第3学期始業式 校長先生からのお話
新年、明けましておめでとうございます。
2013年、それぞれに皆さんは、今年もいい年にしたいと願いながら、
新年を迎えたことと思います。
今日は、2012年の年頭にあたり、2つの話しをします。
一つ目は、今年の年賀状からの話しです。
今、皆さんの世代はあまり年賀状のやり取りはしなくなってしまったのでしょうか。
携帯で新年のあいさつを一斉送信なんてことも多いと聞きます。
それも皆さんの文化だと思いますのでいいと思います。
年賀状の主な役割は、年に一回でも自分の近況とともに、
1年の抱負や目標を相手に伝えることであり、
人と人とのコミュニケーションとしても大いに意味のある大切なものだと思います。
私自身は、もちろん年賀状世代で多くの皆さんと年賀状のやり取りをしています。
そんな中でも、私が楽しみなのは、多くの卒業生からの年賀状です。
毎年、家族や子供達の様子を写真と共に伝えてくれるもの、
また、今度、長女が母校千葉明徳を受験します等の年賀状もあり、
私たち教師にとってとても懐かしく嬉しいものでもあります。
その中で、今年は、学生時代の友人からの年賀状に、気になることが書かれていました。
彼は、福島県の南相馬市というところで農業を営んでいますが、
『原発事故の影響で米を作れないのも3年目になります。
しっかり除染して、早く再開できるようにして欲しい』と書かれてありました。
その友人からは、暮れにたくさんの元気な野菜を送ってもらい美味しく頂きました。
国の政策では、被災地へのボランティアに対する補助金も、
昨年12月をもって打ち切られるとのこと、そんなことを知り、複雑な思いで迎えた新年でした。
私自身も、自分自身で出来ることを今年も探し続けていきたいと思っています。
是非、皆さんも同じ日本人として、
3年目を迎えようとしている被災地の皆さんの苦しみや悲しみに少しでも心を寄せながら、
成長していって欲しいと思っています。
二つ目は、自分の目標にどう立ち向かうべきかという話しをします。
明治時代の日本の医学史に偉大な足跡を残した北里 柴三郎博士の話です。
細菌学者として、ドイツに留学していた北里博士は、
当時、不可能だと言われていた破傷風菌の培養に成功し血清療法を考案しました。
以来、北里博士は『世界のKitasato』と称され、
帰国後、フランスのパスツール研究所と肩を並べる伝染病研究所を設立し、
後に慶応大学医学部を創設しました。
ドイツに留学中の北里を、後の京都大学総長となる若き頃の荒木 寅三郎が訪ねました。
その際、研究に悩む荒木に対し北里は、こう励ましました。
『人に熱と誠があれば何事も達成する。世の中は決して行き詰まらぬ。
もし、行き詰まったとしたら、それは、熱と誠がないからだ。』
つまりは、『自分を信じて、必ずやり遂げるという信念をもって進んでいけば、
必ず道は開けてくる。』 ということでした。
皆さんも、自分の目標を実現していくために、熱をもち、
誠をもって進んでいって欲しいと思います。
以上、2013年の年頭にあたり、二つのことを話しました。
さて、今年4月には、皆さんは2年・3年生に進級し、待望の新入生が入学してきます。
いよいよ千葉明徳中学校に全学年が揃います。
それぞれに、この3ヶ月間で、名実ともに素晴らしい先輩として、
新入生を迎えられる準備をしていって欲しいと思います。
それでは、皆さん一人ひとりがこの1年、自己の目標に向かって頑張っていく決意を込めて、
全員で三三七拍子を行います。 全員起立、ヨォーオ…………………
皆さん、頑張りましょう。
(千葉明徳中学校・高等学校 校長:園部 茂)
