2つ目の日本の文化紹介の授業は、折り紙でした。対象は、5・6年生でした。
こちらは、ペリカン、カモノハシ、ヒツジ、コアラ、クジラ、イルカ、ウミガメの7つのブースを用意し、そこに来てもらって、折り紙を教えました。「先生、折るって何て言うの?」という質問もありましたが、やって見せてあげる、または、やってあげるといいということに気付き、上手に教えてあげていました。中には6~7人の人を一人で受け持ち、一人一人に丁寧に教えてあげている人もいました。
またこれまで、会話することで苦労をしていた人が、黙々と、折って手本を示し、上手に教えてあげていることもありました。立場の転換でこんなにも人は買われるのだと驚きました。また、言葉によらなくてもコミュニケーションはとることができるのだということに気付くことができたのではないかと思いました。
こちらは、およそ1時間、取り組みました。一つ出来た人はほかのブースにやってきて、2つ目を折ることもできました。

日本の文化の紹介の授業を行いました。初めは、3・4年生対象の「ぶんぶんゴマ作り」でした。
あらかじめ用意された工作用紙を3枚貼り合せます。次に対角線を引きました。そして穴あけ用の点を描きます。その後、糸を通し、色付けや絵付けを行います。最初に手順を紹介し、実際に作る段になって、子供たちがオーストラリアの人たちに教えてあげました。
子供達もついつい日本人同士くっついてしまいなかなか教えることができないでいました。しかし、それも最初のこと。その後、糸を通してあげたり、話しかけてみたりして、ぶんぶんゴマができました。出来上がった人から、早速回し始めていました。ぐるぐる巻いてもなかなかうまく回りませんでした。やっているうちにコツをつかみ、上手に回せるようになりました。ぶんぶん言っている様子を楽しんでいました。
お昼休みも教室の前で回している人がいました。
みんなに喜んでもらえました。あっという間の30分でした。

中学生も一緒に全校の集会が行われました。今ちょうど“book week”で、今日はみな本の中のキャラクターに扮して登校してきていました。面白い登校風景でした。
聖徳のこども達供は、この中で、「いつも何度でも」を発表しました。わずかな時間での練習でした。それでも、きれいなハーモニーを作り出していました。力を出し切ることができてよかったです。終了後、赤ちゃんが「これ知っている。」つぶやいていました。「素晴らしい発表をありがとう。」と声をかけてくれた保護者の方がいらっしゃいました。
この後、クラスごとに、前に出てきて、自分のコスチュームを発表しました。白雪姫がいたり、スパイダーマンがいたり、ピカチュウもいました。なかなか日本ではできない光景だと思います。みな笑顔で、楽しいひと時でした。上級学年の人たちも、ウォーリーに扮したり、ハリーポッターに扮したりと年齢相応に本の世界を楽しんでいました。
このあと、ホビットの話の読み聞かせが始まりました。全校の児童が静かに聞いている姿は立派でした。聖徳の子供達もわからないなりに静かに過ごしていました。
聖徳の子供たちを歓迎してくれました。また日本とは違う全校の集会を子供たちと一緒に楽しみました。

こちらには、ジンジャービールというソフトドリンクがあります。しょうがの味が聞いたジンジャーエール以上の飲み物です。生姜が特産のようです。
初めに、ハチの巣についての講義を聞きました。
女王バチとはたらきバチ、オスバチについての説明を聞きました。蜂にとって、蜂蜜と花粉とプロポリスが大切なものであることを学びました。この後、ハチの巣を観察しました。ガラス越しにハチの巣の中のハチの様子を見ることができました。たくさんのハチがびっしりと集まっていましたので気持ち悪いというのではないかと思いましたが、みな夢中になってみていました。「こうしてみるとかわいい。」と言っている人もいました。また巣の一部に、蜂蜜がたまっている様子も見ることができました。
中に大きなハチがいたので、「きっと女王バチだ。」と思って尋ねると、これはオスバチですと返事が返ってきました。
普段なかなかそばで観察のできないハチをじっくりと観察することができました。

久しぶりの気持ちのいい晴天でした。朝起きたときは雲が多かったのでどうなるものかと心配していました。 今日は、学校に集合して、ストロベリーフィールドに出かけました。
昨日の午後はどのようにして過ごしていたのか、子供達に尋ねると、ホストと一緒にいい休日を過ごしていたようでした。ホストとの関わりもさらに深められたものと感じました。
学校よりバスを使って20分ほどでストロベリーフィールドにつきました。
ストロベリーフィールドでは、イチゴの栽培についての説明を聞くことができました。3月に種まきをして、6月から収穫が始まったそうです。畑への苗の植え付けは、3週間かけて、40人で行っているそうです。大変な作業です。その後、花をつけ、ミツバチが受粉を助け、イチゴが実っていきます。イチゴは、長い時で10月まで収穫できるそうです。今年は、寒い冬だったのでイチゴも長く収穫できるだろうと話していました。
説明をうかがった後、イチゴの摘み方を教わりました。無理に力を入れないこと。
いよいよイチゴ狩りの始まりです。たくさんの畝が並んでいました。それぞれ畝の中に入り、思い思いにイチゴを摘んでいました。手のひらほどもあるイチゴを見つけ歓声を上げている人もいました。大きなイチゴを手にして、「(イチゴは)宝のようです。」と。あっという間に小さなパックの中がイチゴでいっぱいになりました。
摘み終った後、出荷に向けたパッキングの話を伺いました。パッキングは、ひとりひとり、ベルトコンベアーで運ばれてきたイチゴをパックに詰めていました。目の前で見せていただきました。さらに鮮度が保たれるように、イチゴを冷蔵庫の中で冷やし、出荷するそうです。

朝からあいにくの雨となってしまいました。今日から1泊2日で、モートン島へ旅行をします。野外での活動が予定されていたのですが、この雨のため十分に活動できませんでした。
ホテルから学校に向かい、ホストと待ち合わせをしました。今日は普段の登校時刻よりも早い集合でした。それでも、みな時間通りに集まってくれました。バスに乗車し、ブリスベンワーフへ向かいました。車中では、思い思いに過ごしました。バスに酔いやすいと言っていた人も薬を飲んだり、眠ったりして、何とか乗り切ることができました。
そして、高速フェリーでモートン島へ向かいました。雨模様で船外の景色が良く見えなかったのですが、それでも他の船とすれ違うとじっと見ている人もいました。本を読んでいる人もいました。中には、「ホストのお姉さんが、酔わないようにと、ゴムを使ってブレスレットを作るキットを持たせてくれたんだよ。」と話してくる人もいました。優しいお姉さんです。
11時20分には、モートン島に到着しました。すぐに昼食でした。ビュッフェでした。驚くほどにお皿にのせ、よく食べていました。
予定していた砂すべりは、天候のため中止。近くを散策しました。波打ち際歩きに出かけました。貝殻拾いができるかと思ったのですが、ほとんどありませんでした。きれいな肌色の砂が一面に広がっていました。みな打ち寄せてくる波を楽しんでいました。
この後、デザートサファリに出かけました。4WDの車に乗り、島の高台に上っていきました。周りにはうっそうとした木が生い茂っていました。木生シダもその一つです。なかなか見つけられないでいたのですが、ようやく見つけることができました。ところが、突然、あたり一面に砂が広がっているところに到着しました。遠目にはきれいな肌色の砂だったのですが、ところどころ、黒かったり、白かったり、灰色だったりといろいろな色の部分がありました。黒いところは、植物が腐ってできたところだそうです。砂漠と呼んでいましたが、ところによって、植物も生い茂っています。遠くには丘が見えました。「10分間で登りたい人はどうぞ。」と運転手さん。すると、聖徳の子供たちは、一斉に走って、走って、一番高いところを目指して行ました。特に上のほうは上りもきつかったのです。
すると、先に上っていた人からがんばれのコールが。そして、中の一人が先生と言って手を差し伸べてくれました。また、他の中にも同じように手を差し伸べていました。気持ちのいい行動です。上りきったところの向こうにはなだらかな下り坂が広がっていました。振り返って登ってきた道を見ると急な道でした。降ることができるかと思って下を見ていると、子供たちはすーっと走って下まで降りて行ってしまいました。
その後、海岸に並んでいる船の壊れたものを見に行きました。ここに置くことで、防波堤の代わりをしているようです。
サファリが終わりました。すると「先生、この後この車はどこに行くの?」もう終わりだよ。えっ、まだそんなに時間がたっていないよ。」「よく見てごらん。もう90分経ったよ。」「えッ」
17時から夕食を取りました。昼食べ過ぎた人は、そんなにいっぱい食べることができませんでした。
6時15分からイルカの餌付けです。餌付の仕方について説明を受けました。寒い中でしたが、子供たちは楽しみにしていました。私たちは、桟橋から様子を見ていました。岸には、イルカが10頭ほど集まっていました。係りの方の指示に従い餌やりが始まりました。海の中に入っていき、エサを持った手を水の中に入れていきます。するとイルカがすっとその餌を採りに来ました。持っていくときに大きな波をあげることもありました。イルカがぶつかってきたと言っている人もいました。岸から上がった子供たちは嬉々として様子を語ってくれました。

下校後、ホストファミリーのところへ伺いました。
1件目は、早起きをしていることが分かりました。二人はトランポリンが楽しくてしょうがないと言っていました。大きな問題はなかったようですが、この日の朝、部屋の掃除をするのでスーツケースのふたをしておくようにと言われたと言っていいました。
2件目は、同い年のお子さんをお持ちの家庭でした。このお子さんはとても静かで、対照的な人たちですとおっしゃっておりました。でも大丈夫ですとのこと。チェスが強いのですよ。会話で困ったときには、グーグルの翻訳を使ってやり取りをしているそうです。今朝は自転車に乗って海に行ってきたと嬉しそうに話していました。家に訪れたとき、嬉しそうに飼っているモルモットを見せてくれました。こういうこと一つとっても、家になじんでいるのだなと感じました。
3件目の家では、なかなか話をしてくれないとおっしゃっていました。下の子と仲良く遊んでいるとも。会話は不十分であっても、一緒に遊んでいることが一つのコミュニケーションです。二人の顔を見ていても、元気に過ごしているので心配することはないと感じました。
今日回ったどの家も、大きなこともなく、子供たちもしっかりと生活できている様子が分かりました。自分の使わせてもらっている部屋を自分の部屋のように感じ、生活できていることがすごいことだと感じます。それだけ、家族の中に溶け込んでいる証拠です。また、どのご家庭もあたたかく彼らのことを受け入れてくださっている様子が伝わってきました。

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モーニングティーの後、バスに乗って、サンシャインプラザに出かけました。35分ほどかかりました。
サンシャインコーストは大きなショッピングモールです。海沿いに位置していました。そこに、様々なお店が軒を並べていました。
先日のオージーの料理でお世話になったMrs. Deightenが案内してくださいました。最初に入ったのは、文房具店でした。色鮮やかな商品がいっぱいに並んでいました。興味深いものもたくさんあったようですが、ブリスベンで大方の買い物を済ませていた人も多く、買い物までになった人はわずかでした。それでも、きれいなライトを購入し嬉しそうにしている人もいました。見ているだけでも子供たちは楽しかったようです。
次に入ったのは、科学的なものを集めたお店です。ちょっとした実験器具や、科学への興味を誘う面白いものがたくさん並んでいました。大きなものも多く、値の張るものが多かったです。それでも興味をかき立てる商品がいっぱいでした。ここでは工作好きな人が、塩水で動くクモの模型を購入していました。私はここでオーストラリアの鳥の図鑑を購入しました。
最後に訪れたのがColesです。
日常のちょっとした者のものの買い物を楽しんでいました。お菓子を買ったり、おもちゃを買ったり。何を買うのか決めたている人もいました。
モールの中で列を作って歩いていると、たくさんの人が振り返ってみていました。

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次は、ミチコさんによる、日本語の授業でした。27人のクラスを2つに分け、それぞれのグループで日本語と英語の会話の練習をしました。名前、年齢、学年、誕生日、住んでいるところを日本語で、または英語で相手に尋ねました。
カランドラでは、日本語の授業があります。お互いに、学んできた第2言語の実践の場となりました。インタビューシートにそれぞれ質問したことを記入していきました。日本語で尋ねるときは、ゆっくりと質問をしてください。とお話がありました。
8年生ですから、大きなお兄さんお姉さんです。最初は、もじもじしてうまくペアが作れなかった人もいました。しかし、時間とともに、話も進み、6名の人に質問ができた人もいました。
その後、ダンスをする人と単語の練習をする人と二つに分かれ交流を深めました。ダンスは外で行いました。ホキポキダンスです。みんな大笑いしながら楽しくダンスしていました。
単語の練習は、スクリーンに映った英単語を日本語にして、それぞれ発音していきました。
この後、モーニングティーの時間となりました。

ホストの家での3日目、今日も子供たちは元気に登校してきました。
今日の一時間目は、オーストラリアについての質問会でした。当初予定していた日本語の先生への質問ができなくなったのですが、この間ずっとお世話になっているマークさんが、代わりに子供たちの質問に答えてくださいました。これは、事前学習で、発表会を開いたときに抱いた質問を現地の方に答えていただこうというものです。
質問は、どれも難しい内容でした。最初にマークさんが見たときに、大学生の質問のようだとおっしゃっていました。通訳は、この学校で日本語の授業を担当されているミチコ先生が行ってくださいました。全部で4つの質問をしました。以下、その質問と回答をまとめます。
1.ゴールドラッシュで金がどの位とれたのですか。
1852年ニューサウスウェールズ州のベッサスにいたエドワードさんが、26.4tの金を掘り出しました。しかしそれでも少なくて、ビクトリア州では1年間にこれ以上の金が取れました。マークさんが子供の頃は、あちらこちらに金の採掘跡のトンネルがあって、金を見つけに行ったそうです。

2.白豪主義の問題となった点はどのようなことですか。
政治的な意味があり、社会を分断するものでした。具体的には白人と他とを分断します。つまりヨーロッパとアジアの分断を意味します。分断ということは、それぞれの違いを際立たせてしまっていることを意味します。オーストラリアは、アジアに近い国ですが、この結果、交流に限りが生じてしまいます。それはちょうど江戸時代の日本の鎖国に似ています。
ではどうして白豪主義が生じたのでしょうか。それは江戸時代の日本に似ています。鎖国をしているということは、日本が一番、日本の文化が一番と言っていることになります。白豪主義は、キリスト教と深い関わりがあります。ヨーロッパは、ほとんどの人が白人です。そしてまた、その白人はほとんどの人がキリスト教徒です。違う人種が集まっていた国をまとめるためには、みんな同じという考えを使うことが、その国のリーダーにとってまとめやすいという考えに立っています。つまり白豪主義は政治的にまとめていくための道具に過ぎなかったのです。言い換えるならば、1つにするために、大多数の人の考えを作り出していく必要があったことになります。それが、白人の優位性をうたった白豪主義なのです。
でも今は、この考えが間違いであったことに皆気づいています。

3.オーストラリアと日本は、昔戦争をして戦った過去があります。どのようにして両国の友好を深めていったのでしょうか。
これは、私の(マークさんの)好きな質問です。それは、2つの点から明らかです。一つは、今の2つの国がお互いに友好的であると見えているということが挙げられます。もう一つは、これまでに、このような交流のプログラムの中で、ホストファミリーがみな、日本は素晴らしい国である。日本の文化は素晴らしいと言っていることです。では日本の素晴らしさはどこにあるのか。それは、戦争があったからです。戦争を通し、またつい最近あった東日本大震災の際の津波を通し、オーストラリア人と日本人が同じであるということが再確認できました。同じ事とは何か。それは、一つには、母であり、父の存在です。また希望や夢を持っている。体のつくりも同じです。その同じ人間が、広島であったこと、戦争というつらいことがあって、深い悲しみを感じました。その悲しみから日本の戦争放棄、そして平和の強い考えが芽生え、国際関係の作り方がうまくできるようになっていったのです。そうした日本の姿を見て、オーストラリアの人も友好関係を抱くようになったのです。同じ人間として、受けた悲しみを同じように感じることができたからなのです。
次のような言葉があります。
“Do unto others as you world have them do unto you.”
これが一番の理由です。

4.オーストラリアの人たちは戦争で戦った日本を恨まなかったのですか。
マークが日本に行ったときに強く感じました。それは、日本人が戦争で何をしたのか、深く考えているということを。大きな被害を受けました。その被害を通し、日本人が、“Hunility”を持ったからです。”Hunility”とは何か。日本は戦争で傷を負い、自らが何をしたのか振り返り、平和の大切さに気付いていった。このような謙虚さを“Hunility” と言います。そして、日本が平和の中心となりました。償っていこうと日本は国際社会の一員として頑張っています。だから憎まなかったのだと思います。
政治的な点から考えるならば、戦争をしたのは、親の世代ではなく、祖父母の世代です。遠い昔のことです。もし恨む相手がいるのだとすれば、当時の軍部の命令を下した人に向けられるべきことです。
別な言い方をすれば、あなたたちはオーストラリアの人に戦争について質問を受けましたか?そのようなことはなかったはずです。つまり、気にすることではないのです。

今の子供たちに向け、真剣に考えてくださった一つの大人の考えを示してくださいました。難しい内容でしたが、子供たちの心にマークさんの強い思いが伝わったように感じられました。

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