一年前の今頃は、新型コロナウィルス蔓延防止のための緊急事態宣言を目前に暗闇の中を進む思いでした。現在は、再びの緊急事態宣言がまだ解除されていませんが、この2月から医療従事者のワクチン接種が始まり、感染者数も減少傾向にあり、光が見えてきたように思います。あともう少しかもしれませんね。少し期待を感じることができた2月でした。

1.中学入試と新入生説明会

緊急事態宣言の中、令和3年度中学入学試験を例年通り2月1日から2月3日、2月5日の計3回実施しました。今年は密を避ける目的で、塾関係の方々が門の外で受験生を出迎えて応援することも、受験生と保護者が入室前に小講堂で待機することも止め、正門から体育館まで一方通行の通路を作りました。

 

体育館入口21

 

体育館入り口

受験生は保護者と一緒に体育館に入り、消毒をして体育館の順路を進みます。

 

体育館全体

体育館の出口付近まで来るとサーマルカメラがあります。体育館検温体育館検温2

サーマルカメラによる検温を済ませると、受験生は試験会場へ、保護者は体育館の外へ向かう、という例年にない流れを作りました。

 

体育館出口

今年は控室を設置せず、お迎え場所を設定しました。試験終了時刻が近づくとどんどんお迎えの方が入ってきて、上からみてわかるように、間隔をあけてお待ちいただきました。

 

御迎え1

このような感染防止のための工夫を様々重ね、全3回の入学試験を実施しました。さらに、万が一出願した受験生が検査で陽性、あるいは濃厚接触者となった場合の救済措置として追試験を実施し、全ての試験が無事終わりました。応募者は1日、3日、5日の延べ人数で約2163名でした。昨年よりは減少しましたが大勢の受験生が出願し、皆様の協力に感謝しております。ありがとうございました。

入学予定者を集めて2月13日に新入生説明会を実施しましたが、密を避けるため保護者のみで開催しました。新中学1年生の皆さんのキラキラした顔が見たかったです。残る小学校生活を充実して過ごしてほしいと思っています。

2.修学旅行

3月初旬に予定されていた中学と高校の修学旅行はキャンセル料の関係で2月8日に判断が求められました。結論として中学修学旅行は中止し、制限を加えて実施することより、2年後に控えている高校修学旅行を充実させ有意義な旅行を企画することで決定しました。完全一貫校であるがゆえに出すことができた結論です。

高校2年で実施予定だった修学旅行については高校3年での実施になってしまいますが、関西、北陸の2方面を4月11日から3泊4日で実施することになりました。何としても実施したいという熱い思いが生徒からも教員からも伝わってきました。安全に配慮し、感染防止策を徹底した上で、思い出に残る旅行となることを期待しています。

3.映画「無限の瞳」の原版

本校生徒会が制作した映画「無限の瞳」について、昭和56年7月15日付の原版が発見されたことを、校長室だよりの12月31日号で触れました。生徒会室で発見した時に生徒が撮影した写真を見せてもらいました。酢酸のにおいがすごかったそうです。

発見された原版

 

無限の瞳・原版02

映像はデジタル化して保存してあるため、フィルムの原版は「国立映画アーカイブ」に寄贈しました。

 

アーカイブ

 

アーカイブ2

現在、傷んだ原版は国立映画アーカイブで修復作業中です。所有権は「国立映画アーカイブ」に、著作権は成城高等学校生徒会にあるということになります。無限の瞳1無限の瞳・原版2無限の瞳・原版無限の瞳・原版32

以下に、本校の中学生、高校生の活躍を紹介します。 

4.中学技術「探究活動・発表会」

中学3年生の技術科では、今学期「栽培」の分野で探究活動をしました。グループを作り班でテーマを決めて探究し、結果をスライドで表現してまとめ、班ごとに発表会をして、生徒たちによる評価をしていました。生徒たちは休校中にオンライン授業で活用したGoogleの「評価テスト」を使って評価をしていました。コロナ禍では、失ったものもありましたが、変化に対応していく中で手に入れた技術があったと彼らを見ていてつくづく感じました。

 

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技術⓶

5.「全国学芸サイエンスコンクール」

以前の校長室だより(12月31日号)で報告させていただきました旺文社主催/内閣府・文部科学省・環境省後援による令和2年度「全国学芸サイエンスコンクール」の結果と賞状が届きました。中学校では「理科自由研究部門」と「社会科自由研究部門」に合わせて304人が参加し、高等学校では、「自然科学研究」と「人文科学研究部門」に273名が参加し、チャレンジしました。中学校、高等学校のいずれも「学校奨励賞」を受賞しました。

学芸サイエンスコンクール高校     学芸サイエンスコンクール中学

こうした探究的活動が継続し、令和3年度の「全国学芸サイエンスコンクール」にも引き続きチャレンジしてほしいと願っています。結果を求める以上に「探究する心」を継続させることが大事です。期待しています。

 6.鉄道研究部「ジオラマ」

コロナ禍で、本校鉄道研究部のジオラマが脚光を浴びています。

来館サービスを休止している東京都立中央図書館が、オリンピック・パラリンピックに関連するイベントとして、1964年から2020年の東京のまちの変化が「1964 to 2020~クイズで巡る東京のまち~」をテーマにオンラインで企画展示を実施しています。その中の一つとして、成城中学校・成城高等学校鉄道研究部が制作した「国立競技場」のジオラマが展示室で公開されています。https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/1964_to_2020/diorama2/index.html

「ネットde展示『1964to2020クイズで巡る東京のまち』」はオンライン提示ですので、是非ご覧いただければと思います。

7.中学生の「税についての作文」

本校の地域である牛込・四谷地区を管轄する四谷税務署が、租税教育の一環として中学生の「税についての作文」の募集事業を行っています。本校生徒が5人入賞しました。中でも最高賞を受賞した望田君の作品が会報に掲載されていますので全文を紹介します。身近な体験を素材として、日常生活での出来事と税との関わりを考え、気持ちを率直に表した素晴らしい作品だと思います。

税についての作文

8.部活動の一部再開

本校では、部活動を1月7日から中止していましたが、一定の制限の下で部活動を一部再開しました。2月緊急事態宣言中ですが閉塞感による生徒のストレスを発散するという意味合いで、条件を付けて再開しました。

一言でいうと現在実施している「授業レベルの活動」で、時間にも制限がありますが、各部は制限事項をとてもよく守って活動しています。

 

部活動再開・マスクして離れてサッカー1

写真はマスクして練習しているサッカー部です。部活動には顧問が常に付き添って、時々様子を見ながらマスクをつけたり顎マスクにしたりして、体を動かすことに重点をおいています。現在は、緊急事態宣言が解除された場合の部活動の在り方などを検討しているところです。


 

今年度もあとひと月を残すところとなりました。タイトルに書いたように、暗くて長いトンネルの先に少し光が見えてきたような気がしています。今回のコロナ禍は、後にきっと貴重な経験となって新しい何かを生み出すに違いない、そう思いながら前を向いて、コロナ終息を待ちわびています。このまま明るくなるといいですね。

令和3年2月28日  校長 栗原卯田子

東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県では1月7日から2月7日まで緊急事態宣言が発令される中、3学期が始まりました。宣言に先立って1月5日には文部科学大臣による発言があり、一斉の学校休業は要請しない、大学入学共通テストや大学の個別入試、小・中学校、高校入試については予定通りの実施を求めるという内容でした。成城学校では、教職員、事務職員、管財、施設管理、警備員、学校医、学校薬剤師などが、「チーム成城」として結束力を高め、みんなで生徒や受験生を守ろうと一丸となって取り組んでいます。1月の様子をお伝えします。

1.部活動

本校では、12月まで各部会が感染防止に努めて活動してきたことを踏まえ、全面禁止の措置を取らずにできないかと検討をしてきました。しかしながら1月7日に東京都で2400人を超える感染者が出る状況となり、すべての部活動を1月8日から2月7日まで中止とするという判断をしました。今後も状況を見ながら判断していきます。

2.校医による講話

1月8日に学校医の江藤医師にご協力いただき「衛生講話」の映像を作成しました。生徒に対する新型コロナウィルス感染予防に関するお話で、翌週、各教室でプロジェクターを通して視聴しました。

現在は、毎日定時刻に教室の換気を呼びかける放送を入れたり、部活動中止に伴う一斉下校による混雑を回避するため分散下校させたり、通学路で下校指導をしたり、「食べながらしゃべらない」などの昼食時の指導を、生活指導係を中心に教員が協力して取り組んでいます。

また、校医の推薦図書である「新型コロナの参考書」を校内の各部署で共有し、新型コロナウィルス対策の基本や濃厚接触者などについて全教職員で勉強をして感染防止対策を実施しています。

3.最後の中学校説明会

1月13日(水)に今年度最後の学校説明会を行いました。説明会会場の事前事後の消毒、参加者の検温、手指消毒、校舎内への立ち入り禁止など、感染防止対策を徹底して実施しました。座席の間隔を空けての着席、事前にホームページから紹介動画をご覧いただいての参加、ポイントだけに絞った説明にして短時間でのイベントとしました。中でも、休み時間中に「中継」をして生徒に「突撃インタビュー」をしたり、授業中の風景をご覧いただく新しい取り組みが、成城らしいと好評でした。生徒たちのノビノビしている感じや、先生と生徒の距離感をお伝え出来たと思います。参加された方々から多数のお礼のお言葉を頂き、成城のよさをご理解いただけたのではないかと思っています。個別相談も実施しました。今年は、コロナの制約があり、十分な広報活動ができませんでしたが、生徒の雰囲気はどんどんよくなっていると感じています。

受験生への応援メッセージ動画も作りました。

入りたい学校に入学することが何より幸せなこと。最後まであきらめないで志望校にチャレンジしてください。

4.「実用英語技能検定」(英検)

本校では、公式戦と日程が重なることが多くて日曜日に実施される英検をなかなか受けられないことから、毎年第3回目のみを1月に校内で実施します。全生徒が自分の級に合わせて受ける仕組みで、1月23日(金)の午後に実施しました。今年で4年目になりました。

実施当初に比べて、より上位の級の受験者が増えました。準一級は本会場での受験となるため、準会場では受けられませんが、今年の成城高校生の準一級受験者は100名を超えました。全校的に少しずつ自分の目標級を上げ、実力をつけていく様子が分かります。

5.「東京大学オープンラボ」

1月15日(金)に東京大学関係者のご協力を得て、成城生のみを対象とするオンライン版「東京大学オープンラボ」を開催しました。昨年度は東京大学研究室を見学させて頂きましたが、今年度はコロナ禍のため、オンラインでのオープンラボとなりました。当日は本校の創立記念日のため、生徒はZoomを使って自由に参加できました。工学部だけでなく経済学部の東大生も協力してくださり、生の声を伺うことができました。

内容は、古川先生(大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻)による東京大学紹介、牛田先生(大学院工学系研究科機械工学専攻)による成城生への激励講演、先輩からのエールという構成で、先輩として2016年成城高校卒の三枝祐樹君(工学系研究科システム創成学専攻大学院)が今年も参加してくれました。成城生は何と恵まれていることか、と一緒に参加しながら思いました。

三枝君は後輩のために、東京大学の学内をバーチャル散策したり、受験のことや東京大学での生活について話をしてくれて東京大学を身近に感じるイベントとなりました。他に、文系志望の成城生のために、経済学部の学生が自らの生活を語ってくれました。その後、酒井先生(工学系研究科化学システム工学専攻)の研究室の紹介や、先生を交えて総合ディスカッションをして終わりました。翌日参加した成城生に声をかけたところ、大変満足した様子で、大きな刺激となった様子が伝わってきました。

6.頑張れ、成城生、受験生

高校3年生は初めての「共通テスト」が終わりました。どの教科も分量が増えて、スピードと読解力、耐力が求められたと思います。これからいよいよ各大学の一般受験が佳境に入ります。受験生の皆さん、自分が入りたい大学を目指し、最後まであきらめずに、頑張ってください。

校長室には、様々な在校生の活躍の様子も聞こえてきました。吹奏楽部の生徒たち3人は、1月初旬のアンサンブルコンテストで金賞を受賞、「科学の芽」の取り組みでは成城中学校、成城高等学校ともに「学校奨励賞」を受賞など、嬉しいニュースが入ってきました。コロナ禍にあっても感染防止に努めながら、生徒たちは前向きに挑戦していることがよくわかります。


一斉下校の生徒の様子を見ようと正門で見送りに出たところ、一人の生徒が「先生、今年も作りました。どうぞ。」と三光星を身に付けたウシを手渡してくれました。去年のネズミと並べて校長室に飾ってあります。みんなで成城を盛り上げようという雰囲気が伝わってきました。

また、明日から始まる成城中学の入試準備においても、チーム成城の結束力が発揮され、受験生が安全に受験できるよう、しっかりとした感染防止の体制が整ったところです。下の写真は夜撮影したため少しで暗いですが、体育館での検温後の分岐場所です。ここで、受験生は左側に、保護者は右側に進みます。

そのまま受験生は試験会場に向かい、保護者は校舎の外に出ることになります。

保護者の皆様には控室を設けませんが、お迎えの場所を設置いたしましたので、事前に、ご子息と待ち合わせ場所をご確認の上、ご退出されますようお願いします。感染防止のためご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。

一部の受験生から「当日コロナに感染したらどうしよう」と心配する声が聞こえました。万が一、自宅待機等で外出できなくなってしまっても救済措置としての追試験も設置しています。成城中学校の受験生の皆さん、どうぞ安心して受験に臨んでください。そして、落ち着いて頑張ってください。自分の決心を固め、自分が入学している姿を思い描いて、最後まであきらめないで頑張りましょう。それでは、皆さんの健闘を祈っています。

令和3年1月31日 栗原 卯田子

 

校長より受験生に向けたメッセージと動画を、本校HP上にて公開しています。

「校長室便り」【臨時号】(1/23公開)より↓

受験生のみなさん。

2月1日から成城中学校の入学試験が始まります。

受験生の皆さんに向けてメッセージ動画を作りましたのでご覧ください。

https://youtu.be/-CjM4OQtnZw

校内に流れている音をそのままにしていますので、聞こえづらい部分がありますがご容赦ください。

それではみなさん。慌てず、落ち着いて、しっかり、頑張れ!!

校長 栗原卯田子

数日前、数人の生徒たちが正門前で落ち葉を掃いていました。この時期の通学路は色を変えた落葉で一杯になります。2015年の創立130周年記念に植えた枝のように細い桜は、落葉することで生まれ変わりながら命を繋いで成長してきました。この営みは生きる意義を教えてくれます。そして、5年たった幹の太い桜に、コロナに動じない成長を感じます。

例年、冷え込みが始まる11月にはマラソン大会が行われます。今年はいつもと違う11月を過ごしました。文化祭や視聴覚行事の代替行事でしたが、いつも以上のノリで盛り上がり、生徒たちは笑顔が戻ってきました。

1.成城オンライン文化祭

本校の校訓「自治自律」を発揮する場として成城祭があります。文化祭と体育祭に分かれ、それぞれ生徒による実行委員会が企画運営します。今年はコロナ禍の中、先月号で紹介しました通り、文化祭の代替として「オンライン文化祭」が行われました。ご視聴頂けたでしょうか。テーマは「ツナグ」ここから繋いでいこうという思いを表しています。

生徒たちが自ら学び身に付けている多様な知識、高い技能に驚きました(知)。無限の瞳の上映など、様々な人々の思いを繋ぐ優しさ、思いやりが伝わってきました(仁)。そして何より、初めてのことに挑戦したチャレンジ精神(勇)。知と仁と勇を備えた成城らしいオンライン文化祭。よくぞここまで、と讃えたい気持ちです。

在校生、在校生保護者、卒業生、外部の方、特に成城を志願している受験生やその保護者の方など、多くの視聴者から頂いたご感想を校内で共有しました。「感動」が伝わってきました。

ここで、ある卒業生からいただいたメールを以下に紹介します。「オンライン成城祭を拝見して、その圧倒的なエネルギーに感動しました。とくにオープニングムービーは、これがつくりたいから、これがかっこいいからつくりたいという意思と勢いを感じました。体裁よく無難に仕事をしている自分ははっとさせられました。成城生の勢いを感じ、自分はこのままでいいのかと奮い立たされているところです。ご子息が成城に通っている同僚から『後輩がこんなに頑張ってるけど、先輩はどうする?』と紹介されて拝見しました。…校長先生に感動をお伝えしたくてメールをしました。…」

私もすごく感動しました。改めて、生徒会実行委員会の生徒、動画編集の指導をしてくださったS先生、著作権、肖像権をはじめ、生徒全体の指導に関わってくださったO先生をはじめ、チーム成城の皆さんに感謝の意を表します。これが新しい成城の歴史の一頁となり発展していくことを期待しています。

2. 皆で大笑いした視聴覚行事

今年は予定していた校外施設での視聴覚行事をキャンセルし、体育館で行いました。

会場

体育館での密を避けるために、2学年ずつ、午前と昼と午後の3回に分けての公演となりました。前日に体育館にシートを敷き、間隔をあけて椅子を並べたのは先生方。当日は体育館の扉や窓を開けて風を通したので、ジャージ等を羽織っても良いことにしました。員マスクをして、前を向いて、漫才、コント、落語の3つの演目を楽しみました。各回70分の公演でした

漫才を演じた一人は、当時生徒会長だった成城卒業生です。高校時代を思い出しながら「成城あるある」「男子校あるある」が飛び交いました。当時の教師を挙げながら生徒たちの心をつかんだ漫才に、みんなで大笑いしました。コントも落語も面白くてこちらもみんなで大笑いして楽しみました。

コロナ禍で忘れかけていた「みんなで一緒に」「直接会って」「肌で感じる」ことを体験し、格別に味わい深いものとなりました。正しく恐れてコロナに動じない成城生でした。一緒に笑ったとき、何故か久々の「一体感」を感じたのは私だけではなかったようで、翌朝の登校時には、「今までの視聴覚行事で一番楽しかった!! 」と友達同士で話す声が聞こえてきました。

一方、新型コロナに関わる数字が「過去最多」を更新する中で、企画会社の方から「東京ではコロナによる興行の自粛が始まり、明後日からできなくなります。今日でよかったです。」と言われました。楽しかっただけに、現実の厳しさが私たちを淋しい気持ちにさせました。この後も一人ひとりがしっかりとしたコロナ対策をして、楽しい学校生活を維持していくしかないと思いました。

3. 師親会委員会

師親会とはPTAのことです。本校では毎年文化祭やマラソン大会などに様々な協力をしてくださっています。

今年は通常の文化祭が中止となり第2回師親会委員会は中止でしたが、11月に第3回を実施しました。それはオンライン文化祭で取り組んで下さったグッズ販売の仕分け作業をメインとする会となりました。

この日、委員の皆様からは、オンライン文化祭や視聴覚行事などに対する様々なお声を頂きました。オンライン文化祭は保護者の方々も楽しまれたようでした。プログラムの一つひとつを思い出しながらコメントをされ、委員同士で感動を共有されていました。また、視聴覚行事に感激したご子息の様子を「ほんとに楽しかったみたいです」と報告してくださいました。

師親会ではありませんが、中学3年生が書いた「スポーツ大会」の作文にも「『青春してるぅ~』と叫びたい気分だった。」などという表現がありした。本当に成城らしい、充実した学校生活が遅ればせながら戻ってきたのですね。

4.学校説明会

中学入試の広報として例年1学期に実施している「学校見学会」を今年はすべて取りやめました。その代り、学校紹介動画を作成してホームページに公開しました。2学期になり「学校説明会」の在り方を校内で検討し、少人数かつ短時間で実施することになりました。1回の定員を小講堂の定員の3分の一にして実施するということで、回数を増やしました。多くの方に参加していただきました。休み時間の様子をご覧いただくなどの工夫により、小講堂以外の校舎内に入ることはできなかったにもかかわらず、生徒や教員の雰囲気を感じ取っていただけたようでした。

屋外での立ち話の「個別相談」では、公立と私立、共学校と男子校の違いをはじめ、携帯電話やいじめへの対応など多くのご質問をお受けしました。皆さん大変熱心で、ご家庭が学校の教育方針を理解してご子息を入学させようとする姿勢、本校への期待の高さなどが伝わってきました。


いよいよ明日は年内最後の成城中学校学校説明会※です。中学受験に限らず、高校受験、大学受験を控えている皆さんは、可能な限りの感染予防に努めて、コロナに動じず、大切なこの時期を乗り切ってほしいと思います。頑張ってください。

令和2年12月1日 校長 栗原卯田子

※今年度最後の学校説明会は12月2日(水)に開催いたしました。

picture_pc_6bd4a868d867521f4e0974327c724ca8『成城祭2020』
オンライン文化祭が開催中です。どうぞご覧ください!
URLはコチラ↓
https://sites.google.com/view/seijo-fes/
<文化祭実行委員より>
 世界が混乱する中、例年通りの文化祭はできなくなりました。
 しかし、まだオンライン文化祭という希望があります。
 オンライン文化祭として新たに始まった「成城祭2020」は、
 僕たち文化祭実行委員が自分たちの手で作成しました。
今年のテーマは
“ツナグ”
“成城生と成城生を繋ぎ、成城と世界をつなぎ、成城と未来をつなげる″
 そんな文化祭にしたいと思います。

青い空が高く、朝に吹く風が心地よく、急に秋らしくなったと感じるこの頃です。

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写真は近所で見つけた曼殊沙華です。お彼岸の頃に咲くので別名ヒガンバナとも言われますが、毎年今頃咲きます。昨日10月1日は中秋(旧暦8月15日)でまん丸の名月を見ることができました。いつものようにめぐる季節を感じながら、いつもとは違った9月を過ごした成城を振り返ります。

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1.災害に備える

前号でお伝えしましたが、9月1日から新学期が始まりました。放送での始業式での後、教頭による防災講話を実施しました。本校は新宿区の高台にあり大きな医療機関に囲まれていて極めて安全性が高く、立地に恵まれています。校内には緊急時に備えて、生徒・教職員全員分の食料・水・寝袋・簡易トイレなどが備蓄されています。このような中で、緊急時にどう対応したらよいか全校生徒へ説明がされました。

2.人間関係作り

本校ではいじめ防止対策推進法に基づいて、いじめ防止対策委員会を設置して年5回定例に開催しています。この委員会主催で9月の初旬、いじめ防止と対策について、本校スクールカウンセラーを講師に教員対象研修会を行いました。本校では全校生徒に毎年2回アンケートを実施して、いじめの実態把握をしています。

本校は、知仁勇を備えた人間の育成を目指しています。知は勿論ですが、知仁勇3つのバランスを大切にし、行事が充実していて部活動も盛んです。今年はコロナによる休校期間が長く、ほとんどの行事が中止となり、生徒にとっては人との触れ合いや、人間関係作りの機会が極端に少なくなってしまったと心配しています。

3.学校行事の代替

中学運動会は、体力づくりのほかにチームワークリーダーシップを学ぶ機会として毎年2学期に行われています。また、高校体育祭は、自治自律を目指して1学期末に行われています。これらいずれも今年は中止となりましたので、今、学年と体育科の先生方を中心に、生徒たちに様々な関係作りの機会を与えていこうと動いています。具体的には、中学運動会、高校体育祭の代替として、学年別スポーツ大会を実施することが先日決まりました。中学では学年別運動会のようになるかもしれません。高校は体育祭実行委員会を中心に生徒たちで企画運営し実施するようです。詳細はまだ決まっていませんが、感染防止に注意を払いつつ思いっきり楽しんで、学年のチームづくりをしてほしいと思います。次号で様子をお伝えできたらと思っています。

4.体育の授業

スポーツに関連して体育の授業について書いてみます。臨海学校に特徴のある本校では、体育の授業に水泳があります。例年5月末に行うプール開きは7月11日に行いました。温水プールのため水泳の授業は9月末まで続きます。先日、プールの授業を見学しました。泳ぎのテストをしていて、みんな真剣に取り組んでいました。7e59783d2d705da16b6016aeacfeeead-300x225[1]

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同じ時間に体育館でもグラウンドでも体育の授業をしていました。密にならず、生徒同士の接触の機会をつくらないように工夫されていて感心しました。体育館ではバスケットボールの扱い方を習っていました。生徒がペアになって広がりながら、声を出さずに相手をよく見て真似をするという工夫がされていました。ボールなどの消毒も大変なことです。

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5.教育実習

例年6月に実施される教育実習ですが今年はコロナの関係で、実習期間を9月28日から10月17日までと変更しました。成城高校の卒業生ばかりで、スーツを着て教壇に立つ姿を見ては、実習生たちの高校時代を思い出しています。グランドで体育を指導する実習生に出会いました。生徒たちにとって、年齢の近い先輩たちの授業は新鮮で、縦のつながりから学ぶ機会にもなっています。

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実習生の中には、朝の教員打合せまでの時間を活用して、私と一緒に正門で登校する生徒を迎える学生がいます。生徒たちに向き合いながら、自分は高校時代にどのようなことを考え、感じていたのか、実習を通して生徒たちに自らを語ってほしいと思います。 

6.模擬試験の会場提供と個別相談

9月の初旬に、感染症予防対策を徹底することを条件に、中学入試の模擬試験会場として本校を貸与しました。各教室の収容人数を半分にし、試験を午前と午後の2回実施することになりました。保護者控室は設けませんでした。例年は、控室で校長による学校説明会をしていますが、今回は見合わせて様子を見ることにしました。代わりに個別相談を実施してみたところ、多くの方が利用され、学校に足を運んでおきたい、というニーズを感じとりました。このような状況を踏まえて、9月下旬から実施が始まる本校主催学校説明会は、小講堂で、収容人数を三分の一程度にして短時間で実施することにしました。

7.本校主催第1回学校説明会

9月26日に第1回学校説明会を小講堂で実施することを決めて以降、入試広報室はとても忙しく動いていました。ホームページで募集開始するとともに、サーマルカメラ、消毒液、扇風機などを設置して、検温や受付のシミュレーションをして、前日には会場の消毒をしました。受付のリハーサルもして流れを確認し、密が回避できるかを確認していました。 少人数、短時間で実施するための説明内容の精査をしました。また、説明会実施後には申し込みをした人に対して録画配信することにしました。

当日は、予定通りに進めることができ、アンケートからは感染防止対策にも納得された様子が伺えて一安心しました。引き続き感染防止対策を施しながら、予定されている学校説明会を開催していこうと思います。

8.大学進学の対応

9月は、指定校の校内選考があり、内定した生徒に対して保護者同伴で校長から話をしました。成城学校の名を背負い、大学での活躍が期待される精鋭たちです。エールを送りました。

一方、共通テストの出願のとりまとめもありました。高3はほぼ全員が受験し出願率は99%でした。いよいよ本格的な受験シーズンに入ります。二度とこない今日の日を頑張りましょう。


いつもなら成城祭が終わった9月末は、次のステップへの切り替えをする時期です。私事になりますが、私は30代の頃、八丈島の高校で数学科の専任教諭として6年間過ごしました。今年の9月は文化祭もなく何か物足りないな、と思っていた矢先に、島の教え子からストレチアの花が送られてきました。

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独特の色合いを持ち、別名を極楽鳥花といいます。眺めていると、さぁ頑張るぞ!!と不思議に元気が出てくる花です。

最近、成城生や先生方の中から「まだ9月だ」という声が聞こえてきました。長い2学期に、秋のスポーツ大会で一息入れて、盛り上がりを作りたいですね。皆が思い切り楽しめて発散できる機会になると良いと思います。生徒たちの笑顔を期待しています。切り替えが上手で、知と仁と勇のバランスの取れた人間になるように。

令和2年10月2日

校長 栗原卯田子

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11月14日(土)・15日(日)に実施されるオンライン文化祭の広報ポスターが完成しました。
絵は美術部の高2の生徒が描いてくれました。

今年のテーマは「ツナグ」。
成城生と成城生をつなぎ、
成城と世界をつなぎ、
成城祭を未来につなげる。
そんな文化祭をオンラインで作り出したいとのこと。
このポスターには彼らの思いがこめられています。

これから印刷され、各所に配布します。彼らの思いを是非ご覧いただけたらと思います。

初めての取り組みですから、苦労も多いようですが、精力的に取り組んでいるようです。

成城祭
公式HP:https://sites.google.com/view/seijo-fes/
NOTE:https://note.com/seijo_fes

<第1弾PV>

 

登校途中の地元の女子中学生が談笑しながら本校の前を通り過ぎていきます。チャイムの音が聞こえてきます。登校が始まり朝の正門に立っていると、かつては当たり前だったこのような光景が、何か特別のことのように映ります。この景色がずっと続いてほしいですね。

さて、本校では、段階的に学校再開の準備を進め、新しいステップに入りましたのでその様子をお伝えします。

1.本校の準備と環境整備

本校では、生徒が安全に登校して、安心して授業を受けられるようにするために、以下のような条件を設け環境を整えました。

◆家庭では毎朝検温し記録をつける。

◆生徒はマスクを着用し、手指の消毒、サーモグラフィーによる検温をして入校する。

◆教室では生徒全員がマスクを着用し、教師はマスクまたはフェイスシールドを着用して授業を行う。

◆全館の換気システムが稼働している状態で教室の窓、欄間、出入り口および非常階段の扉を開け、廊下に扇風機を設置し、常時稼働する。

6月15日(月)に上記条件の下で、教室の換気の状態を学校医に視察して頂きました。結果として、「この状態で、教室での授業再開は問題ない」との見解を得ることができました。そこで【第2段階】として、教室での一斉授業を6月22日(月)から始めるための検討を始めました。

2.授業再開の段階日程

【第1段階】既に6月7日号でお知らせした通り、6月6日(土)から6月20日(土)までの2週間は、学年別の分散・時差登校を実施しました。登校は週1日だけで、クラス全員が広い場所に集まり、他の日はオンライン授業をしました。登校日を設けるために、週6日実施のオンライン授業時間割を、週5日の時間割に変更しました。この期間の登校では、新しいクラスの担任と生徒全員が初めて一堂に集い、ホームルームを行うことに目的と重点を置きました。

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分散登校の最終日となった6月20日(土)に一部のテントが撤収されました。

【第2段階】6月22日(月)から6月28日(土)の1週間は、前述したように、校舎に完備された換気システムに加え、廊下の非常口を常時開放して扇風機を稼働させるなどの方法で換気の工夫を行い、教室での授業を実施しました。

一斉登校初日

授業初日の朝は雨が降りました。早めに登校する生徒が多く、1600人の生徒が切れ目なく学校に集まってくるという感じでした。

一斉登校初日2

学校医により「換気ができている教室に一斉に入ることより、飲食に注意すること。新型コロナウィルスは飛沫感染なので、マスクを外して飲食をする時が一番危険であり、静かに、しゃべらないで、前を向いて食べることを徹底すること。」と助言をされました。

そこで、感染防止の観点から「この一週間は食事をとらない」という方針を立て、その間に食事指導をしていこうとなりました。結果として6月22日の週は、全員が8時30分登校ですが、昼食なしで短縮30分の6時間授業を実施しました。

【サーマルカメラの威力】1600人の生徒が一斉登校するにあたって、駅での混雑や、サーマルカメラによる検温による渋滞を心配しました。開門時間を早め、混雑した電車を避けるために各家庭に早めの登校をお願いしたことで、駅での大混雑はどうにか回避されました。

消毒正門から玄関に向かいテントの中で手指の消毒をして校舎に入ります。

カメラに玄関からカメラに向かいます。

サーマルカメラに向かうカメラに顔を向けて教室に入っていきます。

IMG_7278今回威力を発揮したのが、6月6日の初登校日から使用された写真のサーマルカメラです。分散登校の2週間は1クラスずつ時間がずれていて、カメラに向かって一人ずつ検温している状況でした。ところが6月22日からの一斉登校では検温のための渋滞が起きるのではと心配しましたが、カメラの方を向いてぞろぞろ通過するだけで、列を成す生徒たちの検温をこなし、渋滞は起こりませんでした。20人程度を一度に検温できるというサーマルカメラの本来の威力を発揮しました。

【第3段階】6月29日(月)に、中学1年生は確認テストが実施されました。他の学年はオンライン授業を範囲とする「中間考査」が実施され、中学2年と3年は3日間、高校は7月2日までの4日間です。考査(中学1年生は確認テスト)が終わった学年は、翌日からは【第4段階】として6時間授業になります。登校②【第4段階】7月3日には全学年が通常授業になります。これに合わせて、段階的に部活動が開始されます。「感染予防対策」と「活動計画」を作成して「保護者の同意」を得た上での活動となりますが、部会ごとに開始日は異なります。こちらの様子は次回お知らせしたいと思います。

3.ちょっと嬉しくなる話

先週、文化祭実行委員長の生徒が校長室に来ました。例年通りの文化祭を今年はできないことを見越して生徒たちがオンラインで話し合い、ポジティブに思考している様子が伝わってきて、嬉しくなりました。彼らが考えたこと、やろうとしていることが実際どこまでできるのか、見守っていきたいと思います。たとえうまくできなかったとしても、このような時に何ができるかを考え、一歩前に進めようとしていることが素晴らしい!! 応援したいと思います。自分たちが主人公となって企画し運営する「いつもとちがう文化祭」はどうなるのか、楽しみです。

また、確認テストが終わった中学1年生に向けて、部活動についての説明会が始まりました。 部会ごとに日を変えて進められています。来週からは校内での活動風景が徐々に見えてくるだろうと期待しています。安全に、皆が安心して部活動ができるよう、学校全体で方針を決めて準備しているところです。成城生の皆さんも、慌てずに慎重に行動してください。


もう7月になりました。従来、生徒の様子をお伝えするために定期的に発行していた「校長室だより」ですが、休校により生徒が学校にいなくなり、コロナの対応をお知らせするために変則的になってしまいました。今号から定期配信に戻せるといいなと思っています。その一方、最近東京の感染者が増えているので、正直この先どうなるのか不安は残ります。これからも状況を見ながら専門家のお力も借りて慎重に判断していこうと思っています。

7月1日

校長 栗原卯田子

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受賞した小泉くん

一般社団法人アフリカ協会がおこなう「第3回 高校生エッセイコンテスト」において、高2の小泉信一郎くんが行った研究「南アフリカ共和国同一タウンシップの保育園の課題と考察~西ケープ州カプリコーン内のタウンシップを事例に~」が佳作を受賞しました。

表彰式は2月15日(土)、六本木の国際文化会館にて行われました。

この研究は、理科で行った探究活動の成果物として、作成されました。高1の夏に「トビタテJAPAN」の援助を得て、小泉君自身が南アフリカで行ったボランティア活動を通して得られた情報をもとに作成されたものです。南アフリカの情勢と教育の課題を小泉くんらしい視点で鋭くまとめてくれました。これからの彼の活動にも期待しています。

以下にその概要を記します。

南アフリカ共和国同一タウンシップの保育園の課題と考察
~西ケープ州カプリコーン内のタウンシップを事例に
 研究目的  これまで行われてきたアフリカの幼児教育研究のほとんどが州や市などの大きなユニットで行われるものであった。今回の研究では、同じタウンシップという小さなユニットに焦点を当て、近隣の保育園同士の共通点や違いを明らかにすることを目的に研究を行った。
※タウンシップ…南アフリカの旧アパルトヘイト政策の一環として、都市近郊に設けられた黒人専用居住区。
 研究方法  南アフリカ西ケープ州内のカプリコーンというタウンシップの中に位置する3つの保育園で、先生や職員の方々にインタビューを行い、保育体制や園の経営、今後の展望などについて伺い、その結果をまとめ、考察した。
 研究結果  園児の親には行政から支援があったが、3園ともに、行政からの直接の支援を受けていないことがわかった。さらに慢性的な人材不足であった。クラウドファンディングを行なっている園があり、他の保育園に比べ、設備が豊かであったが、本や積み木は余っていた。
 まとめ
・結論
 クラウドファウンディングを行っている園は、PRを積極的に行っており、今後も断続的に支援を受けられると考える。しかし、使われていない本があるなど、寄付される物資に偏りがあった。3つの園が連携を強めることで解決できる課題もあると考えた。
 展望  カプリコーンでは、3園の連携と人材不足の解消が今後の問題解決のポイントであると考えた。今後は、ボランティアの経験を生かして、現地の状況を伝え、保育園の現状を知ってもらったり、興味を持つ人や支援の輪を広げたりしていきたいと思う。

 

例年だと今頃は、プール開きが済み、水泳の授業が始まっています。プールでは授業のほかに、水泳部の活動や臨海学校の補助員の指導、ウォーターボーイズの準備など様々な活動が始められる時期です。

新型コロナウィルス感染防止のための緊急事態宣言はようやく5月25日に解除がされ、本校でも学校再開に向けた段階的準備が始まりました。本校教職員の取り組みと登校した生徒の様子をお伝えします。

1.分散登校にむけての準備会議

本校では、正規の時間割を基準にしたオンライン授業用時間割を作成し、計画的にオンライン授業を進めています。その上で、5月末までとされていた緊急事態宣言がもし5月23日までに解除されれば6月1日から、それ以降の場合は6月8日から学年別分散登校を開始することにしていました。分散登校は曜日別、学年別で週1回のみ実施し、当面はオンライン授業も続けます。比較的電車が空いている土曜日を中学1年生の登校日として、実際は6月6日から開始しました。登校日にはオンライン授業はできませんので、登校日を入れて「オンライン授業時間割」も変更しました。

5月25日に宣言の解除がされましたので、予定していた準備が開始されました。管財、用務、養護教諭を中心とした「衛生確保」チームでは、検温、消毒液、石鹸、マスクなどの調達をし、「教室配置」チーム、体育科が加わった「導線」チーム、学年主任を中心とする「生徒の過ごし方」チームの4つに分かれ、校長も教頭もチームに加わりました。副教頭がリーダーシップをとって、オンラインで準備会議をしました。写真はその時の様子です。

準備会議③準備会議②準備会議①

2.登校デモンストレーション

5月30日には教職員が集まり登校を想定したデモンストレーションを行いました。

demonstration②demonstration③demonstration①

3.登校ムービーの配信

多人数の検温が可能なサーモグラフィー・カメラは6月4日に到着し設置されました。このような慣れない「導線」を生徒たちに事前に伝えるために、中学の技術科教諭が、牛込柳町駅の改札口からの「登校ムービー」を作成し、これを中学1年生の登校前日6月5日に全生徒、保護者に配信しました。

ムービー①ムービー②ムービー③

中学1年生にとっては駅からの動画によってはじめての登校イメージが作れたのではないでしょうか。

4.分散登校初日

このような準備の流れを経て、6月6日に中学1年生から分散登校が始まりました。

中1登校⑤中1登校③中1登校①

中1登校②30分の時間差でクラスごとに登校し、体育館や、カフェテリアに分かれてホームルームを実施しました。自己紹介や提出物回収などであっという間に時間が過ぎたことでしょう。生徒が帰った後は、学年の先生方がアルコール消毒をして次のクラスに引き渡しました。

中1登校④

中学1年生は成城生として初めての登校日。緊張したことと思いますが、全員元気に登校しました。ではまた来週!! 待っています。

5.オンライン学校説明会

先生方が授業の動画を作成している一方で、オンライン合同説明会に本校として初めて参加しました。学校説明会用のスライドや動画を基に編集して、スライドの説明を録音して作成しました。雑音が入ってしまったりして制作には想像以上に時間がかかりましたが入試広報室長とやり取りしながら何とか完成させました。

新型コロナの感染が収束したら、受験生の皆さんには是非、足を運んで実際の本校の雰囲気を肌で感じてほしいと思っています。今はしっかりと勉強に頑張って実力をつける時ですね。受験生の皆さんが安心して受験できるよう広報活動も工夫していきます。

6.未来の教室のこと

ご家庭のご理解とご協力を頂きながら、苦労をして全教員が時間割に沿ったオンライン授業を始めて4週間ほど経ちました。都の外出自粛要請は段階的に解除されていますが、感染第2波、第3波への備えはしていかないといけません。ですから、これからは、オンライン授業と通常の授業との両立が求められていくと思います。さらに、オンライン授業の価値は、感染防止にとどまらないとも思うようになりました。今、実践している先生方から、オンライン授業の良さも困難も伝わってきます。これから徐々に通常授業に戻っていくと思いますが、「オンライン授業の良さ」を通常の授業で生かしていくことができれば、生徒にとって授業がよりよいものになっていくと感じます。それを実現するためには、ICT教育の環境整備が求められます。図らずも今回のコロナ禍は『未来の教室』の姿を少しだけ間近なものにしてくれたように思います。

7.ちょっとした思い出

新型コロナ感染症の流行が始まって以来、私たちの生活は外出時には必ずマスクを着用する生活に変りました。通勤時には予備のマスクも持参しているのですがある日の朝、電車に乗った途端に「あっ、マスクがない!」と、慌ててタオルハンカチを取り出して口に当てて乗っていました。電車の中でしばらくして、マスクをしたアジア系の若い女性が私に「ダイジョウブ、ダイジョウブ」と言いながらマスクの袋を差し出しました。意味がよくわからなかったままとっさに「Thank you!」と言うと、にっこり笑顔で1枚のマスクをくれました。マスクの不足、転売、盗難などが話題となっていた緊急事態宣言初期の出来事で、驚きと温かさを感じました。その後同じ電車に乗ってもその方には一度もお会いできていません。政府から配布されたマスクの不平などを聞くたびに、私はこの1枚のマスクがとても有難く嬉しかったことを思い出します。


4月に全教員、全生徒にアカウントを付与したところから準備が始まり、わずか1か月程度の後に全授業が「オンライン授業」となった成城学校。今は、「オンライン授業」を併用する形で、皆が安心して通える分散登校の体制ができました。「チーム成城」のパワーは凄い!!これが今実感していることです。これからも、みんなで乗り切っていきましょう。

令和2年6月7日

校長 栗原卯田子

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