今年の夏休みは、去年までの夏休みと、私にとってはいつもと違うものでした。それは、立教英国学院で春から寮生活が始まり、夏休みまでずっと家にいなかったからです。
帰国の7月9日の朝、空港には父と母の両方とも、私と姉をむかえに来てくれました。
両親が大きな声で私の名前を呼ぶので、ちょっとはずかしかったのですが、がまんしても私も勝手に顔が笑ってしまうので、困りました。車の中では質問がいっぱいで家までずっと話していました。
家に着いて、久しぶりの日本生活が始まり、日本の夏はすごく暑いことが分かりました。朝起きると、私は毎日そうじ機をかけることと、ぞうきんがけを手伝いました。姉は、犬の世話です。ちょっと動くとあせがふき出します。首にはタオルを巻きつけても汗がたれ、あつさで、顔が赤くなるくらいです。
また、食事は私のリクエストで、まずお寿司を食べに連れていってもらいました。まぐろなど生の魚を食べられる点では、日本はいいなと思いました。
しかし、数日たつと母が、
「宿題をやりなさい。」
など毎日口うるさく、そして、私の大きらいなセミが庭の木にいっぱい。先生にいただいたメールによると、イギリスにはセミや蚊もいない事を知り、やっぱりイギリスの方がいいなと思いました。
今年の夏は、いろいろな出来事を日本とイギリスと比べて、日本の夏のいい点、イギリスの夏のいい点が分かりました。そして、両方に自分の好きな点といやな点があるのだなあと思いました。まだまだこれから長くイギリスに行くので、もっといろいろな新しい発見があると思うので、楽しみです。
(小学部5年生 女子)

 

今年の夏休みはいろいろな事があった。生中継でのオリンピック観戦で夜更かししたり、ドイツに旅行に行ってブレーメンの音楽隊の銅像を見たり、イタリアで海水浴をしたりなど、とても充実した夏休みだった。しかし私にとってはその中でも「*Investigation」が正直なところ一番の思い出である。特にChemistryだ。
夏休みが始まって4日目に私の戦いは始まっていた。全科目の中で「英語」にとても苦手意識を持っている私にとって、英語でレポートを作ることなんて到底無理、と半分諦めていた。何とか1週間で出せたけれど内容はボロボロだった。Chemistry担当のNicolson先生から返却されてきた、たくさんの赤字の長いアドバイスを見た時は、夏休み中に果たして終わるのか心配だった。
それから数週間後、またその数週間後… と直しても直しても、返ってくるたびに赤字が消えなかったり、逆に増えたり… とInvestigationは私の楽しい夏休みに重くのしかかった。それと同時に自分の英語のできなさが情けなくなった。
前に、日本の友達に、
「へぇ〜、イギリスの学校に行っているんだぁ。じゃぁ、英語もペラペラなんだね。」
と言われて悔しかった事を思い出して、来学期こそは英語を頑張ろう!と誓った。
最終的に完璧に仕上げる事はできなかったけれども、Investigationは私にとって一番の「苦手」を克服する一歩になったと思う。
今学期の英検、TOEIC、PET英語試験…など全部頑張るぞ〜!
(高等部1年生 女子)
(*Investigation: 本校G.C.S.E. Scienceの授業で作成する実験レポート。夏期休暇中にその作成が宿題になっていた。)

 

本校チャリティーグループが昨年のオープンデー活動で集めた寄付金を相馬市震災孤児のための基金としてこの夏に送り、相馬市長自らが筆をとられた心のこもった立派な感謝状が届きました。
この夏、ケンブリッジ大学でのサイエンスワークショップを前に本校でプレワークショップが行われましたが、これに日本から招待されて福島県の相馬高校、福島高校、新地高校の生徒と教員の皆さんが参加していました。その際に、相馬市で震災孤児のための基金を集めていることを知り、オープンデー活動で集めた1000ポンドを今年度チャリティー企画長の山田瑞月さんが高村先生(元相馬高校、現新地高校)に手渡したものです。
相馬市では地震、津波そして放射能と今なお多くの方々が大変なご苦労をなさっていると聞いています。特に震災で親御さんを失った同年代の生徒、児童の皆様が将来に少しでも夢を持っていただければと、遠い英国からですが、お祈り申し上げます。

        

 

昨年に引き続き、シャプラニール主催の中高国際フォーラムに参加しました。昨年は政府の開発途上国支援を実施する機関、JICAというNGOの団体を訪問しました。今年はウガンダ、ケニア共和国を中心に、エイズ孤児が直面している問題の改善に取り組むNGOのPLASという団体を訪問しました。
 エイズ孤児とは、「片親ないし両親をエイズで失った十八歳未満の子ども」のことです。エイズ孤児の数は、この二十年で二十倍以上に増加しています。今では約十四秒に一人の割合で増え続けています。
 なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。それには悪循環が存在します、エイズ孤児は、エイズで親が亡くなったことを理由に、差別や偏見を受け、教育にアクセスできなくなります。エイズ孤児は教育が受けられないため、HIVやエイズについての予防法を知らずに生活をします。その結果、自身もHIVやエイズに感染してしまい、新たなエイズ孤児を出してしまうのです。
 私が訪問したPLASという団体はウガンダとケニア共和国の二カ国で、エイズ孤児の教育支援活動やエイズ啓発、母子感染予防などに現地団体と共に取り組んでいます。HIVの感染を防ぐため、地域リーダーを育成し、トレーニングを受けたリーダーが主体となって、地域住民への啓発活動を展開しています。教育支援活動では、エイズ孤児が多く通う小学校に対して、学校教室の建設支援や学校運営に関する支援をしています。
 PLASを訪問して、私は教育支援活動はとても重要だと思いました。エイズに感染しない一番の方法は、エイズの知識を学ぶことだと思います。学ぶことで、エイズ感染が防げるし、その知識を活かして、地域リーダーになることもできます。
 ボランティアというと「困っている人を助けてあげることだ」と思っている人が多いと思います。人々が孤立し、自分の手に届かないところにある政治・経済システムに管理されている現代社会。何か少しでも、決められた以外のことをしようとすると、すぐ壁に突き当たり、個人ができることの限界を思い知らされてしまいます。ところが、ボランティアをしている時には、自分の始めは小さな事がきっかけとなって思いもよらぬ展開が起こり、後で振り返ると、自分一人ではとうていできなかったと思うことが可能になっていることに気付かされました。
 これからは、「遠い」ものではなく、自分たちの課題として受け止め、同じ地球に生きる一人一人の身近な取り組みによって、世界を変えるきっかけになったらいいなと思いました。
 (中学部2年生 女子)

 

日本オリンピック委員会(JOC)などが主催した復興支援プロジェクトにおいて、岩手・宮城・福島・茨城の中学生20名がイギリスを訪れました。
8月4日、立教英国学院の生徒15名もこれに参加し、ハイドパークでトライアスロンの観戦、応援を一緒にしました。オリンピックで活躍した日本人選手団も訪れ、メダルに触らせてもらったり直接お話をすることもできました。

 

例年になく天気が良かったイギリスの夏 ー 夏休み最後の数日は冴えない天気が続いていましたが、先生方が学期始めの準備を始める頃から再び快晴が続き、9月7日の生徒帰寮日は新入生達を歓迎するかのような「秋晴れ」となりました。

 

この日は朝から先生方がロンドン・ヒースロー空港やセントパンクラス駅、ガトウィック空港などへ生徒たちを迎えに行きました。最初の先生が学校を出たのが午前6:50。その後数台のタクシーが学校と空港を行き来したあと、夕方から夜にかけて3台のコーチに分乗して100名以上の生徒たちが帰ってきました。

 

午前中はゆったりと時間が流れていましたが、昼食後からはイギリス国内生が続々と親御さんの運転する車で到着し始めます。緊張の面持ちの新入生が担任の先生と面接をし、寮や教室で新しい仲間に紹介され… キャンパスを行き交う生徒や保護者の方々が増え始めるといつもの活気がまた立教に戻ってきました。先学期キャンパスのあちこちに植えられた草花は最後の盛りを競うかのように訪れる人たちを歓迎していました。教室棟入口付近のコスモスは驚く程の丈になっていましたが、2ヶ月の休みを経て同じように背が伸びた生徒たちにはビックリ。子供達の成長の早さを実感するいつもの夏休み明けでした。

 

翌日9月8日、日曜日。寮生活第1夜を明かした新入生達はまだ緊張の様子が抜けきらない様子でしたが、食事の席で少しずつ周りの友達と話し始めて、その初々しい面持ちにも笑顔が覗き始めていました。
午前10時、始業礼拝。チャプレンの説教のあと、新入生一人一人に校長先生から、ブレザーの胸につける校章が手渡されました。立教生になった証しです。
「分からないことがあったらいつでも周りの生徒たちに聞いて下さい。何でも親切に教えてくれますよ。特に赤いネクタイの人たちは高校3年生。立教生活経験値マックスの最上級生ですからね。」
毎学期新入生が入寮する時の校長先生からの励ましの言葉ですが、2学期はこの言葉にも特別の意味がこもります。3学期は日本での大学受験で学校に戻ってこない高校3年生にとって、この学期が長い立教生活の最後の学期となるからです。

 

かくして、緊張の面持ちでいたのは12名の新入生達だけではなく、立教での最後の学期を迎え人生の大きな転換期に果敢に挑戦しようとしている高校3年生、11月に迫った立教英国学院最大のイベント「OPEN DAY」の準備を執行学年として本格的に進めていく高校2年生…etc. それぞれの新しい目標に向けて帰寮した生徒たちの顔が「秋晴れ」の清々しいキャンパスにはピッタリの新学期スタートでした。

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