中学校の校内読書感想文コンクールで最優秀賞に輝いた川田実歩さんの作品の一節に、次の文章が書かれていました。
「本はページをめくるたびに、読み手の高揚感とともに新しい世界を切り開いてくれると思う。私はその見たこともない、感じたこともない得体の知れない世界に入っていく感覚が大好きだ。
本を読む時、人は想像をふくらませ、時には自分の経験と照らし合わせ、確実に何かを得て
いく。」
“本を読む時”を“人のお話を聴く時”に置き換えることができると思います。
開校記念講演で、朝日新聞社GLOBE副編集長の平田篤央さんのお話を聴くことができました。
皆さんはいろいろなことを理解し感じたことと思いますが、中でも、平田さんの生き方をぜひ参考にしてほしいと思っています。
皆さんが書いたアンケートに目を通しました。その中から、3人のアンケートを紹介します。
「漫画をきっかけに夢を持てるってすごいと思いました。さらに実現してしまうっていうのも
すごいです。私は来年オーストラリアに行くのですが、とても不安です。なぜなら英語をしゃ
べるのができないのと、異国の生活に慣れることができるかどうかが分からないのでとても不
安です。でも、平田さんが、『何事も恐れずに挑戦することが大切』とおっしゃっていたので、
私も頑張らなくちゃいけないと思いました。」
「私も2回ほど海外に短期留学したことがありますが、やはり平田さんがおっしゃっていらし
たように、国内にいていくら英語や文化を学んでも、実際に行って肌で感じないと分からない
と思います!!! 私も国際、国際とただ興味を持っていましたが、『実際に行動することが大事
だ』と考え方が大きく変わりました。未知の世界を知ることで、新しいものが発見できると思
いました。」
「最近、自分の常識の無さや、いかに社会に目を向けてこなかったことを痛感する日々を送っ
ているので、小学生の時からニュースを見て関心を持ち、その気持ちをずっと持ち続けてこら
れたことにとても感動しました。また、漫画などの文化から影響を受け、それを実際に自分の
人生に活かしていることに対してとても尊敬します。私もいろいろなものから影響を受けられ
る心を持ち、それを自分に活かすことのできる力を持ちたいです。また、常に危険と隣り合わ
せの状況で仕事をする強さを感じ、改めて自分の弱さを痛感するとともに、将来の夢への自分
の気持ちの大きさや強さを再確認することができました。やはり現地に行かなければ分からな
いことはたくさんあり、『何事に対しても先入観を持たずに、本物を見る大切さ』をこれから
も忘れずにいたいです。」
本や人のお話や行事、そして日々の授業を通して、皆さんはさまざまなことを学んでいます。
よく“何のために学ぶのか?”と聞かれたりしますが、“自分がよりよく生きることができるよ
うにするために”が一つの答えだと思っています。
皆さんは学生ですから、“学びのプロ”を目指さなければいけません。
さまざまなことに興味、関心を持ち、たくさんの知識や経験を積むことによって、豊かな人生を
歩むことができる人になってください。