に向けて、RGSで日本語を学ぶ生徒たちと本校中学部3年生の生徒たちが、時間を共にしながら練習に励みます。

参加者全員で英語と日本語の双方を用いて場面を作り上げていく様子は、非常に印象深いものです。英語の発音や漢字の読み方といった基本的なことを教えあうだけでなく、考えたことを相手に分かるように伝え、コミュニケーションをとるという、大変よい言語活動になっています。皆で協力して演劇を作り上げて欲しいと考えています。

Weald Schoolと立教英国学院は、昨年度からパートナー校として提携しています。学期末には中学3年生や高校1年生が1週間の短期留学にも行っています。
今回は、英語の授業の一環として、金曜日の1-2時間目を使って、中学1・2年生がWeald Schoolを訪問してきました。1学期に続いて、2回目の訪問でしたが、生徒たちは最初は緊張でいっぱいでした。でも段々とコミュニケーションが取れるようになってきて、楽しい時間が過ごせたようです。生徒たちの感想をご覧ください。

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Weald School Visit on 8th November 2019

I went to Weald School and I talked with three students. This school visit was the second time for me. I think it is better than the first visit because this time I tried speaking English hard with many students. I taught ‘origami’ to them. They enjoyed ‘origami’, so I felt very happy. I taught them how to write their name in Japanese ‘kanji’. They were very interested in ‘kanji’. Next time, I want to speak with more students, so I will try to study English harder than now. I want to make friends at Weald school too, so I want to practise speaking English.

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We went to Weald School on a school visit yesterday. I talked with Weald School students who were very kind. I was glad that I could communicate with the same age girls, but I think not so many things went well. I couldn’t speak English well. I was nervous when I was talking with them. I think it was because I don’t have enough experiences, so I have to increase my vocabulary and learn more grammar to be fluent in English. I had a good experience and I want to visit Weald School again.

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It was nice talking to Weald School students. They were very friendly, so I enjoyed talking to them. I taught them ‘origami’, and it went well because they were interested in it, but I couldn’t talk much with them, so I felt a little sad. I want to improve my English for the next time. I should be talking more, and I should study English harder. I want to talk more. The Weald School’s headmaster was fun. He was full of energy. I want to go to Weald School again and I want to talk to them more.

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The Weald School students were very kind and interesting. Each one was unique, so to communicate with them was fun. Also, teaching them their name in Kanji went well, but I didn’t teach origami well. Therefore, the next time, I want to work harder than this time.
Weald School’s headteacher was very interesting. He was kind to us and he is a gentleman. I love him.
I like Weald School. I want to communicate more the next time, so I will study harder than now.

日曜日の午後、軽音楽部のライブコンサートが行われました。
いつもならその前1−2時間のリハーサルが行われるだけなのですが、今回は前日土曜日の午後にも照明係と軽音楽部で合同リハーサルがありました。
今回は曲数が多いので、とのことでしたが、綿密に打ち合わせをしながらリハーサルをしている様子を見ていると、このコンサートにかける部員たちの意気込みも感じられました。
今回から高校1年生の女子バンドが加わりました。1曲だけのデビューでしたが、高校2年生の先輩たちがリハーサルで彼女らを気遣う姿もまた印象的でした。

今回のコンサートは部員たちの意気込みだけではなく、演奏のレベルも非常に高く、それでいて聞きに来た多くの生徒たちを自然に盛り上げるとてもいいコンサートでした。
イギリスの冬がますます暗く寒くなっていく中で、心温まる爽やかな軽音楽部のコンサートは、聴きに来てくれた多くの仲間たちに「元気」を与えて、2週間後に迫った期末テストへ向けて気持ちをリフレッシュさせてくれました。

中学校1,2年の授業では定期的にフィールドワークを行っています。近隣の町や村で道行く人に質問をしたり、お店でインタビューをしたり、地元の学校を訪問して交流を深めたりと様々な活動をしています。今学期は、高校生が毎学期末に短期留学をしているWeald School を訪れ、同い年の生徒たちと約1時間に渡り、文字通り「英会話」を満喫しました。
中学校1年生にその感想を書いてもらいましたのでご紹介します。

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今日、Weald Schoolに行きました。
相手の名前を漢字で書いたり、折り紙を教えたりしました。
テンションの高い人が来てくれた時はすごくやりやすかったけれど、比較的落ち着いた人が来た時は沈黙の時間が辛かったです。
もっと伝えたい事があるのに、言葉が分からなくて伝えられなかったです。
言葉の壁は意外と厚いんだなと感じさせられました。
もっと英語力を身につけて自由にコミュニケーションを取れるようになりたいなと思いました。

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今日はWeald Schoolに行って、相手の名前を漢字で書いたり、英語を日本語に訳したりしました。途中途中で会話が止まって、気まずくなったりしました。でも、漢字を書いた時とかは、軽くアドリブで会話できたし、そのあとの余った時間で質問しあったりした時は自分で質問を考えて言うことができました。でも、質問に対する答えを言われても何を言ってるのかわからなかったりしたので、まだまだ力が足りないと感じました。もっとたくさん経験を積んで、いっぱい英語を聞けるようになったら1年後ぐらいにまた行って、質問などをしたいです。

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今日はWeald Schoolという学校にフィールドワークに行きました
最初はザラという名前の人で、ザラっていうお店があるよねって英語で言ったらザラさんは爆笑していました。
やっぱり同じ学年なのでけっこう話が合って、男女だけれども結構いい感じになりました。
そのほかにもジェイクという人も一緒になりましたが、カッコよかったです。
ゲームとかの話もあってすごく盛り上がって楽しかったです。
喋ってるうちにだんだんプレッシャーもなくなってきて日本語を喋ってるみたいに喋ることができました。

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今日は1、2時間目に立教の近くのWeald Schoolに行ってディスカッションを行ないました。
Weald Schoolの生徒に伝えてたい事が沢山ありましたが、なかなか伝わらず、ジェスチャーと単語を繋ぎ合わせて英文を作りました
もっともっと英語を鍛えて伝えてたいことをキッチリ伝えたくなりました。

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今日は、Weald Schoolに行ってきた。
最初は、少し緊張していたけど、やってみるとすごく楽しくて、「もっと喋りたいなー」と思った。
折り紙を折ってプレゼントしたり、折り方を教えてあげたりしました。
また行きたいなぁーと思いました。

イギリスではハロウィンの後の11月5日にBonfire Nightというお祭りがあります。
Bonfireとは「大かがり火」のことで、「Bonfire Night」は別名「Guy Fawkes Night」とも呼ばれます。Guy Fawkesとは今から約400年前に国王と政府の要人暗殺を目論む「国会議事堂爆破」という大事件を企てた人物です。この事件自体は未遂に終わり、事件を防いだ政府が、11月5日を「命を救い給うたことを神に感謝する日」としたことをきっかけに、かがり火を焚いて各地で祝うようになったのが始まりです。お祭りは実際には11月の第1日曜日頃に行われます。

今年は小中学生が、フィールドワーク・教会礼拝・プールの授業などで訪れる村 CranleighのBonfire Nightに出かけました。当日は移動式遊園地や食べ物の屋台などが出店されていました。大人は燃え盛るトーチを、子供は光るおもちゃを掲げて焚き火場へ向かいます。広場で焚かれた大かがり火は、離れていても熱気を感じるほどです。お祭りの最後には曲に合わせて花火が打ち上がります。イギリスで見る初めての花火となる児童生徒も多かったのではないでしょうか。
お祭りからの帰り道、何人かの児童生徒は余ったおこづかいを寄付しました。イギリスはチャリティー文化が根付いており、気軽に慈善活動を行うことができます。

地面が枯葉の絨毯となっていた数日前とはうって変わり、吐息は白く、焚き火の明かりと暖かさが体に沁みわたる一夜でした。秋から冬へ季節が移り変ろうとしています。

グランドチャレンジの参加者はみんなが最初から友達だったわけではありません。もちろん10日間ずっと一緒に過ごした友達もいましたが、グランドチャレンジだけに参加した人もいたので、その日に初めて会った人にも自分の意見を言わなければいけませんでした。もしもこのディスカッションが私の母国語である日本語であれば伝えやすかったかもしれませんが、英語で行なわなければいけなかったということは私にとって大きな挑戦でした。

このプログラムの参加者の多くの日本人の学生は帰国子女など英語力に問題のない人が多いなか、私は自分の拙い英語で意見を伝えるということがとてもきつかったです。今までは英語ができる人の前で発言する時に、彼らが私の話す英語を聞いて何を思っているんだろう、と考えてしまい話すことが怖かったです。しかし、せっかくこのプログラムに参加しているのだから克服したいと思い、グランドチャレンジの発表の場でみんなに向かって自分のグループの意見を発表しました。特に難しいことを言ったわけではありませんが、その経験で少し自信を持つことが出来ました。

また、合計20以上の講義を受けましたが、その講義の質疑応答の時間で講義をしてくださった方に直接質問をする機会がありました。私は日本語であっても講義の場で質問をすることにかなり抵抗があったのですが、英語で全体の場で質問することが出来てとても良い経験になりました。また、この10日間を日本やイギリスの様々なところから集まった人と話したり友達になったりしたことで色々な意見や考え方を知ることが出来ました。日本から来た高校生と将来の夢について話す機会があったのですが、高校1、2年生なのに将来の夢がしっかり決まっていて、しかも宇宙飛行士や外交官など今まで私の身近に目指している人がいなかった職業だったので、とても驚いたのと同時に私もしっかりと自分の将来について考えようと思いました。

私は高校3年生なのであと3か月でこの学校を卒業し大学に進学する予定です。このプログラムに参加したときには大学で学びたいことが自分の中で決まっていましたが、実は本当にこの分野を専門として良いのか少し迷いがありました。しかし、このプログラムに参加し、色々な考え方や意見を持っている人と知り合い、話をしたことで、私の中ではっきりと自分が学びたいことは本当にこの分野なんだと確信することが出来ました。それが今回私がこのプログラムに参加したことで得ることのできた1番の収穫です。

(高等部3年生 女子)

私にとって一番印象に残った講義はシンポジウムで聞いたCatherine Holloway Academic Director of UCL Global Disability Innovation Hubによる講義でした。この講義では、障碍者の方々が社会でどのようなバリアに直面しているのか、健常者と障碍者のあいだで物事の認識の違いなどをお話ししていただきました。イギリスでは、車椅子が必要な障碍者には政府から手動車椅子が支給されます。しかし、そのほとんどが障碍者により捨てられてしまうというCatherineさんの最初の一言は衝撃でした。その主な理由は、体に合わず腱鞘炎や腰痛を発症してしまうから、一人での移動が難しいからだそうです。車椅子を手放した障碍者の方は、電動のものを買い何とか生活する方もいますが、電動車椅子は高価なものなので、大半の人が自力での生活をあきらめ、ふさぎ込みがちになり、社会から孤立してしまうのです。このように健常者はよいと思い車いすを支給しますが、実際は助けになっていないのです。

このようなケースは、バリアフリーやユニバーサルデザインにおいても建設が健常者であるが故によくあるそうです。例えば、バリアフリーと思って作ったスロープが急すぎて車いすでは乗り越えられなかったり、目が見えない人のための点字ブロックがホームの際にありすぎてかえって危険だったりなどです。今回のUCLのテーマであり、今世界が目標とするみんながアクセスできる社会を目指すには、このような障碍者の社会からの孤立を防ぐ必要があります。そのためには、もちろんバリアフリーやユニバーサルデザインの十分な導入は大きな課題ですが、これらの設置が問題の解決策だと思うのは大きな落とし穴だということにCatherineさんの講義で気づかされました。障碍者と健常者がコミュニケーションをとり、お互いに相手を理解しなくては障碍者が直面しているバリアは壊せないのです。

Catherineさんの講義を通して、しっかりと正しい知識を持ち、相手の立場に立って考えると全く違うことがみえてくるのだと身をもって学びました。また、この講義だけでなく、UCLのプログラム全体を通して、自分の意見を持つこと、自分の無知さを知ること、相手の意見や新しい情報を取り入れること、この三つのバランスが取れることの重要さを知ることができました。このUCLプログラムは私にとっては緊張したり、参加する前は不安に思っていたこともありましたが、始まると一緒に参加した高校生にたくさんの刺激を受け、興味深い講義をたくさん体験できてとても楽しかったです。

7月19日から7月28日までの10日間、英国で行われたUCL-Japan Youth Challenge に5名の生徒が参加いたしました。このプログラムは、日本と英国の各地から優秀な高校生が参加するサマースクールで、世界をリードする大学であるUCLの教授陣による講義や、世界の大きな共通課題について専門の研究者と意見を交換し知識と経験を深めるためのワークショップなどがあります。前半は立教英国学院、ケンブリッジ大学での研修が行われ、後半はロンドンでこのセミナーのメインであるGrand Challenge Workshopが行われました。今年のテーマである「Accessibility for All」について、それぞれの生徒が目的や課題を持ちながらしっかり取り組み、成長を感じることのできた良い研修になりました。先月、学校で報告会が行われ、そこで発表されたものの一部をご紹介いたします。

〈参加した生徒より〉
UCL-Japan Youth Challengeのプログラムは全部で10日間あり、場所は立教英国学院、ケンブリッジ大学、UCLで行われました。最初の2日間は立教英国学院でオリエンテーション、自己紹介を兼ねた学校紹介、アイスブレーキングとしてBBQやスポーツを行い親睦を深めました。その後ケンブリッジへ向かい、初日は観光、パンティングを体験した後、ケンブリッジ大学に通う日本人の方々にイギリスに来た経緯や研究内容など視野の広がるお話を聴かせていただきました。そして、翌日には初めての英語の講義にも挑戦しました。ケンブリッジに二泊した後ロンドンのUCLに移りました。初日はInstitute of Educationという教育分野の研究に関して英国で1位といわれる場所で、コンゴに関する講義とワークショップをした後、インパール作戦に関する映画を鑑賞し、その映画の監督兼主演の方に講義をしていただきました。翌日の6日目はいよいよメインであるGrand Challengeが始まりました。7日目はロンドンオリンピック会場の近くにあるUCL Eastを訪れ、AIの研究をされている日本人の方の講義、カメラなどの写真技術に関する講義の2講義を受けました。8日目は最も山場であるGrand ChallengeのSymposiumがあり、Symposiumの中の講義では現役のパラリンピック選手などテレビで見るような方々の話も聴くことができました。9日目はロンドン観光をしたあと、Final Ceremonyとしてみんなが一言ずつ感想を述べ修了証書を受け取りました。その後に行われたFinal Partyはイギリスから参加していた学生を含めてみんなが揃う最後の機会だったので、写真を撮ったり楽しく食事をしながらこのプログラムを締めくくりました。この10日間は毎日のように一日の終わりにReflectionの時間がありましたが、その日一日の振り返り、整理、明日への切り替えができてとても重要な時間でした。夜遅くに寮に帰ることがあるなどハードな日もありましたが、合計20以上の講義を受け本当に実の詰まった10日間を過ごすことができました。

私にとって一番印象的だったのは5日目のワークショップです。この講義はケンブリッジからロンドンのUCLに移って初日に行われたもので、イギリスの学生と日本の学生が半々の1グループ7~8人に分かれ、火山が噴火しエボラが流行しているコンゴの政策を4つの視点から英語で話し合い、決定し、発表するというものでした。このようなネイティブを交えての本格的な英語のディスカッションは初めてでした。一つの提案をかみ砕いて理解し、結論だけでなく理由も整理して反論を英語で考えていると他の人が言ってしまったり、遅れると次の提案が分からなくなってしまい、ついていくのが本当に大変でした。グループ内でイギリスの学生だけの意見のキャッチボールになってしまい頷くだけのこともありました。しかし、他の国の学生も交えてまったくルーツのない国の政治を状況などを考えながら様々な視点から話し合うことで、他の国の学生の斬新なアイディア、政治に対する知識や関心、何に重きを置くのかなど知ることができて面白かったです。今回のプログラムに参加した日本人の学生の中には、事前の知識が必要な質問を理系文系関係なくする人、英語に全く不自由のない人、ロボットの開発で世界に行っている人などがいて圧倒されてばかりでした。最初はなんてところに交じってしまったんだろうと思いましたが、参加したからには何か残したいと思い、専門的ではなく一般的なことでしたが質問をしたり、ディスカッションで発言したことは自分の成長につながったと思います。私はこの10日間で英語のスキルを伸ばすこともできましたが、世界的にも有名な大学の講義を受けて、講義を受ける前の準備の仕方、質問の仕方など、高校の授業とは違う姿勢を身に着けることができ、大学に進むにあたり良い準備ができました。一番の驚きは、私には将来平和な世界を作りたいという目標があり、それには紛争・戦争をなくす努力をすることだと当然のことのように結びつけていましたが、今回受けた講義の中に私と同じ平和という目標を持ちながら平和と災害を結びつけて考え、いかに災害の被害範囲を狭められるかという研究をされている方がいて、他の意見や方法を知り新しい発見ができたことで視野を広げることができました。また、もともと興味のあった分野の最新の講義を受けて興味を発展させることができ、将来自分が社会のために何ができるのかを考えることができました。

天気に恵まれた10月20日(日)、2019年度オープンデイが開催されました。
今回のスローガンは『Awaken your glory』。このスローガンに沿い、今年度も各クラスや企画が一丸となって、立教英国学院最大の行事を展開しました。

本校のオープンデイは、クラスごとに企画した展示やコンサート、模擬店に加え、チャリティなどの様々なフリープロジェクトの運営により、地元の方々との交流を深めることができる大切な行事です。学院周辺に住む地元の方々もたくさん来校され、普段とは違った活気が感じられました。また、バザーや福引きをはじめと模擬店の運営は父母の会の皆様が時間をかけて準備してくださり、当日売り出される品物には多くの保護者の皆様が関わっています。こうした機会を経験することで、私たちが普段から周囲の人たちにいかに支えられているかを実感することができます。

こうしたことは、実際に行事を成功させて初めて実感できることだと思います。生徒たちはこの行事の成功を目指し、準備期間から懸命に取り組んできました。
クラス展示では、各クラスがテーマを決め、話し合いを重ね、構想を形にしていきます。模造紙に書かれた解説や立体模型、背景画など、細部に拘り具体的な形へと仕上げていきます。その姿からは、絶え間ない集中力や底知れぬ根気を感じます。なかでも高校生は長年の経験と知恵を生かし、ダイナミック且つ繊細で美しい作品をたくさん生み出していました。テーマに即した物だけをただ作り出すだけでなく、リアルな雰囲気まで醸し出せる工夫がされているところは、上級生こそがなせる技です。
今回、各クラスが選んだテーマは、それぞれがメッセージ性にこだわり、それが形となってあらわれていたように感じます。一から創作する物が多く、形にしていく上でかなり苦戦した部分があったかと思いますが、話し合いを重ね、互いが協力し合う姿は、どこの学年やクラスからも見受けられました。特に、日英両方での説明文は、どのクラスでも伝わりやすさやわかりやすさを十分に考慮し、完成度の高い仕上がりとなりました。

一方、フリープロジェクトでは、茶道企画と剣道企画が日本の伝統文化の紹介を行ない、フラワーアレンジメント企画とチャリティ企画では、毎日少しずつそれぞれが作品を作り、ブースを展開していました。パフォーマンス企画と演劇企画は、何度も練習を重ね、その成果を舞台で発揮し多くの観客を感動させました。
補習を終えた高校3年生は、毎年、模擬店での販売が担当となっています。他学年と比べて時間が限られている中、しっかりと準備を重ね、当日は父母の会の皆様と連携し、食べ物の提供やバザーの運営などをしました。高校3年生らしい色を出すことができ、立教生活で経験した行事の集大成となったことでしょう。

あっという間に1日が終わり、夜の時間には後夜祭が行われました。発表や運営を通して、今まで互いに見えていなかった部分、知らなかった意外な一面や努力を感じ、人との関係や繋がりをより一層深めることができたのではないでしょうか。このような気づきや学びの経験は、特に大切にしてほしいと思います。この行事を通じ、学校全体がさらに活気づき、生徒たちがまた大きく成長してくれることを願っています。

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