ふっと足下を見ると花があったり、ぱっと空を見上げると虹があったりすることがある。
いつも何気なく見ている景色から少し目をそらすと思いがけない発見があったりしておもしろい。また、そんな発見をすると少し幸せな気持になる人もいると思う。

 

今回のアウティングで体験したパンティングはまさにその小さな幸せを与えてくれるものだった。
橋から見ているとほんの数メートル下にある川をパントで進んでいっているだけで、最初は乗る気なんて全くなかった。だが、そんなに買いたい物もなく、天気も良かったため他のグループの人を誘って暇潰しで乗ってみた。

 

パントに足を踏み入れて座った瞬間に、さっきまで見ていた景色ががらっと変わってビックリした。今まで足をついていた場所が目線の高さに変わり、少し前は見下ろしていた川がすぐ横に広がっていて、それだけで何だかワクワクしてしまった。

 

そんな気持の私を乗せて進み出したパントがさらに私をワクワクさせたのは橋を通る瞬間だ。橋を抜ける度に新しい世界が待っているような気がして楽しかった。また、途中で出会う人々との触れ合いも印象深い。ただ街中を歩いていても、一言も言葉を交わすことなくすれ違っていくであろう人たちが、パンティングをしている最中は手を振ってくれたり、微笑みかけてくれたり、挨拶までしてくれたりしてくれて、とても嬉しかった。

 

最初はパンティングなんて何がおもしろいのかと思っていた私だが、乗り終えた頃にはすっかりパンティングに魅了されていた。機会があれば、是非もう一度乗ってみたい。
(高等部1年生 女子)
昨年春に始まった、社会のフィールドワーク。
1学期に1回、中2以下を対象に行われます。
まだまだ英語力の伸びる過程にある学年ですが、
様々な題材をもとに、2時間程度の時間をつかってたくさんのものを見て体験しようという取り組み。
今までに地図づくり、農業博物館、貴族のおやしき見学などを行ってきました。
2学期の今回、P5・M1は立教から30分くらい離れたところにあるおやしきを訪れました。
POLESDEN LACEY(ポールスデン・レイシー)という名前の、貴族のおやしきと敷地です。
現在はナショナル・トラストという団体が管理し、保護しています。

 

ポールスデン・レイシーは17世紀ごろに建てられ、所有主がかわるたびに建てかえたり、建て増したり、など改造を繰り返し、
20世紀初頭にグレヴィル夫妻という方たちが新たな住人となったとき、現在のおやしきになりました。
外観はやわらかな白と黄色を基調としたアール・デコ調、室内は磨きこまれた木材と重厚な絨毯、豪華な調度品にいろどられています。
おやしきの前に臨めるなだらかな丘、白く点々とみえる羊たちの風景も、じつはおやしきの敷地の一部。
広大な敷地の中には丘や森を縫って散歩道がととのえられており、
美しい庭園は夏にはすばらしいバラ園となります。

 

このお城はいまのイギリス女王エリザベス2世とちょっと関わりがあります。
エリザベス女王のご両親(ジョージ6世とエリザベス妃)がハネムーンを過ごしたおやしきなのです。
あるじのグレヴィル夫妻は王族と親しく、英国王が訪ねるおやしきであったことも有名です。

 

今回の訪問のテーマは、『おやしきを見よう』です。
天井の高い玄関ホール、豪華できらきらした室内、落ちついた書斎などを見て、生徒たちは大喜び。
彼らは何を発見したのでしょう?
 ◆ディナーホールでは、あたたかい料理をキッチンからすぐ運びこめるよう隠し扉がありました。
 ◆グレヴィル夫人専用のエレベーターを発見。
  2階の寝室と1階の書斎をつないでいました。
 ◆紳士だけが入り、楽しむことができるビリヤードルーム。
  ウィスキーのグラスがかっこよく置かれており、タバコの白いけむりが目に浮かぶようです。
  もちろん女生徒もはいって、ビリヤードを教えてもらいました。
 ◆2階で流れた、古い音楽。
  21世紀生まれの彼らにはあまりなじみのない、年代物の蓄音機でした。
  必死に動画を撮る生徒たち。
  「どうやって音が出るの?」 -レコード盤に針を落とすことが珍しい様子です。
 ◆「What is that?」ボランティアのガイドさんに尋ねると、「It’s a tapestry.」
  各部屋で簡単ですが様々な英語問答も用意され、学んだ英語をつかって知ることもできました。

 

学校に帰ってくると、1つ気に入った部屋を選んで紹介しました。
「すごいおやしきだった!」
立教のまわりにはまだまだおやしきやお城がたくさんあります。
社会の先生たちは見せたくてウズウズしていますよ。

 

まず始めに訪れた場所は国会議事堂(The House of Parliament)。
ガイドの方に着いていきながら、幸いにも上院、下院ともに見学する事ができ、純金で装飾されたきらびやかな上院の議場と質素なつくりの下院の議場を見比べる事ができました。
建物の中は単に会議場があるだけではなく、王室や政治家の大きな絵画が飾ってあったり、
英国の長い歴史の伝統が今も受け継がれていたりと、説明を受けると興味深い点がたくさんあり、
特に世界史を勉強している生徒にとってはよく聞く名前が随所に現れ、説明により耳を傾けていました。
「ここは、パーシヴァル首相が暗殺された場所さ!」
「この上院のソファの赤の色はね・・・」
「今年はダイアモンド・ジュビリーがあったけど、イギリスで一番長い王は誰?」
「下院のこの空間は投票の時に賛成の人々が集まるところでね・・・」
イギリスの王室と議会の歴史や関係について、また現在の普段の様子なども詳しく説明を受け、
最後は生徒たちからの質問に答えていただき、とても貴重な見学ができました。

 

国会議事堂を後にし、向かったのはテムズ川沿いにあるロンドンアイ。
ロンドン市街を一望できるこの大観覧車はひとつのカプセルにみんなで(最大20人)乗れるようになっていて、
出掛ける前からとても楽しみにしていたものの一つです。
お昼ごろの明るい時間帯で、空が晴れ日が差し、頂上からの眺めは絶景、生徒たちはみなその景色を目に焼き付けていました。

 

昼食をとったあとは大英博物館へ向かいます。
ここでは日本史を勉強している生徒を中心に、日本絵画の修復、保存作業をしているこの博物館に附属の部署を見学しました。ここで働いている日本人の方に修復、保存の目的やその方法などの説明を受けながら、他でもあまりみられない作業場での様子を知ることができました。修復の種類や作業の地道さ、なかには何年もかかるものがあるなど、みな始めての体験に感動したようすでした。

 

朝早く出発したはずがいつの間にか辺りも暗くなり、夕食をとった後、残るはミュージカル「オペラ座の怪人」。
高校三年生は毎年これを鑑賞する事が恒例となっており、去年から楽しみにしている生徒もいます。
オペラ座で次々におこる怪事件、主人公のヒロインへの想い、そして切ない結末、それらが演技や言葉、歌で
表現されていく、もう何年も公演が続いている名作です。
物語中の出来事や心情をひきたて演出していく音楽、心を表現する歌にすっかり魅了されていたようすでした。

 

高校三年生にとってはこれが立教英国学院での最後のアウティングでした。
生徒たちはみな精一杯楽しいときを過ごしていました。

 

 

2000年に卒業して以来、2度目 7年ぶりに訪問致しました。

 

1泊して食事も頂き、また生徒さん達と触れ合う機会を頂きありがとうございました。
何年経っても変わらない立教の良さを感じることが出来ました。
また是非機会を見つけて伺いたいです。

 

生徒の皆さん、勉強に遊びにと、素敵な立教生活を enjoy して下さい!!

 

高校2年生は例年通り、オックスフォードに出かけました。

 

この日のメインは、クライスト・チャーチ・カレッジなどの見学を含むガイドツアーです。
実際に大学や街の中をガイドの方と一緒に歩きながら、解説を聞くことができました。
クライスト・チャーチ・カレッジは多くの著名人を輩出した大学としても有名です。
中に入ると、その大きさにびっくり!
オックスフォードにある「カレッジ」と呼ばれる大学はどこも寮制ですが、そのキャンパス内はとても趣きのある雰囲気です。
教員陣は思わず、「こんなところで大学生活をもう一回過ごしたいなぁー」と想像してしまいました。
建物内の見学が進むと、ハリーポッターの映画のロケ地となったホールやダイニングルームを見学することが出来ました。
「うわー見覚えある!」
と、どのシーンで使われていたなどと話す声や、
「立教のダイニングもこんなふうにしてほしい!」
なんて声も聞こえました。
ダイニングルームでは、ルイス・キャロルの肖像画や、不思議の国のアリスの絵もみることができ、
わくわくする時間となりました。
英語でのガイドはすこし難解なところもありましたが、生徒たちは1時間半、一生懸命に耳を傾けていました。

 

その後、自由時間となりました。
女子グループは、カフェでお茶を飲みながらおしゃべりをしたり、買い物を楽しんだり。
男子グループは、イタリアンや中華などのおいしい夕食を食べたり、おそろいの「OXFORD」パーカーを購入したりと、
それぞれに思い思いの時間を楽しんだようです。

 

2学期が始まって1ヶ月、クラブ活動や委員会活動、1ヵ月後のOPEN DAYに向けての準備など、諸活動の中心となっている高校2年生。
限られた時間のなかでさまざまな活動をこなしながら、毎日勉強にも励んでいます。
少し疲れが見えてきた頃、この日のアウティングはとてもいい休息になりました。

 

前日は冴えない曇り空。雨も降る肌寒い日でした。
「なんか明日アウティングに行くって感じしないよね。」と生徒がポツリ。
でもアウティング当日は朝から快晴。
翌日はまた一日中激しい雨が降ったりやんだりだったので、この日はまさに奇跡的なアウティング日和でした。
高校1年生45名はこの秋晴れの一日をイギリスが誇る学都、ケンブリッジで過ごしました。

 

「2年前までは世界一の大学だったんですが… 今はアメリカのMITに抜かれてしまって第2位。でも勿論イギリスでは最高の大学です。」

 

昼食をそれぞれの班に分かれてとったあと、英語によるガイドツアーが始まりました。15人ずつ3つのグループに分かれてケンブリッジの街を回ります。

 

「イギリスにはもう一つ、Oで始まってDで終わる大学があるんだけどね、僕たちはここではその名前は口にしないんだ。ただ、『あっちの大学』と呼ぶだけでね。いいかい、君たち、このツアー中にその言葉を口にしたら即出て行ってもらうからね。」
いきなりハリーポッターで聞いたようなセリフで優しく語りかけるガイドさんは、イギリス紳士らしいちょっと皮肉な笑みを浮かべて言いました。
「よく、大学はどこにあるんですかって聞かれるんだけどね、ケンブリッジ大学なんてどこにもないんだよ。」
ちょっと驚いて真剣にガイドさんの次の言葉を待つ生徒たち。
「独立したカレッジが31あってね、その緩い結びつきがケンブリッジ大学なんて呼ばれたりするだけなんだ。」
この「31」という数字と、最初のカレッジが出来た「1209」年という数字はこの後幾度となく生徒達に質問され、その度に無事に答えた生徒はお褒めの言葉をもらい、今度は自分にその質問が来るのでは?違う数字を聞かれるかも…とちょっとしたスリルと緊張感を味わいながら街の中を進んでいきます。

 

「さぁ、みんな、こっちに来てこの芝の上に立ってくれるかな。」
路地裏の小さな教会の前にある数メートル四方ほどの芝の上に15人の生徒達が並ぶのを確認してからガイドさんが続けます。
「君たちが立っているこの芝が、ケンブリッジで普通の人が歩いていい唯一の芝生なんだよ。」
またもや意外な言葉に目を丸くする生徒達。
「どのカレッジにも広い芝生が広がっているけど、その芝の上を歩いていいのは『フェロー』と呼ばれる特別な教授たちだけなんだ。ここの芝生はカレッジには属していないから大丈夫というわけさ。そして、この小さな教会、どんな教会か知っている?ケンブリッジで一番古い建物だよ。ところで君、ケンブリッジにはカレッジはいくつあったっけ?」
「……31?」
「よく出来た!君がこのグループで一番頭がいいんじゃない?さぁ、じゃぁ、次のところに行こう。ついておいで!」

 

お話はそれぞれの箇所で、長くもなく、短くもなく小気味のいい調子で進むので生徒達の集中力もうまく続きます。ちょっと疲れてきた頃に間髪入れずに、「一番古いカレッジの創立は何年だったかな?そこの君?」とふられ、「1209年!」と元気に答えれば「いいねー、よくやった。君の方が良くできるなぁ。」と励まされてついつい次の話に気持が向かいます。

 

「カレッジに入学して最初に学生達がやることは何だと思う?」
キングスカレッジの有名なゴシック様式の教会がそびえる前で立ち止まるとガイドさんが生徒達にききました。
「酒だよ!パーティーさ!みんなぐてんぐてんになるほど飲んでね。その勢いで、ほらあの高い尖塔が見えるだろ、あの教会の先っぽだよ。あそこまで自転車を持って登ってそこに自転車を置いてきた学生がいるんだ!翌朝は大騒ぎでね。その自転車を降ろすのには数日もかかったそうだよ。やっと自転車を降ろした翌日の朝、今度はその隣の尖塔のてっぺんにまた別の自転車が引っかかっていたらしいよ。この教会の尖塔は全部で4本あるからね。その後どうなったかはもうわかるよね!」

 

かなり長い英語の説明でしたが、ちゃんと話についていっている生徒達は思わず大爆笑。ケンブリッジ大学と聞くとインテリの堅苦しいイメージが浮かびますが、ガイドさんのお話のおかげで妙な親近感すら湧いてきて、今度はどんな話が飛び出すのか皆興味津々でした。

 

かれこれ1時間を超えるガイドツアー。天気がいいせいか、ガイドさんが上手なのか、はたまた生徒達が頑張っているのか、なかなかいい調子でツアーの最終地点、名門トリニティーカレッジの正門前広場に着きました。
秋の気配が町を少しずつ包み始めていましたが、この入口に並ぶ木々の葉もきれいな黄色や橙に染まり、美しい「秋」を演出してくれていました。
「この建物の正面、ほら見えるだろ、あの真ん中のところにいる偉そうな人、誰だかわかるかな?」
「ヘンリー8世!」
クラスの先生方の手作りのしおりで予習してきた女子生徒が誇らしげに答えます。
「素晴らしい!流石だね。それでは、彼が右手に持っているもの、何だかわかるかね?」
「………短剣?」
今度は少し自信なさげな声でありふれた答を返すとガイドさんがニッコリと答えます。
「いいえ」
スティック!、杖!、ペン!、しゃもじ!!
「全部不正解。彼が握っているのは……   椅子の脚さ!」
「椅子の脚!?」
思わず聞き返す生徒達。流石に1時間半も集中して英語を聞いてきたせいか、耳もそろそろ疲れてきたのかも…
「その通り、『椅子の脚』さ。学生達のイタズラなんだ。もとに戻す度に翌朝になるとまた別の椅子の足が握られていてね。結局最後はカレッジの方も諦めて、今ではご覧の通り、ヘンリー8世さんは『椅子の脚』を握りながら訪れる人たちを迎えているって訳さ。 さぁ、それじゃぁ最後はこのトリニティカレッジの中に入るよ。」

 

誘われるように扉を抜けて一歩足を踏み入れた途端、めまいがするほどの眩しい光の世界が開けて広大な空間が広がりました。フェローという人達だけが歩けるという美しい芝がどこまでも広がり、その中央には大きな気品のある噴水が静かな音をたててキラキラと輝く飛沫を飛ばしていました…

 

雨の日の狭間の奇跡的な秋晴れのアウティング。忙しそうに学生達が自転車で行き交う街。遠足の子供達がゾロゾロと移動して行く風景。観光客を魅了する路上演奏。活気あふれるマーケット。色々な情景の中を通り抜けながらユーモア溢れるガイドさんの話に耳を傾け、あれこれと想像を膨らませて歩いたケンブリッジの町。

 

夕暮れのケム川の上を底の平らなボートに乗ってゆったりと進みながらパンティングを満喫していると、そのボートを竿一本で操っていたケンブリッジの学生が生徒達に聞きました。
「どうだい、ケンブリッジは気に入ったかい?」

 

声を合わせて「Yeeeeee…s!!!」と答えた生徒達の笑顔がとっても印象的でした。

 

1学期に1度行われる、日本の英語検定協会による『英検』。
海外でも行われており、本校でも2級以下は学校を会場に受験できます。
準1級以上は協会の取り決めでロンドンへ受験に行きます。

 

今学期の英検受験は10月13日(土)と14日(日)に行われました。
中学生でも準2級に果敢に挑戦、高3ともなると準一級に挑戦する生徒が何人もいます。
本校ではケンブリッジ英検、TOEICと、合わせて3つを受験できます。
日本ではやはり知名度の高い英検、日本でも世界でも通用するTOEIC、
イギリスをはじめとする世界でも知られたケンブリッジ英検、と
それぞれ住み分けや生かし方が異なっていますが、
在校中のしっかりとした努力で、力を積み上げ、実力を形にすることができます。

 

さて今回の成果はいかに?
一次試験の結果はちょっと先になります。

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