「総合優勝の発表です。」
 ドラムロールの音がホール中に鳴り響く。手をギュッと握りしめて、結果発表の時を待つ。ワクワクする一方で、心臓がギューッと押しつぶされるような複雑な気持ち。結果を知りたいけれど、知りたくなかった。そして、告げられた私達の順位は、三位だった。正直言って私はそれを聞いたとき、とても悔しかった。ずっと二位か一位を取るだろうと思っていたからだ。

 

 この一週間、私たちは全力でオープンデイ作業に取り組んできた。オープンデイ週間に入る前は、中三は学校の中で一番進みが遅くて、中三このままで大丈夫か?と言われ続けてきた。話し合いもなかなかまとまらなくて、私達自身もかなり心配していたと思う。だが、一度オープンデイ期間に入ると、今までつっかえていた歯車が、動き出したかのように物事が進んでいった。それに、作品のクオリティーは自分たちでもびっくりする程のものだった。オープンデイ期間中は、一日一日が、充実していて楽しいものだった。中三のみんなと一緒に作業できて本当に幸せだった。一面が黒ビニールで覆われた体育館、色とりどりのペンキ、立教中がオープンデイカラーに染まっていた。最初はなかなかまとまらなかった中三だったが、一つの作品を完成させようとみんなの心が一つになった。あれ程までに大丈夫か?と心配されていた中三がちゃんと作品を完成させることができたことに大きな達成感を感じ、感動した。

 

 今年は、三位という少し悔しい結果に終わってしまったが、私は中三のみんなでオープンデイをすることができて良かったし、三位という順位が悔しいのは、それだけ頑張ってきたということだと思う。初めてのオープンデイが、最高の仲間と一緒に作った最高の思い出になって本当に良かった。

 

(中学部3年 女子)

 

立教英国学院に入学して初めてのOPEN DAYは、恐ろしい速さで駆け抜けていった。あれだけの知恵と労力とこころを注いで準備したはずなのに、今になってみると、まるで徒競走をはたから見ていたような気分だ。

 

 クラス企画の準備は大変だった。学級委員もOPEN DAY経験者もほとんどが係・本部員で、新入生が多いこのクラスでは、1人ひとりが自覚を持って作業するのは難しい。のんびりとした教室内の雰囲気に、危機感を覚えたこともあった。胸の中に溜まっていたものを吐き出したら止まらなくなって、いつまでもあふれ続けた夜もあった。そんな中で得られたお客さまや先生からの誉め言葉や数々の賞。嬉しくないわけがない。閉会式後に友人が言った、「OPEN DAYは楽しんだもの勝ちなんだよ」という言葉が、印象に残った。

 

 しかしどうしてだろう、徒競走を横から見るような、妙な余裕。全力疾走ではない、この感覚。

 

 今回の準備で目立ったのは、計画性の無さと甘い管理体制。日々の計画、実行。反省点を次に活かし、効率化をはかる。物の管理、時間の管理、そして人の管理。なにもOPEN DAYに限ったことではない。当然のこと。そして、当然でいて重要なことだ。たくさんの制約がある中でOPEN DAYだからこそ、それを実感した。

 

 きっとこれらは、大人になってもぶちあたる壁だと思う。単純で、難しい問題だ。わたしたちは、自分たちの能力で辿り着ける到達点に、達しなかった。全力でやりきった感がないのはそのせいだろう。自分たちの持てるパワーで、何かをやり遂げたか、と聞かれれば、「まだまだ!」と答えたくなる。こんなものじゃない、と言いたくなる。

 

 来年は、二回目にして最後のOPEN DAY。後戻りはできない。達成感の裏に苦く広がる、やり残したという思い。これをどう繋げて、どこまでスマートに動けるかが、来年の勝負どころだと思う。
 わたしたちはまだ、何かを起こせていない。蕾は、三分咲きくらいだ。
(高等部1年 女子)
今回は僕にとって初めてのオープンデイでした。準備期間に始まりオープンデイ当日に至るまでのこの一週間は時間がとても短く、早く感じられました。

 

そもそも僕はこのような文化祭はこれが二回目で、どれもいつもと違い、大きな驚きと楽しさであふれている状況はまるで夢のようでした。

 

 初めての文化祭は中一のときでしたが、剣道部として焼きそばを作って吹奏楽部のミニコンサートに行ったという思い出しか心の中に残っておらず、あまり皆と楽しんだ、笑った、協力して何かを作り上げたなどの大きな感動はありませんでした。そのためか、今回のオープンデイはより一層大きな感動とともに思い出をつくることができました。

 

 今回のこのオープンデイで僕は二つの企画に参加しました。一つ目はクラス企画でした。クラス企画では模型を作る係として作業に携わりました。最初はメンバーもいなくて、ほとんど一人で三つの模型を作るような状態でのスタートでした。しかし何とか作り終え、ついでにと取りかかったロンドンアイの模型は僕を合わせて六人で作業したので、残りあと二日というところからスタートしたにもかかわらず、あっという間に完成させることができました。

 

 二つ目はフリープロジェクトの剣道企画です。これはただ単に部活のようにするのではなく、お客さんに紹介するために行うパフォーマンスと思って本番に臨みました。しかし、やはり後夜祭で部長の友清先輩におしいところで負けてしまったことはとても悔しいです。これからこの経験をバネに、さらに成長したいです。

 

 オープンデイを終えた今、僕が感じていること、それは成長だと思います。人は何か大きな壁にぶつかってそれを乗り越える度に、一回りも二回りも大きくなることができるのだと思います。心を常に何かに集中させる、協力することを学ぶ、どんなに大変なときでも最後の最後まであきらめる事なく突っ走る。それこそがオープンデイを色取り、かたち作り、成り立たせているのだと思います。
 こんな理由に気付くことができ、そしてそれを実感することができた時、その時こそがその人にとってオープンデイは成功したと言えるでしょう。
(中学部3年 男子)

 

私にとって、このオープンデーはとても短く感じました。
みんなでいろんなアイデアを出し合い、私たちにとってとても良い作品を作り上げることが出来ました。私たちの企画はSCIENCE 2012という企画でした。私たちは、光の三原色・ドキドキ棒・釘のバランス・液晶シート・浮沈子など、色々な理科に関することを、来てくれたお客さんにも分かるように書いたり写真を置いたりして、説明をしました。

 

そんな中、フリープロジェクトでは私は劇企画に入っていました。私は本番が終わった時に、
「こんなにすばらしい企画に入れて、よかったな。」
と、思いました。
私は大道具の役なのですが、特別に中1・中3の先輩と舞台の前で踊らせてもらいました。最初は、はずかしくてとても無理だと思っていました。しかし、だんだんオープンデーが近くなってくるにつれて、とてもはりきって練習できるようになって来ました。それは、劇に入っている先輩を見て、先輩のがんばって練習している姿を見ると、自分だけはずかしいなどと言ってられないという気持ちになってきました。私は、がんばって練習している先輩を見て、とても感動しました。そして本番になった時、もう、心臓が飛び出しそうになるかと思うくらい、緊張しましたが、今まで練習してきた事をここで発揮しようと思って、がんばろうという気持ちがわいて来ました。

 

私は自分たちの企画と劇企画が両方とも成功できて、とてもうれしかったです。この次のオープンデーは今回よりも、もっとうまく行くようにがんばりたいと思います。
(小学部5年 女子)

 

オープンデーが終わったのも束の間、翌週日曜日には10月に本校で行われた実用英語技能検定(英検)の1次試験に合格した生徒、計45名が2次試験受験のため、2台のコーチに分乗して本会場のあるロンドンに向かいました。

 

この中には準1級の1次試験に合格した4名の生徒も含まれていました。中2、中3、高1、高3と学年は別々ですが、大学生にとっても手ごわいこの1次試験に合格した喜びは格別。2次試験への意気込みも人一倍だったようです。

 

昨年からTOEICのオフィシャルセンターとして校内で毎学期TOEIC及びTOEIC Bridgeを実施するようになり、この9月に全校生徒が受験したばかりですが、英検の受験希望者は減るどころかむしろ年ごとに増加の傾向にあります。英語の本場イギリスだけに、英語を使うことの意義を身近に感じる機会が多いのもその理由かも知れません。

 

期末試験まであと2週間。そして今週末はロンドンのSt John’s Smith Squareで創立40周年記念コンサートが開かれます。演奏者はもちろんその他の生徒、教員も含めて全校でロンドンに外出する予定です。オープンデーの興奮も覚めやらぬうちに次々と行事が続く2学期。でもそれもあと残すところ1ヶ月弱。近隣の町や村にクリスマスイルミネーションが灯るのももうすぐです。

 

参加校はLancing College、Michael Hall、St.Bede’s、Worth、Ardinglyの5つの現地校と本校の6校。
立教周辺の学校が試合の機会を増やすために集まったのがこのリーグ戦の始まり。
1校につきHOMEとAWAYの2試合を行い、勝ち点を競います。
今までは、各学期に2回の対外試合を行えれば良い方でしたが、このリーグ戦に参加することで、10月~2月までの期間に計10回もの試合を行うことになりました。
めったにないこのチャンス。外国人学生を相手にどれほどの力を発揮できるのか。

 

現在、すでに4校との試合を終了。
初戦のLancing Collegeには惜しくも敗退。
2回戦のWorth戦では、練習の成果を発揮することができ、初白星を飾ることができました。
3回戦のArdinglyとの試合では、終始接戦の末、50−59と悔しい結果に終わりました。
そして一昨日行われたMichael Hallとの試合。
HOMEであったため、応援の歓声が体育館中に響き渡る中、高さで劣っている分スピードで勝負に挑み、見事勝利を収めることができました。

 

今学期は2勝2敗という結果に終わり、試合を行う度に日々成長していくチームのメンバー。
さらに、このリーグ戦は技術だけの成長に留まらず、国際交流の場としても絶好の機会だったのです。

 

Lancing CollegeとWorth Schoolの2校との対戦では、試合後に夕食に招かれ、英国現地校の食堂で食事をする機会がありました。
生徒たちは中に入ると、「ハリーポッターみたい!」と広々とした食堂に驚き、バイキング形式での食事にも新鮮さを感じていたようでした。
また、本校でのArdinglyとの試合後には、相手校の生徒と保護者を招待し、一緒に夕食を摂りました。
普段は英国人との会話に緊張する生徒も、先ほど戦った相手ということもあり、食事の席では、
「立教の食事には寿司は出るの?」
「なぜイギリスの学校にいるの?」
といった質問に答えたり、お互いの学校や国について話をしたり、とても楽しく会話が弾みました。

 

スポーツを通しての国際交流。今、ここでしかできない貴重な体験をしている男子バスケットボール部。
まだまだ3学期もリーグ戦は続きます。この後もどれほどの成長を見せてくれるか楽しみです。

 

今回を含め、私は6回のオープンデイを経験して思ったことが一つあります。それは、初めの3回と後の3回の大きな違いです。

 

 私は中1の時のオープンデイから、中2、中3、高1、高2、そして高3と行ってきました。初めの3回、つまり中学の頃のオープンデイでは、オープンデイに”参加している”という気持ちが大きかったです。模造紙の線引きや消しゴムかけ、模型を作ったり、体育館で寒い中のペンキ塗り、フリープロジェクトに入ってニラを育てたり、ドミノを立てたり(チャリティーとドミノ企画でした)…。そんなことをやっていると、やはりオープンデイに”参加している”という気持ちを強く持っていました。

 

 しかし高1になって、私は展示本部に入りました。そしてそれを2年間行いました。すると、今まで”参加している”という気持ちが強かったのに比べて、オープンデイを”作っている”という気持ちが強くなってきました。今までの模造紙や模型作りではなく、模造紙チェックや物の貸し出し、体育館設営などをやり、本部の立場でオープンデイが出来ていく、そして終わって行くのを見ていると、不思議と”作っている”という気持ちが強くなってきました。

 

 そして高3になり、オープンデイの準備期間が始まって、去年自分達が教えた本部の後輩たちが立派に上に立ち、新しい後輩を率いているの見て感慨にふけったり、フリープロジェクトの後輩が今ではもうほとんどの生徒の先輩だということを改めて認識させられて嬉しくおもったりもしました。まるで老人ですね。

 

 長い立教生活最後のオープンデイでしたが、”参加する”のも”作る”のも面白かった。今の小・中学生には、高校生になったら”作る”を味わってみるのもお勧めしたいと思います。
(高等部3年 男子)

 

10月25日、世界的ヴァイオリニストの川畠成道氏が来校し、コンサートが催されました。私はその日、放課後に約30分弱レッスンを受けるチャンスを頂きました。世界で活躍するプロフェッショナルを前にして、初めは緊張したものの、折角の好機を無駄には出来ません。短い時間で、出来る限りたくさんのことを吸収しようとつとめました。

 

このワークショップで印象に残ったのは、教えて頂いたことのすべてが、基本的で当たり前のことだったことです。しかしそれは、基礎の基礎から直されたということではなく、少し工夫するだけで魅力的な演奏に変わる、最高の裏技でした。

 

ヴァイオリンを演奏する、というのは何か。それは、ただの自己満足ではなく、人に聴かせるということです。これではあまり目立たない、もう少し速くした方が良いなど、曲作りをする上でのアドバイスは、お客様に発表することが前提の物なのだと気づくことが出来ました。常に人前で音楽を披露している演奏家だからこその視点で、貴重なご意見を頂きました。

 

基本事項であり、重要なこと。練習→レッスン→練習→レッスン…を繰り返す毎日では滅多に気付かない、大切なことを学べたと思います。

 

この日に頂いたアドバイスを活かし、どんな時も人前で演奏することを考えて、1曲1曲を仕上げていこうと思いました。
(高校1年 女子)

ページ
TOP