中間試験の始まる前日だったと記憶していますが、先日、中学2年生のA君が放課後、校長室に来ました。ご承知のように、お客がいない限りドアを開放してある私の部屋は生徒の出入り自由です。ソファに座ったA君、私の机の上の書類の山を見て、おそらく<今日の校長先生はあまり話し相手になってくれないな>と思ったのかもしれません。
「校長先生、ノートを整理していいですか?」
「うん? なに? ノート、ああ、いいよ」
何を始めるのかと見ていると、A君、テーブルを自分のほうに引き寄せると、鞄からやおら2冊のノートを取りだして、一冊目のノートから内容を別のノートに書き移し始めました。
「授業の内容を清書しているの?」
「僕は、授業で書いたノートとは別に家で勉強するためのノートを作るんです。いま写しているのは、苦手の理科です」
「ふーん、偉いね。見せてごらん」
A君の差し出した家庭用というか、清書版のノートはきちんとした字で、大事な部分は赤のボールペンも使って整理されて、よくわかるノートの作りになっていました。

校長室名物となった生徒のランチタイム(某先生が校長食堂と命名しました)も、一人の生徒が弁当を持ち込んだのが始まりで、いまでは隣の応接室まで開放する賑わいですが、ひょっとしたら毎放課後に校長室が中学生用勉強部屋になってゆくかもしれません。
生徒が希望するなら、もちろん、校長先生は受けて立つ覚悟です。

日本学園は、1885年(明治18年)東京英語学校として発足しました。

今年度より新しい英語教育をスタートさせました。

単純な英会話の授業でも、一般的なティームティーチングとも違う「リンクイン」というシステムです。

担当の箕輪先生より3回シリーズでお伝えします。

英語科 蓑輪裕二先生

1回 「リンクイン」 の授業についてその1

   -トレーニングを重視した授業

 

    本校では、今年度より新しい英語教育システム、「リンクイン」をスタートさせました。私は、英語科教員の一人として、「リンクイン」について携わってきました。学校説明会で、受験生の保護者の方から、「リンクイン」の授業は、従来の授業とはどう違うのか聞かれたことがありました。今回は、「リンクイン」の授業にはどんな特徴があるのか説明したいと思います。

 「リンクイン」の特徴として第一に、トレーニングを重視した授業であるということです。トレーニングを重視した授業というのは、練習量が多いということです。何度も反復するので、練習量が多いのです。野球の練習において、良いバッティングをするために素振りを繰り返します。「リンクイン」においても反復を徹底的にします。

 

反復は同じことを何度もするということでつまらないという印象を持つかもしれません。飽きることがないのは、理由があります。

 

第一に、少し難しいが挑戦してみたくなる活動であるから、飽きることがない。

第二に、意味のある反復をしているので飽きることがない。

第三に、どの生徒も1回は発言をする全員参加型の授業をしているで、飽きることがない。

最後に、何度も意味のある反復をするので、授業のペースは速いので、飽きることがない。

 

このような授業であるので、生徒は受け身ではなく、積極的に授業に参加しています。

 

理由としてあげた「意味のある反復」とは、1つの文法項目をリスニング、スピーキング、ライティング、リーディング活動を通じて、繰り返し学習をするということです。

 

 

 ピッチャーがナックルボールを投げられるようにするには、何度も何度も練習をしなければいけません。英語の学習においても、1つの文法項目を理解して使えるようするには、何度も何度もその文法を使わなければいけません。

「リンクイン」の授業において、「文法を理解し、何度も練習し、実際に使ってみる」ことがとても重要です。

10月3日(土)、4日(日) にちがく祭(文化祭)を開催します。

早いクラスは夏休み中から準備を進めています。きっと素晴らしい「にちがく祭」になるでしょう。

今日は、社会科 安田先生の文化祭に関するメッセージです。

 

「学園祭が近づいて思うこと」

日本学園も学園祭が近づいてきました。生徒たちは会場の設営や飾りつけなどで忙しそうに動いています。それを見ると、自分が高校生だった時の文化祭を思い出します。

私が通っていた高校は本校みたいに文化祭に力を入れていませんでした。前日の午後しか準備時間がなく、それほど本番も盛り上がりませんでした。私もそうでしたが、同じクラスの仲間たちも高校の文化祭ってそのようなものかな、と思っていました。

しかし、東京に上京してきて教員として働いてみると、私が経験した文化祭とは全くと言っていいほど違い、学校全体が一丸となって取り組んでいることがよく分かりました。
地域や学校の違いがあるといえ、みんなで盛り上げて成功させようという雰囲気があり、教員になって初めて文化祭とはこのようなものなのかな、と思っています。

今年は新型インフルエンザの流行で、生徒たちにも影響が出ていますが、それを乗り越えてぜひとも成功させて欲しいと思います。記憶に残る楽しい学園祭になることを期待しています。

 

 

私立校と公立校の違いはたくさんあります。

卒業して母校を訪れたときに、知り合いの先生がたくさんいるのは楽しいことでしょう。

 

中学2年A組 担任 山中先生のメッセージです。

 

 先日前に卒業させた生徒達が二十歳になったと言うことで誘われてその集まりに行った。

 

同窓会というわけではないが、卒業しても、時々あっていたメンバーがようやく自分たちも先生とお酒が飲めるということで、誘ってくれた。

すでに社会人として今年から「修行」を始めた人、大学生として就職活動をどうするか悩んでいる人、どう生きていこうか悩んでいる人など、いろいろな人との再会を楽しんだ。

 

お酒が飲めるけれど、飲めない人も結構多くいて今言われる草食系男子の一端を感じさせる。

 

ただ、みんなとわいわいやりたいということで飲む場所であっても参加するのかもしれない。

10人近く集まったメンバーだが、まだ三年足らずなのでみんな変わっていない。

でも、彼らを取り巻く環境は、日々変わっており、そこで苦労をしている話をみんなから聞けてよかった。

見つからないけれど、自分はどう生きたらいいのか。そのためにいろいろと悩みながら進んでいく姿を見て、しっかり卒業してくれたのだと安心をした。

それ以上に、自分も日々変わっていく環境にいると自覚していかないと成長がないことを感じた。

 

 なによりも、幹事として今回仕切った卒業生のH君には、驚かされた。在学中は、人の世話より自分のことで目一杯の人だったのに、数名の仲間と一緒にきっちり会をセッティングしていた。やはり、人は変わるものだとつくづく思った。

※本校校長は時間の許す限りクラブの応援に行きます。

校長の観戦記をご覧ください

前の日曜日、自宅からはちょっと遠かったのですが、京浜急行空港線「大鳥居」駅から徒歩8分の都立つばさ総合高校まで出かけました。高校サッカーTリー グ3部の優勝決定戦のためです。対戦相手は、そのつばさ高校で、つまり学園チームにとっては不利な敵地での戦いです。
 午前10時に始まった試合は、アウエイの不利もあって前半戦は押され気味。私は
「うちの子たちは、まだ半分眠っている状態なのかな・・・」
とぼやいていました。
後半戦に入ってもゼロ対ゼロの状態のまま。私は直射日光を避けるため、敵陣ゴールの後方にある木陰に座っていたのですが、少しずつ調子を上げてきた学園選手の放ったゴールシュートが大きく逸れてフェンスを越えて、私の近くにころがってきました。私は拾い上げたボールに
「にちがく(日本学園のこと)に勝たせてください」
とつぶやいて、選手に投げ返しました。その数分後に再びボールが私の方に・・・。
私も驚きましたが、やや離れた場で応援する保護者のお母さんがたも
「また、校長先生のところに・・・」
やはり、何かを感じたのかも知れません。そこで私は再び立ち上がってボールを拾い、同じおまじないをかけて、投げ返しました。
その5分後ぐらいでしょうか、何と学園チームが待望の1点を入れて、逃げ切って優勝したのです(話を面白くしようと、作っているのではありません。全部、真実です。ただし、私のおまじないのおかげで勝ったとまでは言いません)。

養護の井上先生よりのメッセージです。

昨日は、二十四節気の白露にあたります。
今日は暑い日ではありましたが、やはり真夏の暑さとは違って秋の気配を感じます。

先週あたりから、近所の魚屋さんには秋刀魚も出まわってきました。早速、魚屋のおじさんに「今年の秋刀魚は脂が乗って美味しいよ!」とすすめられ、塩焼きにして大根下ろしもたっぷり添えて頂きました。今年の秋刀魚は脂が乗って美味しいわりに値段が安めなようで、秋の味覚をたっぷり楽しもうと思っています。

「にちがく」の秋も、これから、日学祭を始めとして盛りだくさんな予定です。「食欲の秋」だけでなく、「勉強の秋」「スポーツの秋」そして、もっともっと秋を堪能しつつ、たくさんのことを吸収していって欲しいと思います。

保健室としてはインフルエンザの流行の動向にドキドキしつつも、きっと実り豊かになっていくであろうこれからの秋という季節を楽しみにしています。

現役生にとって最も大切な夏休みが終わってしまいました。夏休み中は、学校や塾の講習に参加していた人、毎日学校や自宅で地道に勉強していた人、AO入試の準備に追われていた人と様々でしたが、各自、自分のやるべきことを一生懸命やっていたようで、安心しました。

2学期はAO、指定校推薦、公募推薦による入試が始まります。一般入試と違い、それぞれ事前に準備すべきことが非常に多いので、期日に間に合うよう十分余裕を持ってやるようにしましょう。また、そろそろ面接の練習もしなければなりません。面接対策については後日詳しく説明しますが、自分の語るべきことは何なのか、じっくりと考えておいてください。

入試準備と並行して日学祭の準備も進めなければなりません。今年は模擬店のみの参加のため、さほど大変ではありませんが、何事もバランスよく進めていきましょう。

また、B組は半数以上の人が来年の一般入試まで頑張っていくことになりました。敢えて困難な道に挑戦するという姿勢があるので、その姿勢を頼もしく思い、期待しています。各自、それぞれの希望の進路に進むことができるよう、精一杯頑張ってください。朗報を待っています。

いよいよ2学期がスタートしました。
中1B担任 小飯塚先生から学期初めのメッセージです。

 今年の夏はなんだかとても短く、朝と夕方に部屋に入り込む涼しい風が早くも秋を感じさせ、夏の終わりの静まった空気が部屋を漂っている。

 2学期のスタートです、担任となってはじめての夏明け、(今年はすべてはじめての体験になるが)やはり真っ先に心配になるのが、この夏に出た各教科の宿題。

誰もが経験したことだと思うが、夏休みの終わりに、この夏遊びまっくったことを後悔しながら終わりの見えない宿題を必死になって片付ける。

これを書いている間も、宿題を溜めてしまっていそうな生徒を想像し、同じ思いをしながら必死になっている姿を勝手に頭に描いている。

これはあくまで想像に過ぎない。もしかしたら全員終わってるのかもしれない(そうであって欲しい)、と、なんとこんなことを考え緊張している私がいる。


「こんな夏の終わりははじめてである。」


 さて、2学期といえば学校行事も学園祭に始まり中学はスキー教室など盛りだくさんである。

中学ではこの夏の校外授業の農泊体験を学園祭で発表し、すでに準備も着々と進めている。

そして、もう一つは、劇、これも1学期から準備してきているものであるが、この2学期も始まって早々勉強に行事に忙しそうだ。

がんばっていこう!


※10月3日(土)、4日(日)「にちがく祭」です。

  中学生は、展示・演劇、そして学年によって、いろいろな発表を行います。

  夏休み中から準備を進めているクラスもあるようです。(Web管理人)

※尾花先生の文化祭はどうなるのでしょうか。感動の最終回です。

そのうち、キャンプファイヤーの点火を待つ人と、その前に帰ろうとする人とが次第にはっきりしてきました。ちらほらと、ダンスに使うオクラホマミキサーのテスト放送も聞こえます。
いや~な汗が背をつたうその時、後夜祭を待つ人混みの中に、ひとりの女の子が目につきました。少々茶髪の目立つ、落ち着いた感じの女子高生が、もう一人の友だちと話しながら、楽しそうにグランドと校舎の間ににたたずんでいます。
小柄でよく笑う、大人っぽい感じの人だったのが印象的でした。下手な鉄砲でも、まずは打たねば当たるまい。もはや人生崖っぷち。勇気をもって、ダメもとでダンスに誘うと、にっこり笑って、

「ていうか、あたしたぶん年上だと思うけど?」

な、なんと! 先輩だったか…。おそらく、今の生徒でもそうだと思いますが、中高生で学年がひとつちがうというのはかなり大きなこと。
まして異性に話しかけるとなれば、当時はそれこそ勇気がいることでした。とにかく恥ずかしいやら緊張するやら…。でもここでダメなら、もう時間がありません。
木っ端ミジンコのバラバラ、ひとえに風の前の塵に同じでございます。自分は背水の陣で頭を下げたのでした。

「あ、先輩とか全ッ然OKッス。よろしくお願いします!」
「ハハ、なんか運動部っぽいね。じゃあ時間になったらここに迎えに来て」

あれ、これってOK? やったー! やったぞー! エイドリアーン!(この時、自分の頭の中には、なぜかロッキーのテーマが流れていました)。もし近くに他の生徒たちがいなければ、おそらく歓喜の雄叫びをあげていたことでしょう。
ひとつは地獄のシゴキから逃れられたことに対して、もうひとつはちっぽけな勇気がむくわれたことに対して。

さてさて、あとはもうあやふやな記憶でしかありませんが、たしかこの年の一年生部員20数名は、すべてフォークダンスに相手を誘うことに成功していたように思います。
そして、ここからしばらく、たいていの部員が、高校に入ってはじめての〈楽しい時〉を過ごすことになるわけなのです。だからといって、さすがに当時の先輩に感謝の気持ちはありませんでした。よくぞまあ、史上最大の緊張を与えてくれたものです。
こんなひどいこと、もう誰がするもんかと言いつつ、ひとつ先輩になると、やっぱり同じことが繰り返されるのでした。「伝統」ってこわいものです。

まあ何はさておき、終わりよければ何とやら。めでたしめでたし。
《おしまい》

ラグビー部顧問尾花先生の3回シリーズ 愛と勇気の文化祭 その2

 フォークダンス、踊れなければ「地獄の練習」。そんな殺生な…。でも、あとでわかることなのですが、この話は一見理不尽なように思われて、実は運動部の先輩たちの“ささやかな愛情”がこめられていたのでした。

 

 もとより、田舎の男子校生と言えば、女子との接点がなかなかありません。自分の母校は、地元ではそこそこ人気のある男子校ではありましたが、それこそ一年中部活三昧のきびしい毎日にあっては、他校の生徒との交流など、部活を通して以外にはありえなかったのが実情でした。

だから二年の先輩たちは、後輩部員たちにあえて「地獄の練習」という言葉をもちだし、強制的に女子と話をする機会を設けてくれたというわけなのです。

 もちろん、文化祭は文化祭。フォークダンスを踊れなかっただけでシゴキまがいの練習なんて、実際にはあるわけがないのです。

 

 がしかし、当時の自分たちにとっては、それは冗談ではすまされません。

部に入部してから約四ヶ月。その間に、どれだけ高校の運動部がきびしいものか、もう嫌というほど味わっています。

 古き男子校の体育会系、先輩の言うことはとてもとても重いものでした。自分たちは、とりあえず直しても無駄な身だしなみを一応整え、校舎の中をひたすらウロウロ。後夜祭の開始まで一刻の猶予もありません。あちこちでダンスの相手を探しながら、校舎の内外で、何度も他の部員たちと顔を合わせます。

「おい、お前相手見つかったか?」

「ダメだよ、全敗だって」

「お前さ、理想高えんだよ」

「うっせえ。でもマジ『アレ』だけはやりたくねえよ、絶対見つけようぜ」

こんな会話が、学校のあちこちで繰り返されていました。

 

 そのうち、そこそこ男前な部員たちは相手を見つけてホッとひと息、あとはもう後夜祭を待つだけです。が、自分を含め、半分以上の部員はまだ相手が見つかりません。キャンプファイヤーの点火まであと少し、俺たちの命ものこりわずか…。しずむ夕日、せわしい蝉の鳴き声が、いやがおうにも焦る気持ちをかき立てます。そのうち、ほかの運動部員たちも、なぜラグビー部の一年生がこんなにも焦っているのか、次第にわかってきたようです。面白半分で応援したり、同じ気持ちでため息をついたり、でもやっぱり人ごとは人ごとのようです。もともと仲がよかった野球部など、後夜祭よりも楽しそうに、自分たちのことを遠目に見て笑っていました。

《またもつづく》

 

 

ページ
TOP