春休み、さまざまな人々に別れを告げました。涙がこみ上げてくる時もありましたが、しかし別れがあっての出会いもあるのだなということもしみじみと感じました。
初めは別れは悲しいものだ、つらいものだという考えにとらわれていましたが、小学校を卒業し、心も体も成長したせいか、別れは成長するために大切なものなのだなということを考えるようになり、ものを違う視点から見て考えられるようになりました。
また、私には支えてくださる人々がたくさんいるということに気付きました。親、祖父、祖母、友達など私の力になる人がたくさんいて、こんなにも私のことを思ってくれていたんだと胸がいっぱいになる時もありました。そして、支えてくださる人がたくさんいるということに感謝し、その恩を返していかなければならないということを学びました。
さらに、別れを告げるとき、「あの頃はきびしくしていたけれど、立派になったね。」と言ってくださる先生方などからも学んだことがあります。それは、先生方からの注意を怒っていると感じずに相手としっかり向き合っていくことです。
このように、これまでの十二年間さまざまなことを学び、一歩一歩前へ歩んできましたが、これからは出会いと別れで学んだことをはじめ、今までの経験を生かし、人とのつながりを大切にして生きていきたいです。
(中学部1年 男子)

 

立教の森を抜け、その奥に広がる高い木々に囲まれた林には、この季節、人知れずひっそりと広がる紫色の絨毯があります。紫色の小さなベルの形をした花が一面に広がるブルーベルの林です。毎年入学式前後に一斉に咲き始めるのですが、今年は連日雨模様の寒い日が続いたため、林がうっすらと紫色になりかけたのが5月に入ってから。新入生を迎える恒例のブルーベル散策も延び延びになっていました。しかも今年はほとんど毎日降り続く雨で林の中の小道はぬかるみばかり。少し雨が止んだところでとても全校で歩ける状態ではありませんでした。ここ数十年、一度も欠かしたことのないブルーベル見学が今年は本当になくなってしまうかも知れない… 毎日空とにらめっこの日々でした。
そして、5月8日火曜日。午前中から珍しく雨がやみ、曇り空ながらうっすらと明るくなると、校長先生が「このまま天気が持てば、放課後にブルーベル散策に出掛けましょう」と先生方に連絡。最後の授業の先生方が生徒たちに連絡をして、「放課後靴を履き替えて中庭に集合!」の伝言が伝わりました。
「えーっ、泥だらけですよー!」「本当に行くんですかぁ??」と前からいる生徒たち。
「ブルーベリー?」(ブルーベルです!)「とってもきれいなんですよね!!」とちょっと目を輝かせる新入生達…
思いは複雑ですが、とにかく例年通り、まずは立教の森に向けてスタート!
いつの間にか空は晴れ渡り、久々の日差しが木々の間に降り注いでいました。水分をたっぷりと含んだ林の中はどこかしっとりとしていて、鳥達のさえずりも嬉しそうに響き渡ります。そしてその中で、立教生達の悲鳴?!と歓声もこだましていました。水をたっぷり含んだ道はもちろん泥だらけ。平らな道を歩くのも慎重に行かないとすぐに転んでしまいそうなほどのぬかるみです。履き替えてきた運動靴もすでにどろどろ。一歩進むのにいつもの3倍ぐらいの時間がかかるぬかるみを、長い列を作って進んでいきました。半分大はしゃぎの小中学生、童心に戻って同じようにエキサイトする高校生、そして苦笑いしながら子ども達と一緒に歩く先生方。いつもの写真スポットにつく頃には皆泥まみれの靴に泥の跳ね返りがたくさんついたジャージ… でもいつもと同じ笑顔で記念撮影ができました。
ある新入生が、その日の学級日誌に書いていたコメント:
ブルーベルも凄かったけど、あの泥の中を行ってしまう立教も凄いと思った…
かくして今年もブルーベル見学が終わり、生徒たちも全員無事?帰校。森を歩いていた頃から急に広がった青空は久々にキャンパスを美しく彩り、帰寮後に生徒たちが必死に洗っていた運動靴が寮の玄関前のあちこちに並べられて午後の低い日の光にキラキラと輝いていました。

 

私は春休みに広島、長崎に行った。第二次世界大戦の終盤、世界で初めて原爆が落とされた地である。以前、広島に行ったことはあったものの、中々原爆が落とされて、そこで何が起こったのか、受け止められずにいた。今回広島・長崎に行き、色々なことを感じた。そしてこのことを忘れてはいけないと思った。
始めに行ったのは広島。原爆ドーム、平和記念館に行った。そこで感じたことは、「平和」であることの大切さである。一般の人々がたった一つの原爆で命を落とさなければならない。こんな事が本当にあってはならないのに、起こってしまっている。起こってしまった以上、いくら批判しようとされようと、現実は変わらない。ここで私がもう一つ感じたのは、被爆した人、戦争下におかれた人々が「生き抜いた」ということだ。戦争という誰もが辛く苦しい中で、前を向き、歩んでいった人々に私は感動した。
次に行ったのは長崎だ。山に囲まれていた為、被害者は広島に並ぶ程なのに、被害地の面積は驚く程小さい。それでも伝わってくるものは広島と変わらなかった。「平和が一番」当たり前すぎて、身落としてしまいそうなことだが、世界がそう思えるようにならなければいけないのだ。では、平和とはどのような事を言うのだろうか。私は世界の人皆が幸せである事だと思う。幸せは人それぞれだが、私は広島・長崎に行って、人が幸せになるために役に立てるような人になりたいと思うようになった。そのために出来ることは沢山あるが、自分が人を幸せに出来て良かった、と心から思えるようなことをやっていきたいと思う。
(中学部3年生 女子)

 

国際性について
中三三学期の国語の授業で今道友信の「温かいスープ」を読みました。その中で、国際性とは「外国語の能力や学芸の才気や事業のスケールの大きさ」ではなく、「相手の立場を思いやる優しさ、お互いが同じ人類の仲間であるという自覚なの」であり、「求めるところのない隣人愛としての人類愛、これこそが国際性の基調」なのだと述べてありました。
私はこの文章を読んで感動しました。パリの小さなレストランの女の人たちのさりげない親切から、今道さんはフランス人にどんなひどい事をされようとフランスを嫌いになる事はないと断言しているからです。日本人だとかフランス人だとか関係なく、みんな仲間で同じ人間なんだと分かりました。
私自身の経験ですが、小学五年生の頃の話です。私はベルギーの日本人学校に通っていました。ある日、私のクラスに転入生が入ってきました。初めて見た時は驚きました。金髪だし瞳は青くて、彼女は日本人とオランダ人のハーフだったのです。小学校の頃は私も私の周りも今以上に子供で、表面的だったので、話しかけるのが恥ずかしくて積極的に接してあげられませんでした。どうして私は恥ずかしがってしまっていたのでしょうか。それは、「温かいスープ」を読んで分かりました。自分とは違うものと思ってしまっていたからなのだと思います。今となってはとても後悔しているのですが、顔や体、言葉や文化が違うことの大変さに気付きました。国際性とは積極的に自分から話しかけたり誘ったりしてまず行動を起こすということだと私は思います。
次に、私は中三の一学期と三学期に英検を受けました。一回目は落ちてしまい、三学期の結果はまだ出ていませんが、そのときの私の経験です。一回目のテストでは緊張していたし、落ちるとは思ってもいなかったのでとてもショックを受けたのを覚えています。自分に足りないものは何なのか。相手に、試験官の人に与える印象や態度だと思います。私はあせりすぎたのか、無表情だったのでしょう。相手の面接官もあまり笑いませんでした。二回目は、過去のこのような事に気を付けました。気付いた事があります。笑顔で「ハロー」と言うのと、無表情で「ハロー」というのとでは、話しを続けていこうとする相手にとってどれだけ大きな効果をひき起こしているのかということ、笑顔が相手に話し続けやすさをもたらしているのだなと思いました。それで、今回は面接を楽しく感じる事ができました。国際性とは、あのパリの小さなレストランの生っ粋の女の人のような「目で笑う」笑顔で周りを楽しくするという事だと思います。
きっとどの世界にいる人とでも、自分が本当に仲良くしたいっと心から思って、正確なことばの決まりなんかは分からなくても、真剣に話そうとすれば、相手も私を分かろうとしてくれるはずです。国際性とは、人類愛であり、積極性であり、笑顔なのだと思います。
(中学部3年 Sさん)
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4月28日(土)に球技大会が行われました。
入学始業礼拝からはや2週間。新しい学年、新しい友達にもまだまだ馴れない中、来たる球技大会への勝利を目指し、放課後全ての時間を使って練習に励みました。そのため夜の授業・自習はクタクタ。そんな慌しい日々を送っていました。
いざ球技大会の日。チームは赤と青にわかれて点数を競います。初めに全体競技として、四人一組となり大きなボールを運ぶ、というリレーが行われました。その他行われた種目は、バスケットボール、バレーボール、ポートボール、ソフトボール、サッカー、ドッヂボールとどれも団体戦。お互いの協力なくしては勝てない競技ばかりです。天気は生憎の雨でしたが、大きな体育館が大活躍し、急遽女子のソフトボールは屋内での実施となるなど、保健体育委員の生徒は調整に大忙しでした。
昼食の後には、赤・青それぞれのチームの応援合戦。自分のチームの色を言い合うという毎年立教恒例(?)の応援に続き、チームの応援歌、そしてチーム独自に考えたユニークな応援合戦により後半戦はいよいよ盛り上がりを見せました。勝った種目のチームは、声の限りに歓声の声をあげ、また負けたチームは歯を食いしばり涙しました。この歓声・涙には、それぞれの積み重ねた練習の日々と、絶対勝つんだという思いとが感じられ、それぞれが最大限に闘い抜いた証とも思えます。
夕食の後は、いよいよ結果発表。なんと結果は赤が470点、青が460点とたった10点の差でした。どっちが勝ってもおかしくなかったこの接戦で力を出し尽くしたためか、勝ったチームはもちろん負けたチームも爽やかな笑顔をみせ、今年の球技大会は幕を閉じました。

 

私が立教英国学院に入学し最初に思った事は、先生方や先輩達がとても優しいという事です。始めて建物に入った時、とても親切に色々案内して下さって安心しました。またドミトリー等を案内して下さった先輩もとても優しく嬉しかったです。
夕食の時は、隣に先輩がいたので安心して夕食をとることが出来ました。わからない事は丁寧に教えて下さったり、夕食が終わった後一緒にドミトリーの前まで付き添って下さったりと、感謝しなければいけないことが入学して間もないですがたくさんあります。いつかその恩を返せるよう、早くここの生活に慣れたいと思います。
色々とわからず困っていた時に先生方がいらっしゃるのでだいぶ心が救われました。
次に思った事は、元から立教生である同級生がとてもフレンドリーだということです。新入生である私達を優しく受け入れてくれました。ドミトリー内での過ごし方から色々と教えてくれて本当に感謝しています。
結果、立教英国学院にいる皆さんはとても優しいという事が分かりました。それに加え、ここに来てからというもの、感謝ばかりしているという事も分かりました。今度は、逆に私が感謝されるよう一生懸命色々と学校に奉仕していきたいと思います。そして、先輩達のように今度新入生が入ってきたら優しく接することができるよう、今から努力していきたいと思います。
(高等部1年新入生 女子)

 

球技大会が終わって息つく暇もなく行われた次なるイベントは「スポーツテスト」。1週間ほど前からダイニングホール入口には「立教1のトップアスリートは誰だ!」という見出しの表が貼り出され、過去のスポーツテストの記録が紹介されていました。2週間に及ぶ球技大会の練習で鍛えられた身体を試すスポーツテストのメニューは… 50m走、上体起こし、握力、長座体前屈、反復横とび、ハンドボール投げ、立幅跳び、持久走の8種目。小学生から高校3年生まで全校生徒が校内の体育施設を利用して午後一杯自分の体力と向き合います。先輩達が残した立教記録の塗替えに意欲を燃やす人、自己記録の更新を目指す人、密かにトップアスリートを目指す新入生など… どこも笑顔爽やかな活気に溢れていました。立教生の良いところは何でも皆で頑張ってお祭り騒ぎにしてしまうこと。もちろん先生方も測定/記録係としてフル出場。もう何週間も続いている相変わらずの冴えない天気でしたが、皆の笑顔がとっても眩しい午後でした。
全ての測定が終わると全員が400m陸上トラックに集合。最後の締めくくりは持久走でした。女子1000m、男子1500m。4つのグループに分かれて測定しました。どのグループでも走者がゴールする度に歓声が上がり、スポーツテストがいつの間にか陸上競技大会に昇華したような盛り上がりで幕を閉じました。最後の男子持久走のトップアスリートはどちらも高校3年生。既に本格的な受験体制に入っていながら、流石の貫禄でした。
昼間にこれだけ体力を使い切った夕食後、今度は来たる金曜日に開かれるJapanese Eveningの練習と準備です。生徒会と地域交流委員を中心に準備を開始し、この週末は3日連続で毎晩練習と準備にあたりました。ロンドンのビクトリア&アルバートミュージアムから譲り受けた本格的な茶室を今回初めて使用する茶道企画を始め、折り紙、剣玉、独楽に書道、剣道、今年から始まった新企画の日本語企画やカルタ企画まで、様々な日本の文化を紹介して実際にイギリス人に体験してもらいます。毎年恒例のこのイベントには地元の学校の生徒や先生方、ご家族の方々が訪れ、好評を得ています。4月に入学した新入生達にとっては初めてのイギリス人との交流イベントですが、球技大会、スポーツテストと続いてすっかり立教生らしくなった彼らーーきっと金曜日の本番も大活躍してくれることと思います。

 

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