10月9日の全校のアウティング、小学5年生から中学2年生まではLyme Regisに化石採集へ行きました。
学校から南に下り、海沿いにバスに揺られて約3時間。
ジュラシックコースト世界遺産の一部である、Lyme Regis。
海辺に位置しているこの町は、水平線がどこまでも広がり、とても落ち着いたきれいな町でした。海鳥の声が響き渡り、小さなアートギャラリーやかわいいお店が並ぶハイストリート。芸術家やジェイン・オースティンも絶賛した風景がある町です。

バスを降りると、昼食のため班行動。
あるお店ではスコーン65ペンス。
「安いし、美味しい!」
という生徒達の声。

昼食後、ガイドさんに連れられ、化石採集に出発しました。有名な堤防のCobbを通りすぎ、辿り着いたのは崖が10メートル程離れたところにある浜辺。
足元を見ると、石ころだらけと思いきや、よく見るとアンモナイトが石の表面に浮かび上がっていました。アンモナイトの殻の部分には気泡が入っていたそうです。その気泡を利用して海の中を上下運動していたと説明がありました。
また、別の石をガイドさんが割ると、中から化石が出てきて思わず感嘆。
ガイドさんによると、今回のような「良い天気」は化石採集に最悪な条件だそうです。
なぜなら、天気がいいと皆景色に見とれ、下を見なくなる、そうすると、化石は見損なうからだといいます。
注意事項をガイドさんが伝え終わった後は、それぞれが化石採集開始。

「Mr. Chris! How about this one?」
必死でガイドのクリスさんを呼び、自分の探した石の中に化石が入っているか確認しようとしている生徒もいました。
「This fossil is sea lily.」
どうしても形のよいアンモナイトを欲しいと思っている生徒は、ウミユリの化石と聞いて、少しがっかりしたようでした。

化石採集者であり、古生物学者であるメアリー・アニングや、恐竜のプレシオサウルスの化石についても説明があり、化石尽くしの日になりました。

地層は海側へ左から右に向かって年代が古くなっていくそうです。そのため、どんどん海から離れるにつれて、古い年代の地層にめぐり会えます。
そこにはアンモナイトの墓といわれるように、ぎっしりアンモナイトが床石に表れている場所があったり、ウミユリの化石がぽつぽつと表れている場所があったりしました。

ある生徒は、飛び跳ねながら化石採集に熱中。その姿に道を歩く英人の人も思わずにっこり。
「取れますか?」
と聞かれることもしばしば。

「先生、重いです。。。」
と、大きな石に埋まっている化石をそのまま運ぼうとする生徒もいました。残念ながら体の半分くらいある大きさの石は持ち運びできませんでしたが。

化石採集後はそれぞれが班行動。
博物館に行ったり、お土産を買ったり。
帰りのバスの中は皆ぐっすりお休みタイム。

化石採集で出会ったガイドさん、そして自然の雄大さなど、普段の学校生活では味わえないものを味わうことができました。

「化石発掘研究会があったらいいね。」
「また来てみたい。」
「夏に来たら海に入れるかな。」
「今度はガイドさんの話を全部聞き取れるようになりたい。」

一人一人にとって、何かを発見できたアウティングになったようです。

10月9日、今日は高3にとっての最後のアウティングでした。待ちに待ったこの日、雲行きはややあやしかったものの、何とか雨は降らずに最後まで楽しむことができました。
「自由時間はどこに行く?」
「お土産は何を買おう?」
ロンドンへ向かうバスの中では、はしゃいだ声が聞こえてきます。ロンドンへのアウティングは、高1から数えると今回で6回目。班別の自由行動の計画から、昼食やお土産などお小遣いの使い道まで、計画を立てるのも慣れたものです。
ロンドンに着くと、まずは国会議事堂の見学から始まりました。英国人のガイドに従って、上院を見学しました。英語の説明を真剣に聞き、また、それに英語で積極的に質問する様子は、さすが高3といった趣でした。
国会議事堂ツアーが終わると、昼食のための班別行動です。教員から地下鉄の一日乗車券を受け取った生徒は、みんな思い思いの場所に出かけていきます。14時半に再び集合するまでには少し時間があったので、ここでハロッズなどに行き、買い物を楽しんだ生徒もいたようです。
次の集合はロンドンアイ前。2つの班に分かれて、世界最大の観覧車であるロンドンアイに乗り込みました。高いところが苦手な生徒もいましたが、ロンドン市内はもちろん、天気が良ければヒースロー空港まで見えるというこの場所から、ロンドンの街を一望しました。
ロンドンアイを降りると、再び班別行動。「コベントガーデンに行ってきます!」「うちは美術館に行きます!」などといいながら、再び地下鉄に乗り込んでいきました。ここから夕食をとるまでは自由行動ですが、女子生徒は全員で夕食を食べるなどして満喫したようです。
最後はお待ちかね、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の鑑賞です。実はこのアウティングの前日、あるミュージカル好きの男子生徒によって、作品の解説やグッズ紹介が行われたので、みんなの予習はばっちり。多少英語が聞き取りにくいところはありましたが、すんなりと作品に入り込むことができました。終わった瞬間には、感動の涙を流す生徒の姿も見られました。
興奮冷めやらぬままバスに乗り込み、ロンドンを後にしました。疲れて眠るかと思いきや、みんながそれぞれの思いを語って眠るどころではありません。一日をめいっぱい楽しむことが出来たこの日、また大切な思い出がひとつ増えました。

高等部1年生の今学期アウティングはケンブリッジ大学。イギリスが誇る学都の雰囲気にどっぷりと浸かってアカデミックな一日を過ごしました。この日の映像はこちらでご覧になれます。

rikkyo school in england漢字コンクールに続き、立教にはもう一つコンクールがあります。それは因数分解コンクールです。年に一度、中学3年生から高校3年生までを対象に行われています。問題数は100問。25問ずつを一区切りに№1から№4までがあり、次第にレベルが上がっていきます。例えば№1は二乗の公式、№2はたすきがけを主としたもの。また№3からは文字のたすきがけや複二次式、№4は3乗の公式や特殊公式を使って解くものなどの応用問題です。中学生は№2まででも悲鳴を上げてしまいます。また、№4を解き切ることは高校2年生や3年生の理系の生徒でも至難の業です。

二学期が始まり、徐々に学校生活に慣れ始めた頃、立教生は少しずつ因数分解を勉強し始めます。数学の先生を捕まえて、授業の質問かと思えば、実は因数分解の話であったり、過去問の冊子を個別にもらったりという光景がちらほら見えはじめます。また漢字コンクールではあまり点数をとれなかった生徒も、「数学なら!」と理系根性を見せる者もいます。コンクール1週間前には食事の席でも「勝負しない?」と挑戦を投げかける生徒も。各々に、速報に載ることや、「50点以上はとる」「文系には負けない」などの目標を設定していました。

そしていざ本番。高得点への道は、№2までをいかに点数を落とさずに取ることができるかがまず第一歩ですが、そこには数学科のしかけた罠がちりばめられ、思わぬミスをしてしまったりとなかなかの苦戦。1時間の間、生徒も教員もフルに頭を回転させ、ひたすら因数分解を解きまくりました。

今回の最高得点は高校2年生の2名の94点、教員の最高点は日本史の先生の98点でした。このコンクールにより立教生は、今年も奥深い数字の世界を楽しみました。

rikkyo school in england

ついこの間2学期が始まったかと思えばもうアウティング。
「明日がもうアウティングなんて実感ないよね〜。」
「でも、すごく楽しみにしてたんだ!」

10月9日、全校でアウティングに出かけました。高校1年生はケンブリッジの町に。
もちろんあの「ケンブリッジ大学」がある学都。4月からの新入生が多いので、ほとんどの生徒達が初訪問でした。世界的に著名な研究者達を世に送り出してきた町、ケンブリッジに到着したのは11時過ぎ。先ずは班ごとに分かれて昼食をとりました。観光客も沢山いましたが学生らしき人達が行き交うこの町はやはりどこか刺激的。その核心に迫るべく、昼食後は10数名ずつの3グループに分かれてイギリス人ガイドの方に町を案内してもらいました。

旅行ガイドを片手に歩き回るよりずっと効率的に要所要所を案内してくれます。はっきりと分かりやすい英語で話してくれたのでフンフンと頷きながら聞いているうちに1時間半のツアーはあっという間に終わってしまいました。
ワトソンとクリックがDNAの螺旋構造を発表したパブで少女の幽霊が出る話、トリニティカレッジの入口の門から見下ろすヘンリー8世像がなぜか椅子の脚を手に握っているという話、等々、ガイドブックには載っていない逸話をガイドさんから聞けたのはちょっと得をした気分でした。

ツアーが終わると今度はケム川にかかる橋のたもとに移動、ケンブリッジ名物のボートに乗りました。底の平たいボートを長い長いポールで川底を突きながら優雅に走らせるこのパンティング、少し傾き始めた午後の優しい光をボートの上で浴びているとなぜかとっても穏やかな気分になりました。川沿いにはカレッジの建物がゆったりと並び、ボートを操るお兄さんが時々説明をしてくれます。ケンブリッジの学生でもあるのでその話はなかなかリアル。ウィットに富んだ話し方がとってもクールでした。途中ボートの操縦を体験させてくれるサービスもあって生徒達は大喜び。でも優雅に見えた操作も実はなかなか大変でした。真っ直ぐに進まないのはもちろん、中には長い長いその棒を川底に突き刺したまま手を離してしまった女子生徒も… お兄さんは苦笑いしていましたが、一同次のボートが来て棒をとってくれるまでケム川の上で待ちぼうけでした。 まぁ、それも今から思えば?なかなか貴重な体験だったかも知れません。

その後は各班に分かれてしばしショッピングを満喫、そしてもう一つのオプション、キングスカレッジの晩祷に参加した生徒達もいました。世界的に有名な少年聖歌隊の歌声に軽く酔いしれた後は再び各班に分かれて夕食をとりました。7時50分の集合時間までケンブリッジでの残り時間をそれぞれ楽しんでいたようです。
丸一日しっかり楽しめたアウティング。明日からはまた授業、そしてオープンデイの準備と忙しい毎日が始まります。帰りのバスに揺られながら今日一日の記憶を辿っているうちにいつの間にか夢見心地になってしまったのは言うまでもありません。

rikkyo school in england「来週の日曜日、ファーリントンスクールのお茶会に行きたい人は?」先生はそう私たちに聞いた。絶対に行きたい。私は他校の外国人の生徒と交流できる機会があると聞いた瞬間から強くそう思っていた。今の自分の英語の力を試したい。自分の性格や日常の態度をどう変えれば文化が違う人達と話せるのか学んで自分を磨きたい。又、自分の限界を知ってステップアップしたい。そういう目標を持ってこのお茶会に臨んだ。

けれどもやはり当日となると、そんな強い意思は泡のように消えていた。情けない小学生の頃の小さな目立たない内気な女の子に完全に変わっていた。関わるのも面倒くさい、ただのアジア人だと思われたらどうしよう… 自分が、時には泣きながら徹夜までして頑張っていた英語が通じなかったらどうしよう。自分が傷ついたらどうしよう。話す話題がなくなったらどうしよう。そんな不安で胸が一杯だった。そのせいか、私は学校に着いてから1時間は英語をほぼ使わずに日本人の中に守られて身を隠して存在を薄くしていた。

そんな時に、うちの学校の生徒会長が必死に相手の学校の生徒に声をかけようとしている姿を発見した。先輩のカッコいい姿に勇気付けられて、内気な女の子を捨ててパワーのある強い女になって、次に目が合って笑ってくれる人に話しかけようと決心した。そして見事にクリステルという女の子と良い感じに話を始められた。

長年勉強してきた大好きな英語で自分のことを話したり、高校生らしい話題で盛り上がったり、2時間以上彼女と彼女の友達と途切れることなく話せた。又、大声で皆で笑うことも多かった。気付けば、自分は普通に、考えずに英語を使っていた。楽しくて仕方がなかった。

だが残念ながら楽しい時間は永遠と続くものではなくて、立教に帰る時がやって来てしまった。正直、帰りたくないという気持ちはめちゃくちゃあったけれども、仲良くなれた子達からメールアドレスをもらい、また遊ぼうねと言われ、オープンデイに会う約束をした。嬉しくてたまらなかった。

この日、私は自分の英語にもっと自信を持てるようになり、今まで頑張ってきて本当によかったと思えた。そして、次また彼女達に会う時には、更なるレベルへと一歩進みたいと私は今強く思っている。

(高等部1年生 女子)

rikkyo school in england9月28日土曜日、ロンドン日本人学校で開催された文化祭に、本校から卒業生や在校生の兄弟姉妹など15名の生徒が訪れた。生徒たちが到着したのは、昼の12時過ぎで、午後の部からの見学となった。
午後の部では、小学部と中学部の劇と和太鼓というプログラムだったため、それらの鑑賞と各クラスの展示企画を見て回った。
本校でロンドン日本人学校の文化祭といえば、「劇」が有名である。小学部の各クラスや中学部全体のものなど劇のプログラムが充実していて、今年度から本校に演劇部が誕生したのも、その影響が大きい気がする。ロンドン日本人学校の出身者たちが中心となって、「ロン日」で学んだノウハウを生かし、演劇指導を行い、演劇部の活動を盛り上げている。
今年のロンドン日本人学校の劇もまたすばらしいものになっていた。演劇部の生徒も刺激を受けたのではないだろうか。次の演劇部の公演が楽しみである。

rikkyo school in england自分の作品のところを見たら、”First Prize”と書かれた紙があった。え。まさか自分が?と一瞬疑いつつも、もう一度その紙を見た。素直に嬉しかった。

私は高一の初め、立教にフラワーアレンジメント部があるのを知って、友達と二人で入部した。フラワーアレンジメントなど、初めてで何も知らないし、特に深い意味があった訳でもなく、ただ”楽しそう”という理由だけで入部した。これがフラワーアレンジメントを始めたキッカケだ。

それからもう一年以上が過ぎた。少しずつさまざまなタイプを苦労しながらも挑戦してきた。そんな時、今回のショーについて、出てみないかとアレンジメントのインストラクターである先生から言われ、高二の四人で出ることにした。しかしそう決めたまではよかったのだが、ショーで出す作品は一からデザインを考えなくてはならない。いつもは先生が色や花を決めていたのではじめての試みだったのである。私は考えた結果、”仮面舞踏会”をイメージしたものを作ることにした。私は小さい頃からバレエをやっていて、赤の衣装に扇子や仮面を身につけた踊りを以前にやったことがあり印象に残っていたからである。

当日。前日に前もって作った作品を展示しに行き、その後審査を経て結果を聞きに再度会場に行った。そのとき、”First Prize”であることを知った。友達二人もSecond とThird という嬉しい結果だった。

何か物を作って、賞を得たのが初めてだった私にとって、結果を知ったときの喜びや達成感が、スポーツの試合で勝った時のものとは違ったどこか新鮮な気分だった。

フラワーアレンジメント。多分立教に来ていなかったら、やっていなかっただろう。慌しい立教生活の中で、花を活ける時間はいつもと違うひとときを与えてくれる。私はこれからも続けていきたい。

(高等部2年生 女子)

rikkyo school in england

新学期が明け、気がつくとあっという間に数週間が過ぎていました。
この日は地元の女子校、Farlington Schoolを訪問する日。「お茶」に招待されていたので、全校から希望者を募り、昼食後から20名の生徒が外出しました。
このFarlington Schoolの生徒達は、1学期に本校で行われた「Japanese Evening」に来てくれたのですが、その時の数々の日本文化体験のお礼に、ということで今度は本校の生徒達がイギリス流「お茶会」、クリームティーに招待されたという訳です。

この学校は本校から15分ほどのところにある私立校で、広い敷地には古い建物から現代風の建物までが散在する本校によく似た環境にあります。通いの生徒もいるそうですが、半分くらいは寮で生活をしています。その中でも学期を通して寮にいるフルボーダーの生徒達が立教生を迎えてくれました。アジアやヨーロッパ各国からの留学生も多く、この日にアテンドしてくれたのは半分くらいが中国から来ている生徒達でした。同じフルボーダーということもあり、とても共感が持てて話しやすかったという生徒もいました。母国語ではない英語をほとんどネイティブスピーカーのように話す事ができる彼女達は、立教生にはとても刺激的で、年齢が近い事もあって共通の話題も見つかりやすかったようです。

到着後は野外でランダース(野球に似た女子スポーツ)を行う予定でしたが、雲行きが怪しかったこともあり室内でゲームをすることになりました。”Human Knot” 、”Birthday Line”、 “Splash”、 “Back to Back” 、”Hula-hoop Relay” …etc. 次から次へとゲームの説明をしてくれました。中にはEC(英会話の授業)でやったことのあるゲームも出て来たりして、存分に楽しめたようです。
「女の子ばかりでしたからね。ゲームもしていたけど、ガールズトークで盛り上がっていたみたいですよ。」
とは高校男子生徒のコメント。他にも今回は中学男子生徒2名も参加していましたが、現地の女子校訪問は彼らにとってもまた貴重な体験だったようです。

ここ数年短期留学制度の提携校が増え現地校の生徒と交流する機会が増えていますが、今回はその短期留学経験者も多数参加しました。彼女達が牽引役となって、普段は「恥ずかしがりや」の生徒達も積極的に英語で会話を楽しむ事が出来たようです。

ゲームの後は食堂でクリームティー。モダンなダイニングに並べられたスコーンやサンドイッチをほおばりながら再び会話に花を咲かせました。そして最後は学校案内。広いキャンパスと建物を案内してくれました。
自分たちの学校と似ているところが沢山あったせいか、寮生活という同じ境遇を通してか、とにかく親近感が持てて別れ間際までいろいろなお話ができたようです。メールアドレスの交換もし、11月に本校で開かれるオープンデイ(学校祭)で再び会う約束をしたあと、別れを惜しみながら帰路につきました。

私の今年の夏は実に充実したものだった。毎年同じ事を言っているが今年の夏は特別だ、と言える。

去年の入学してすぐの夏と比べ、周りには一年を共に過ごした友人がたくさんでき、ショッピングや海、テーマパークに行くなどして楽しんだ。どれをとっても楽しい思い出ばかりだが、やはりこの夏一番の思い出は私を大きく成長させてくれた語学学校だ。そこでのたくさんの貴重な体験が忘れられない。

今まで休みの度に行こうと思いつつも踏ん切りがつかず、今回やっとの思いで決心をし、行った先はイギリスの南、海辺の大きな町ボーンマスだった。英語をとにかくものにしたくてイギリスの中心部から離れた地を選んだわけだが、いざ行くと日本人はおろかアジア人の姿すらなかった。

イギリスに来て二年目でおかしな話だが、自分と同じ言語を話す人がいない外国人だらけの状況に一人放り込まれたのは初めてだった。周りから見れば私が外国人なのだが。聞こえてくるのは自分の知らない言語ばかり。私は周りが何を話しているのかさっぱりわからなかった。そこで気づいたのは、ホームスティ先など英人の家や、英語を話す人の前で日本語で会話することがどんなに相手を困らせ、また不安にさせるか、ということ。

学校での初めの一週間は、ルームシェアをしていたドイツ人の女の子しか友達とよべる友達はいなかった。学校は思っていたよりもはるかに辛いものとなった。しかし二週間にもなると、なんとか拙い英語で周りの輪に入れるようになり、気づいたときにはたくさんの友人ができ、また英語を話すことが苦ではなく「楽しい」と感じていたのだ。

ドイツ、フランス、スペイン、ロシア……様々な国から集まった彼らと話していて思った事は、皆、自分の国の事をうんざりする程主張し、自慢気に語るのだ。しかし私はその場にいながら対抗して日本の事を語れる程日本を知らなかった。その時私は恥ずかしいと感じた。母国を考えると出てくるのはネガティブな事ばかり。本当にこんな私がこんな所に居て良いのか、と感じた。

私の語学学校も終盤にさしかかった時、授業でそれぞれの国ごとに自分の国についてのプレゼンをする事となった。皆、国ごとに集まって話し合っている中、もちろん私は一人で考えなければいけなかった。帰国を翌日に控えた学校最後の日、クラスでプレゼンが行われた。皆、自国の伝統や観光名所地など発表することは様々だった。私は一番最後に発表、もちろん一人なわけだが不思議と緊張しなかった事は覚えている。

日本は本当に便利で先進国とも呼ばれる国ではあるが、たくさんの問題も持ち合わせている国であり、現に原発問題などで注目を集めている。しかし私は日本人として生まれてきて本当に良かった、と誇りに思う。確かに問題を挙げればきりがないが、あんなに美しく、人情に溢れた国はないだろう。

あまり大した事は言えないが、本当にいろんな事に気づかされた四週間だった。他国の子とふれあう事で新たな事を知り、また自分の国を知れた気がする。四週間はあっという間に過ぎさったが、この夏学んだ語学以上のたくさんの事、またそこでの出会いに感謝したい。

(高等部2年生 女子)

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