6月22日、ESD日米教員交流プログラム(フルブライト・ジャパン主催)により、アメリカの学校教育に関わる方々23名をお迎えしました。
生徒と一緒に昼食に参加していただいたあと、高等科3年生との交流の時、学内見学、生徒による学校紹介を行いました。
このプログラムは
持続発展教育(ESD)を通して日米の教員の相互理解を図ることを目的とするもので、
2年続けて本校の教員がこのプログラムに参加してアメリカに研修に出ています。
ESDは、食、環境、エネルギー、国際理解教育など、地球規模の課題に総合的に取りくみ持続可能な未来の社会の担い手を育てることを目指した教育ですが、
今回の訪問は自由学園の創立以来の特色ある取り組みがESDの実践例として評価されてものでした。
生徒にとっても貴重な交流のひとときとなりました。
アメリカの先生方、フルブライト・ジャパンのスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

 
(昼食に参加していただく)              (生徒による学校紹介)
 
(被災地支援の「縁台」を一緒に作る)        (作業後に全員で記念撮影)
(生徒にとって良い交流の機会となった)

 本校では、中等科1年生から高等科3年生までの6学年で構成される委員会があります。

委員会全体の責任を担う委員長、
生徒の健康管理の責任を担う副委員長、
寮の責任を任せられる寮長は、

生徒全員が投票を行う選挙によって選出されます。

 

6月21日に委員選挙が行われ、第3期の委員長、副委員長、寮長が選ばれました。

6月22日には、 選挙によって選ばれた新委員長が、各委員の氏名と役職を発表し、最後に抱負を述べました。
新委員長のS君は、
「3期に呼びかけたいことは自発性です。学校にゴミが落ちているとき、友人が困ったり、悩んだりしているとき、
一人ひとりがどのようにしたら良いかを考え、行動できるようにしよう」と述べました。

S君の、とても凛々しく、はっきりと思いを伝える姿勢に、学校全体で彼の思いを共有することができました。

本校では、生命や自然につながる教育として「産業」の授業を行なっています。
中等科3年生では現在「養豚」「養魚」「畑」「果樹」の4つのグループに分かれ、
作物を育てることから、出荷、製造、販売に至るまで、様々な行程を体験しています。
(「産業」の取り組みは
こちらから)

今年「果樹」グループでは、お茶の葉を育てて「お茶づくり」に挑戦しています。
今回の授業では、摘んだ茶の葉から実際にお茶を入れることを体験しました。

 


-体験した生徒の感想文 中等科3年生I君-
「今回、果樹グループでは茶を作っている。作り方は次の通り。
まず、茶の葉を摘み、ぬるま湯でよく洗った後一日ほど乾燥させる。
乾燥したら鉄板で煎り、手でもむ。そうするとウーロン茶のような味のお茶ができあがった。
自由学園の葉がいいのか、できたお茶はスーパーでよく売っているお茶よりもおいしかったと思う。
みんながとてもおいしいと言っていた。ほどよい苦味がとても良かった。自分たちで作ったことに感動した。
この学校に入って3年だが、中等科3年生になって産業の実習を始めてから、
前よりも植物の大切さ、すばらしさを実感するようになった。
これからも産業でしっかり学び、生活していきたい。」

本校では、朝の7時をすぎると、校内のあちこちからほうきの音が聞こえてきます。
自分たちのことを自分たちで行なう「自治教育」の一環として、
毎朝生徒による学内の掃除が行われていますためです。

毎朝の掃除は、委員会の生徒が中心となり、
中等科1年生から高等科3年生の生徒たちが当番制で行ないます。
この掃除は、強制的に行われているのではなく、
生徒が自主的な活動として行なっているので、掃除に来ない人に対して罰則はありません。

しかし今朝も高等科3年生は、欠席者や寮の仕事に当たっている生徒を除く全員が、
互いに呼びかけあって掃除に集いました。

台風の影響が残る校内も、生徒たち自身の手によって、気持ちよく整備されていきます。

 
 

 

 

6月18日付の毎日新聞教育面「学校の風景140年・机と椅子」欄で
本校の特色ある教育が紹介されました。
本校では、「自立と協力」を学ぶ勉強の始まりとして、
新入生が教室で使う机と椅子を自分自身の手で作ります。

記事は一般的な学校用机の変遷と現状の解説に続いて、
「自作させる学校も」という見出しで、
本校の取り組み、教室の写真、生徒へのインタビューが紹介されました。

今年度の机づくりの様子はこちらをご覧ください。

掲載記事はこちらからご覧いただけます。
(毎日新聞社許諾済)

 

 

自由学園では毎年の初夏に、中等科と高等科に分かれて団体登山を行なっています。
60数年の伝統を誇るこの行事は、3年生を中心とした組織が新年度が始まってすぐに準備にかかり、
生徒全員がトレーニングやミーティングを重ねて心身のコンディションと結束力を高めていきます。

先日行なわれた高等科登山(高等科登山の様子はこちらから)から一週間後、
中等科3学年の生徒が仙丈ケ岳(標高3033m)に登りました。
病欠2名を除く全生徒が、険しい山道を乗り越えて、無事に山頂に立つことができました。

 

つい2ヶ月前まで小学生だった中等科1年生も、上級生に助けられ、
初の本格登山を全員が最高の形で終えることができました。

 

(高等科 山頂にて)

生徒リーダーのY君は、3学年をまとめる重責から準備期間には涙を流すこともありましたが、
学校に戻ってきた際には「同じ学年がよく支えてくれた」と周囲への感謝を口にしていました。

心身ともに大きく成長した3日間となりました。

自由学園では、自分達の生活を自分たちで治める「自治教育」を大切にしており、
生活の至るところに生徒が主体的に取り組む活動があります。


本日はその中から、「板木」について紹介いたします。

     
 

 

板木は、他の学校のチャイムに相当し、横75㎝縦55㎝厚さ15㎝のケヤキの木が使われています。
このケヤキの木は、学園の所持する学校林で育ったものです。

 

何年かに一度、長いあいだ叩かれてきた板木が割れることがあります。
板木を割ることを夢見て、男の子たちは毎日力いっぱい板木を叩きます。
上の写真の板木は6年前に生徒が叩いて割ったものです。

板木の使い方は、小さい小槌で板木をたたくというシンプルなもので、
叩くと「パンパン」と何とも言えない音が響きます。
また授業の始まりや終わりなど用途に合わせて叩くリズムが異なり、
生徒は板木のリズムを聞いて学校生活を送ります。

使い始めた当初の板木は、へこみもなく音も味気ないのですが、
今では中心部分に2
㎝程のへこみができ、音が響くようになりました。

今日も高等科3年生のK君が、男子部に響き渡るよう元気よく板木を叩き、自治を実践しています。

 

 

6月8日付の朝日新聞「耕論 コミュニティー新生」欄に、
本校の卒業生で
NPOチャイルド・ファンド・ジャパン緊急・復興支援事業のプロジェクト・マネージャーをしておられる船戸義和さんの
インタビュー記事が掲載されました。
船戸さんは本校の57回生(平成13年卒業)で、現在、同団体の
震災支援の活動に携わっていらっしゃいます。

自分の所属する「社会」を良くするためになにができるか、本校の卒業生は常に問い続け、
分野を問わず、様々な場所で活躍しています。

卒業生からのメッセージ

周囲のために自分には何ができるか常に考えることのできる人間を育てたい-自由学園はそう願っています。

自由学園では毎年の初夏に、中等科と高等科に分かれて団体登山を行なっています。
60数年の伝統を誇るこの行事は、3年生を中心とした組織が新年度が始まってすぐに準備にかかり、
生徒全員がトレーニングやミーティングを重ねて心身のコンディションと結束力を高めていきます。
今年度、高等科は甲斐駒ケ岳(標高2967m)と仙丈ケ岳(標高3033m)の2つのピークを目指しました。
2泊3日で2つのピークに挑戦することは過去にも例のない試みで、入念に準備を重ねて6月6日の本番を迎えました。
(準備の様子はこちらから)


当日は、体調不良等での欠席者数名を除く全生徒が山小屋に宿泊し、3学年での団結して山に向かいました。
1日目の様子)(2日目の様子)(3日目の様子

3日目の最終日には快晴の空の下、無事に仙丈ケ岳登頂を果たすことができました。

山頂からは、北は乗鞍岳、槍・穂高連峰、東には八ヶ岳、南には北岳・富士山と、日本の名峰を一望することができ、
苦しみながら登頂を果たした生徒たちも歓声を挙げていました。

 
(山頂に向かって連なって進む)           (山頂より北岳・富士山を望む)                 

(山頂にて伝統の「男子部賛歌」を歌う)


8日の17時過ぎに全員が無事に帰校しました。
生徒たちは口々に「疲れた」と言っていましたが、3日間を終えたことへの充実感もまた
感じているようでした。
翌日に反省会と各々の報告書を書く機会を設け、この学びをしっかり締めくくりたいと考えています。

2日間大人数の団体を泊めてくださった長衛荘の皆様や、
お支えいただいたすべての方に感謝申し上げます。

 

自由学園には、部活動の数こそ限られていますが、興味を持った分野に
青春を懸けて取り組む生徒が数多くいます。

音楽や美術、外国語や数学の研究など、その取り組みは様々で、
写真の魅力や卒業生の活躍に惹かれてカメラを手にする生徒もいます。

彼らは登山や体操会などの学校行事でも重要な役割を担っていて、公私にわたって活躍しています。

そのようななか、第37回JPS展(日本写真家協会展)に応募した高等科1年生M君の作品が、
20歳以下の部門で入選を果たしました。

本日、生徒の前で表彰を受けたM君は
「出してみて入選するとは思わなかったけれどうれしい」と感想を述べました。

M君の取り組みは皆が以前から知っており、会場では温かい拍手と歓声が贈られました。

 

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