ちょうど一年前、裏千家ロンドン出張所から頂いた「ヴィクトリア&アルバート博物館が倉庫に眠らせていた茶室を貰いませんか」というお話。
月日が流れて昨秋に立教に到着し、完成を待っていた茶室がとうとうお披露目の日を迎えました。
それはJAPANESE EVENING。
当日は裏千家ロンドン出張所の先生がお越しくださり、お話をしてくださると共に、貴重な指導も受けることができました。
2度行ったショート・デモンストレーションは、初回は立ち見の方もあり、狭い室内が熱気でむせかえるほどの盛況でした。
「今イギリス国内にある茶室は3つです。一つがロンドンの大英博物館(日本展示室の和英庵)、二つめがオックスフォードのアシュモリアン博物館、最後の三つめがこの立教英国学院です。」…大変に光栄なことです。
杮落としとなったJAPANESE EVENINGへ裏千家の先生をお迎えできたことも心から感謝してやみません。
この10年の間、少しずつ道具を買いそろえ、また心ある卒業生や在校生の方からの寄付も頂き、関係校である香蘭女学校からも茶道具を譲って頂いてイギリスの地でお茶を続けて来ることができました。
この茶室を大切に、またここで行う稽古で培われる心こそを大切にしてゆきたいと思います。

 

5月13日(日)昼食前に、生徒会主催のギルフォードショッピングに出掛けました。
ギルフォードは本校から車で30分ほどの所にある大きな町。到着後すぐに3人以上のグループに別れ、一斉に飲食店へ駆け込みます。
ショッピングモールに新しくできた日本食店「てりやき」はイギリスに住む私たちにとって懐かしの味。あっという間に店の前は立教生の行列ができました。それ以外にも中華料理店や日本でもお馴染みのマクドナルドなど、まずはお腹を満たし、好調なスタートを切った生徒たち。
美味しい物を食べたところで、次に向かうは普段なかなか買う事のできない洋服やオシャレアイテム、ゲームなどのお店。人によっては食べ物だけでお小遣いを遣い切ってしまう生徒もいますが、各々が充実した時間を過ごせたのではないかと思います。
1学期が始まって1カ月が経ち、行事が続く中、リフレッシュの出来たギルフォードショッピング。
やっと落ち着いた時間が流れるかなと一息つきますが・・・
さらに今週金曜日はロンドンへアウティング(遠足)に行ってきます! あ~、忙しい。

 

5月11日(金)、毎年恒例の行事であるJAPANESE EVENINGが行われました。
南英にある立教英国学院は、近隣の村や町の方々の温かい支援なくしては成り立ちません。
JAPANESE EVENINGは、地元の学校の生徒たちやイギリス人の方々をお招きして、日本の文化を紹介し、楽しみながら交流しようという趣旨で始めた行事で、あやとりや剣玉、折り紙、茶道、剣道などの日本の遊びや文化を紹介します。
夕食が終わった19時頃から、お客様が次々に来校しました。この日、来てくれたお客様は約100名にのぼりました。
最も印象に残ったのは、地域交流委員による日本についてのプレゼンテーションでした。
海外の方が、「日本」と聞いてイメージするものはなんだろう?と日本人が考えたときに挙がるものはおそらく、寿司、花見、着物、花火・・・・などの、古くから日本に存在するものではないでしょうか。
今年のプレゼンテーションは、それら昔ながらの日本をあらわすものとして和服や花火を紹介しただけでなく、現代の日本をあらわす、日本の技術力にも焦点をあてました。
紹介したモノは、芯がくるくると回ることで書きやすいシャープペン「クルトガ」、針のいらないホッチキス「ハリナックス」の2つです。
技術大国、日本を象徴するこれらの商品を紹介し、実はこの日のパンフレット自体が、「ハリナックス」を使ってとめられていることに気づいたお客様たちは大盛り上がり!!
プレゼンの最後に、「インターネットで買えますよ!」としっかり宣伝したため、プレゼン終了後「amazonで買えるの?」などというお客様の問い合わせがちらほら・・・。
英語でのプレゼンテーションでしたが、パワーポイントを作ったり、お客様によく聞こえるよう大きな声で話したり、身振り手振りをつけたりと、地域交流委員の努力が実った瞬間でした。
プレゼンテーション終了後、この日の目玉企画のひとつである茶道のデモンストレーションが行われました。
毎年行っているこの企画、今年はヴィクトリア&アルバート博物館から譲って頂いた茶室を使っての実演ということもあり、生徒たちは緊張気味でしたが、30名程の客席は立ち見が出る程満員となりました。着物を身に纏い、気合を入れて、練習の成果を存分に発揮することができたようです。
さらに今年は、新しい企画として「日本語」、「かるた」、「福笑い」が加えられました。
「日本語」では、簡単な挨拶、電話による会話、食事に関する会話の3つを教えることにしました。
どの生徒も、海外の方に日本語を教えた経験などないため、どうやって教えたらわかりやすいか、とても悩みました。
当日は、いきなり近くの村の小学生たち20名程がこのブースにやってきて大混乱!
ですが、イラストを使って説明をしたり、「もしもし」「ちょっと待ってください」などと簡単な会話を一緒に練習して楽しむことができました。お客様が帰る際、「ありがとう」「さよならー」と言ってくれたのが嬉しかった、との感想が出ました。
その他、毎年恒例の各企画も無事にお客様を迎えることができました。剣玉やあやとり、折り紙の折り方などを一生懸命に英語で説明する生徒の姿をあちこちで見ることができました。
いい思い出ができたことも勿論、伝えたいことがあるのに英語でうまく伝えられなかったという思いをしたこともきっと素敵な経験となることでしょう。この一年間の勉強につながっていくことを期待します。

 

試合に出るのも初めて、立教での行事も初めて、高校の「ノリ」も初めて。知らないことばかりの球技大会だったが、本当に楽しくて仕方ない1日だった。
私は赤組女子バスケに出た。練習が始まった時は、自分の技術に自信がなくて試合で動けるか不安だった。けれど高3の先輩はじめ、チームの人達に励ましてもらい、私もチームの為に動くようにしたので、2週間のうちに自分を信じてプレーできるようになった。そして同時に、飛野先輩が練習初日におっしゃったように、「楽しんで勝ちたい。」という気持ちが強くなった。だから、絶対に「勝つ気だけは無くさない」ようにした。
今日、私は4試合をフルに走り切った。自分でも信じられないけど、それよりも全試合自分を出して下さった先輩方に大きな感謝を感じる。赤組として、赤バスケとして試合に出れて本当に嬉しかった。すごく楽しかった。試合が終わって、チーム全員とハイタッチした喜びはずっと忘れないと思う。
ただし、この楽しい1日があったのは、敵の青組や体育委員、先生方など、たくさんの人のおかげだと思う。生徒全員、学校全体で盛り上がれて素晴らしい時間だった。
立教に入ってからの、高校生としての、沢山の不安が無くなった1日。今日はすごく印象的で、忘れられない思い出になった。
バスケの先輩方ありがとう。
赤組の一員になれて本気で嬉しかった。
(高等部1年新入生 女子)

 

「休みはどうだった?」そんなことを聞かれても僕は困ってしまう。というのも、僕は長野県に住んでいるのだ。それに加えて田舎だし、東京に行くのにも4時間もかかるのだ。こんな不便な所に住んでいる僕だから家にいるより学校に早く帰りたいという気持ちの方が強いわけで、春休みはとても楽しい!ということはほとんど無いのだ。日本にいるのに海外に住んでいるのとあまり変わらない。一言で書くとつまらない。ホントつまらなかった。
普通にいつもと変わらない日。その日はとても天気が良かった。いつもお昼過ぎに起きている僕が、カーテンから差し込む朝日に起こされた。窓を開けると、涼しい風が部屋中に吹き込み、とても清々しい気持ちでいっぱいになった。こんなに天気の良い日は長野でもめったに無いと思い、散歩をしに町へ出た。春といっても僕の住んでいる所はまだちょっと肌寒い。だがそんな寒さも気持ち良かった。特に目的も無く歩くだけ。まわりの景色に目をやると、都会では味わえないような、ビル一つない大きな青い空と、雲が少しかかった山々。そして行き着いたのは、昔よく来た公園だった。のども渇いていたので自動販売機でお茶を買いベンチに座った。桜も咲き始めでちらちらとピンク色の花びらを見せていた。桜を見ようと立ってみた。言葉にならないほどの美しさ。桜が背景になってしまうほどの美しさ。山の雪化粧。ただ、きれい。当たり前の景色に感動させられてしまっていた。自分の気持ちがこんなにも穏やかだと、見えるものも変わってくるのだと。うっとりと時が止まったかのように見とれてしまった。すごくヒマな長野の田舎のくせに、こんな景色を改めて見せられると、春休みに帰って来ても良かったなと思う。
(中学部3年生 男子)

 

春休み、さまざまな人々に別れを告げました。涙がこみ上げてくる時もありましたが、しかし別れがあっての出会いもあるのだなということもしみじみと感じました。
初めは別れは悲しいものだ、つらいものだという考えにとらわれていましたが、小学校を卒業し、心も体も成長したせいか、別れは成長するために大切なものなのだなということを考えるようになり、ものを違う視点から見て考えられるようになりました。
また、私には支えてくださる人々がたくさんいるということに気付きました。親、祖父、祖母、友達など私の力になる人がたくさんいて、こんなにも私のことを思ってくれていたんだと胸がいっぱいになる時もありました。そして、支えてくださる人がたくさんいるということに感謝し、その恩を返していかなければならないということを学びました。
さらに、別れを告げるとき、「あの頃はきびしくしていたけれど、立派になったね。」と言ってくださる先生方などからも学んだことがあります。それは、先生方からの注意を怒っていると感じずに相手としっかり向き合っていくことです。
このように、これまでの十二年間さまざまなことを学び、一歩一歩前へ歩んできましたが、これからは出会いと別れで学んだことをはじめ、今までの経験を生かし、人とのつながりを大切にして生きていきたいです。
(中学部1年 男子)

 

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